Saturday, April 26, 2008

ユダヤの預言者はいかにしてクジラの腹のなかに入ったの?

Tlingit imageTlingit image

クリンギットはカナダの北西太平洋沿岸に暮らしてきた漁猟狩猟採集の民。

ちいさなクリンギットの女の子が、クジラのことで先生と言いあっていた。

「いくら大きい動物だからと言って、いいこと、身体の構造上、クジラが人間をのみこむなんてことはありえないのよ、クジラの喉はとっても狭いんだから」と先生。

「でもヨナはクジラにのみこまれたのよ」

Jonah少女は、巨大な魚にのみこまれたけれどその腹の中で三日三晩祈りをあげたことで魚から吐き出された預言者ヨナについての旧約聖書のなかのお話しを引き合いに出して反論した。先生は少しイライラして、クジラが人間をのみこむなどということはあり得ないと繰り返した。その身体の構造上、絶対に不可能だと。

クリンギットの少女はそれを聞くとこたえた。

「いいわ、天国に行ったら、わたしがヨナに聞いてみるもの」

「ヨナがもし地獄に行っていたらどうするの?」

先生がやりかえすとそのクリンギットの女の子はこたえた。

「そのときは、先生が彼に聞いてみればいいでしょ」


Native jokesインディアンは笑う』北山耕平編・構成。(おそらく)世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクションの本。笑うことで世界をひっくり返す書。笑いの百連発! 当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。好評発売中

| | Comments (1) | TrackBack (0)

Friday, February 29, 2008

インディアンから世界でいちばんタフなカウボーイに捧げられた歌

John Wayne

モダン・インディアン映画『スモーク・シグナルズ』(クリス・エア監督 シャーマン・アレクシー脚本)を見た人は、映画のなかでつかわれたイーグルベア・シンガーズの歌う「ジョン・ウェインの歯(John Wayne's teeth)」という歌が耳に焼きついているはずだ。戦士にあこがれる主人公のヴィクターと、語り部になりたい友人のトーマスのふたりが大陸横断バスで南のアリゾナに向かうそのバスの車中で、「カウボーイがいつも勝つ」「いやカウボーイがいつも勝つとは限らない」とたあいのない言い争いをした後で、話が世界でいちばんタフなカウボーイであるジョン・ウェインのことになったあと、他の乗客の迷惑などお構いなしにふたりが大声でうたった歌だ。たまたま YouTube にそのシーンがあがっていたのでごらんください。



Smoke Signals - John Wayne's Teeth
ジョン・ウェインの歯
(シャーマン・アレクシー バージョン)

ジョン・ウェインの歯
ジョン・ウェインの歯
あれはニセモノ?
それともホンモノ?
あれはプラスチックだろうか?
それともあれは鋼(はがね)だろうか?

ジョン・ウェインの歯
ジョン・ウェインの歯
あれはプラスチックだろうか?
それともあれは鋼だろうか?

John Wayne's teeth / John Wayne's teeth
Are they false? / Are they real?
Are they plastic? / Are they steel?

he-ya-he! he-,ya-he!

この映画の脚本を書いたシャーマン・アレクシーが「ニセモノ? ホンモノ?」の1行をさりげなく加えている。これはジョン・ウェインを笑う歌というわけではなく、ジョン・ウェインに象徴される「強いアメリカ」を笑い飛ばす歌で、オリジナルのイーグルベア・シンガーズの歌う「ジョン・ウェインの歯(John Wayne's teeth)」のほうも、ここまで読まれたついでに聞いてください。これはとても覚えやすくて、耳に焼きつくはずだし、勝負の日などに口ずさむと、なんとなく勇気がわいてくるはず。



John Wayne's Teeth by Eaglebear Singers
ジョン・ウェインの歯

ヤー、ヤへ、ヤヘ、ヤヘ

ジョン・ウェインの歯
ジョン・ウェインの歯
あれはプラスチックだろうか?
それともあれは鋼だろうか?

ハハ、へへ、ヘイヤ、ヘイヤ、へへ、ヘイヤ

ジョン・ウェインの歯
ジョン・ウェインの歯
あれはプラスチックだろうか?
それともあれは鋼だろうか?

