同志たちよ、あの偉大なるカタログがウェブサイトですべて公開されましたよ
これがもっと大きな話題にならないのは、ぼくの前の世代があまりインターネットに主体的に参加していないからなのかと、少なからず考え込んでしまった。早晩いつか必ずこれが実現する日がくるだろうとは考えていたが、思ったよりも早く実現したと言うべきか、あるいは「遅すぎるよ」と文句のひとつでも言うべきか悩むところだが、でもひとつ気を取り直してこのニュースを伝えておかなくてはならない。
同志たちよ! 頭に栄養は足りていますか?
60年代後期から70年代をとおして、そして80年代も90年代すら、そしておそらくは21世紀になった今も、時代がまるごとその影響下にあり続ける偉大なカタログである「 Whole Earth Catalog 」の最初の68年秋号、69年春号、69年秋号、70年春号、70年9月号、71年1月号、71年6月の The Last Whole Earth Catalogとその補遺号、74年5月の The Last Whole Earth Catalog 改訂新版、74年10月 Whole Earth Epilog、80年春の THE ESSENTIAL Whole Earth Catalog、80年9月の THE NEXT Whole Earth Catalog、94年の THE MILLENIUM WHOLE EARTH CATALOG、98年冬の創刊30周年記念号の全部、およびそのファミリーマガジンのすべてが(完全にではないものの全体が!)デジタル化され、紙の呪縛から解放されてこのほど公開された。
おそらくインターネットの歴史のなかにおいても、これはもっと特筆されてしかるべきニュースにちがいない。80年代からインターネットの宇宙を旅してきた人間の一人として言わせてもらえば、少なくともぼくにとっては、これほど「暇つぶしと頭の訓練」に役に立つウェブサイトはインターネットのどこを探してもこれまで見つけることはできなかった。最近流行している自己啓発ノウハウサイトなどこのウェブサイトを見たあとでは完全に色あせてしまうだろう。 Whole Earth Catalog は一貫して「 Access to Tools 」というサブタイトルを掲げてきたが、ウェブサイトとして公開されるにあたって「 Access to Tools and Ideas 」と「道具」だけでなく「考え方」への「入口もしくは通過点」という言葉がそこに付け加えられている。
このままでいくとインターネットの世界もまたテレビ・メディアのように時と共に「悪貨が良貨を駆逐して」知性のレベルの低下もしくは、ニューエイジが辿ったような低次元での均一化はまぬがれないと思い込みかけていたのだけれど、有意義に時間をつぶせるウェブサイトがようやくひとつぼくのブックマークのなかに追加された。このサイトと共に地球の旅を続けるためにぼくがノートパソコンを手に入れるための資金集めをはじめる理由のひとつになるかもしれない。空から一台MacBookが降ってこないか知らん。\(^O^)/
最後に「全地球カタログ」のデジタル化を可能にしてくれたテクノロジーの進化とスタッフたちの献身的なエネルギーにひれ伏して感謝したい。
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