John Wayne's teeth / John Wayne's teeth
Are they plastic? / Are they steel?
Hey ya hey ya hey ya way oh way

he-ya-he! he-,ya-he!

| | Comments (1) | TrackBack (0)

Saturday, February 09, 2008

インディアンだって父親は息子を自慢する

ローズバッド、オグララ、シャイアン・リバー、そしてヤンクトンからきた4人のネイティブ・アメリカンの父親たちが待ち合わせてゴルフをやりに出かけた。3人はゲームをするためにそのままティー・グラウンドに向かい、ひとりはクラブハウスに料金を支払いに行った。さっそく3人の男たちが息子自慢をはじめた。

ローズバッドから来た父親が他の2人に向かって口火を切った。

「うちの息子は住宅建築業を手広くやっている。かなり儲かっていてな、先日も友だちに新しい家をくれてやったほどさ」

するとオグララから来た父親も負けずに、

「うちの息子は車のセールスで一山あててさ、今じゃいろんな外国車のディーラーをやってる。とにかく稼ぎがよく、こないだも友人にベンツの最上級車をプレゼントしてたっけ」

そうなるとシャイアン・リバーの親父も黙ってはいない。ふたりを鼻の先であざ笑うかのように、

「そんな程度か。うちの息子は株屋で面白いぐらい利益を上げててな、先だってもある会社の株でしこたまもうけた分を全部友人に気前よく与えてたぞ」

とまあそんな話をしているところへ、カントリークラブに料金を支払いに言っていた最後の男が、数分遅れでゲームに合流した。

さっそくローズバッドから来た父親が遅れてゲームに加わったヤンクトンの男に向かってたずねる。

「ちょうどよかった。わしらは息子の自慢話をしていたところだ。ついてはお前さんちの息子はなにをしているんだね?」

ヤンクトンから来た親父が口を開いた。

「うちの馬鹿息子かね? あの野郎はゲイでな。どこかのゲイバーで夜な夜なゴーゴー・ダンスを披露しとる」

それを聞いてのこりの3人は黙りこくった。そしてヤンクトンの男の話に耳を傾けた。

「まあ、酒場で踊り子をやってることについちゃ、もうなにも言う気にならん。だが、あいつはあいつなりにうまくやってるようだな。わかれた3人のボーイフレンドから、それぞれ新築の家と、新車のベンツと、株券をごっそりもらっておったからな」


Native jokesインディアンは笑う』北山耕平編・構成。(おそらく)世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクションの本。笑うことで世界をひっくり返す書。笑いの百連発! 当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。好評発売中

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Wednesday, January 09, 2008

小鳥

これはインディアン・ジョークではないのですが、ネイティブの友だちが送ってくれた話なので、聞いてください。

冬が来たので小鳥が南を目指して飛んでいました。しかし気温の低下はことのほか早くて、小鳥は寒さで体を凍らせて地面に落ちてしまいました。落ちたところは広大な牧場の草むらのなか。カチカチに凍った体を横たえて小鳥がじっとしていると、やがて一頭の大きな牛がやってきて、小鳥の上にでっかいうんこをしたのです。小鳥はうんこの下敷きになりました。

寒さで凍え死にしそうになっていた小鳥は、牛のうんこの山にくるまれてじっとしていました。やがてある時気がついたのです。大量の牛のうんこに包まれていると、なんて暖かくて気持ちがよいのでしょう。実際ゆっくりとうんこが小鳥の体をとかしてくれたのです。小鳥は横たわったままうんこのなかでぬくぬくと暖まりながら最高に幸せな気分を感じていました。あんまりうれしかったので、小鳥はうんこの山のなかで思わずピイピイピイと喜びの歌を口ずさみました。

とそのとき、草むらに落ちていた大きなうんこの山のすぐ近くを一匹の野良猫が通りかかったのです。little birdどこからか鳥の鳴き声が聞こえているではありませんか。小鳥の歌う声に興味を抱いた野良猫は、牛の落としたうんこの山をかき分けて、そのなかに小鳥が横たわっているのを見つけると、その小鳥を引き出して食べてしまいましたとさ。


人生の教訓

その1 あなたの上に糞をするものすべてが敵とは限らない。
その2 あなたを糞から引き出してくれるものすべてが味方とは限らない。
その3 もしあなたが大量の糞のなかにいるのなら、歌わずに黙っていろ。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

Wednesday, November 28, 2007

インディアンが回想する最初のサンクスギビング

あれはもうかなり昔のことになるかな。この母なる大地にはまだインディアンたちだけしか住んでいなかったころの話しだ。ある日わしらが浜辺を散歩していたら、みょうちくりんな人間たちとひょっこりであった。奇妙な服を着て、行く先がわからなくなったのか、海べりをふらふら歩いていた。鳥が羽根を広げたようなものをつけた船でその者たちはやってきて、行く先もわからないようだったから、しかたなくわしらは連中を助けることにした。よく見ると、どうやら食い物を持っていなようで、みな腹をすかしていた。そこでわしらはその者たちを家に招いて、一緒に飯を食わせたんだ。まず、そうしたら連中はここをえらく気に入ってな、ここにいたいといいだし、二度と帰ることはなかった。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

人類学者はなぜ笑われるのか?

anthropologistインディアンの人たちのジョークには「人類学者」をからかったものもことのほか多い。調査研究のために部族を訪れる学者が真面目であればあるだけ盛大に笑いの対象にされる。もちろんそれには長い、といっても150年ぐらいのものなのだが、歴史的な背景がある。彼らの世界では原則的に「学者とジャーナリストは文化的な泥棒」という認識がいつのころから過できあがっているからだ。そのことはすでに広く一般的に知られることになっていて、ここにお見せする風刺漫画が新聞に普通に掲載されたりする。先住民の村のある光景を描いたもので、人類学者がやってきたのを見つけた先住民たちが、「人類学者がきたぞ!」と大あわてでテレビやビデオや電話や電気スタンドといった文明的な道具類を隠している図だ。そこで、ネイティブ・ピープルによる人類学者をからかうジョークをひとつ。

line of rocks

とあるインディアンの村を調査で訪れていたひとりの人類学者が、一族のチーフと話を交わすうちに、ふたりは心をうち解けるような間柄になった。そんなあるとき、学者先生がチーフにこう切り出した。

「もしお許しいただけるのなら、チーフのご母堂さまの墓を一度掘り返させていただけませんか? そうすれば彼女についてもう少しくわしいことがわかるのではないかと思うのです」

「ああ、かまわんよ」と、チーフはこたえた。「でもよいか、そのときにはこのわしにだって、お前さんのおふくろの墓を掘り返させてくれるんだよな」


Native jokesインディアンは笑う』北山耕平編・構成。(おそらく)世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクションの本。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。笑いの百連発! 当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。好評発売中

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Thursday, October 04, 2007

インディアンのママたちの眼力

ンディアンの母親が息子のイエローフェザーのところに夕食を食べにやってきた。息子はルームメイトの女の子と暮らしている。女の子の名前はサンシャイン。

とても可愛らしい女性で、3人で食事を食べはじめるまえから、母親は息子のルームメイトだというサンシャインの美しさに目を奪われっぱなしだった。息子とルームメイトの関係がただならないものであることにママは即座に気がついた。そしてふたりがどの程度までの関係なのかさらにつっこんで知りたくなった。

食事のあいだじゅうママはふたりのやりとりや仕草を目を皿のようにして観察した。あきらかにふたりが、ただのルームメイトではなく、一線を越えた関係であることは明らかだった。

母親の心を読んだものか、息子のイエローフェザーが先手を打ってきた。

「よしてよ、母さん、ぼくたちはそんな関係じゃないからね。サンシャインはただのルームメイトなんだから」

週間後、サンシャインがイエローフェザーのそばにやってきて尋ねた。

「あなたのお母さまがいらっしゃった日から、わたしの銀の小さなシールドがどこかにいっちゃったのよ。お母さまが持ち帰ったなんてことはないわよね?」

イエローフェザーがこたえた。

「まさかそんなことはないと思うよ。でも念のためにメールを出して聞いてみようか」

さっそく彼はパソコンの前に座ってキーボードを叩いた。


親愛なるママへ

もしかしてぼくの部屋から銀のシールドを持ち帰ったなんてこと、したりしていませんか? そんなことはあるわけないとは思うのだけど、ママがここに食事に来た日からそいつがどこかに消えたままになっているので。どこかにまぎれこんだりしていなかったかな、と思って。

愛する息子のイエローフェザーより


れから数日して、イエローフェザーは母親からの返事のメールを受け取った。メールにはこう記されていた。


親愛なる息子へ

あなたがサンシャインという娘さんと一緒にひとつベッドで寝てるなんてことはいいませんけど、だからといってわたしはあなたたちが一緒に寝ていないとも言っているわけではありません。あなたたちの関係がどうあれ、もし彼女が「自分」のベッドでちゃんと寝ているのなら、銀のシールドが枕の下にあることぐらいは当然すぐに気がつくという事実に変わりはないのですから。

愛をこめて

あなたのママより

今日のレッスン:母親に嘘をついてはいけない。もしあなたがインディアンならなおさらのこと。


Native jokesインディアンは笑う』北山耕平編・構成。(おそらく)世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクションの本。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。笑いの百連発! 当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。好評発売中

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Friday, September 07, 2007

どこにでもあるようなもの・・・

る日、インディアンの男と、白人の弁護士と、キューバ人の男と、ロシア人の男が、たまたま同じ汽車の客車に乗り合わせた。

ロシア人がロシア製のウォッカのボトルを4本取りだしてみんなに回した。ボトルからのがぶ飲みが一段落したとき、ロシア人の男が手にしていたウォッカのボトルを、まだウォッカが残っているにもかかわらず、いきなり客車の窓から外に投げ捨てた。

「なんだってそんなまねをするのだ?」

インディアンがたずねるとロシア人がこたえた。

「なあにモスクアじゃあ、あんなものは誰もありがたがらない。糞みたいなものさ」

それからしばらくすると、今度はキューバ人がキューバ特製の手巻きの葉巻を4本取りだしてみんなに配った。4人は葉巻に火をつけて煙を堪能した。ところが葉巻を一服しただけで、キューバ人は手にしていた葉巻をそのまま客車の窓から外に投げ捨ててしまった。

「この葉巻は世界でも最もいい葉巻じゃないか。なんでそれを投げ捨てたりするのだ?」

インディアンがたずねるとキューバ人がこたえた。

「ハバナではあんなものはどうというものでもない。ありがたがるほどの価値もありゃしないんだ」

インディアンは困惑したような顔をしてしばらく座ったままでいたが、あるとき意を決したように立ちあがると、隣にいた弁護士の手をひっつかんでやにわ彼を客車の窓から外に放り出したのだった。


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。わらいの百連発! 当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。好評発売中

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Monday, September 03, 2007

大きな川

ンディアンが3人、森のなかを歩いていくと、行く手を大きな川にさえぎられた。3人はどうしても川を越えていかねばならない。するとひとりのインディアンが声を出して祈りをあげた。

「おお偉大なる曾祖父よ、わたしに川を渡って旅を続けるだけの力をお授けください」

偉大なる曾祖父は彼の願いを聞き入れて、彼に強い腕力を与えた。はたせるかな男はその大きな川を45分かけて泳いで対岸へ渡ることができた。

これを見た2番目のインディアンも祈りをあげた。

「おお偉大なる曾祖父よ、わたしが川を渡って旅を続けられるための道具をお授けください」

偉大なる曾祖父はその願いを聞き入れて、彼にカヌーを造るための道具を与えた。男は2時間かかってちょつとしたカヌーを作りあげて川を渡った。

3番目のインディアンは思案にくれた。さてどうしたものか。しばし考えたあとで彼は祈りをあげた。

「おお偉大なる曾祖父よ、わたしにこの偉大なる川を渡って旅を続ける力と、道具と、賢さとをお授けください」

すると偉大なる曾祖父は男をインディアンの女性に作りかえて一枚の地図を授けた。彼女はしばらくその地図を見ていたが、じきにすたすたと歩き出し5分ほどで対岸に渡る橋にたどりついたのだった。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

Thursday, August 30, 2007

不法移民とは誰のことを言うのか

Plymouth Rock
「連中が言うには、塀を作っているのは、あまりにも多くのわれわれの同胞たちが
不法に入り込み、彼らの言葉を学ぼうとすらせず、彼らの文化に
同化しようともしないからだということで・・・」

*プリマスの岩は、アメリカの礎とされる岩で、かつて清教徒たちボートピープルを乗せたメイフラワー号がここに着岸したとされる。現在のアメリカ政府がおこなっている不法移民の規制をからかったもの。アメリカはもともと不法移民たちの作りあげた国。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

笑わずにいれるか

人の男が森のなかで道に迷ったあげく人食い部族に捕らえられた。部族の王様は捕虜たちに、もし試練に耐えることが出来れば、いのちだけは助けてやると申しつけた。試練の第1段階は、食人族の部族のものたちとともに森に入り、なんでもいいから果実を10個持ち帰ることだった。さっそく捕虜となった3人の男たちはそれぞればらばらに森に入っていった。

しばらくして最初の捕虜が戻ってきて、王様に言った。

「りんごを10個持ち帰りました」

それを聞くと王様はおもむろに試練の第2段階を伝えた。その内容はというと、持ち帰ったりんごを全部ケツの穴に詰め込めというものだった。しかもそのときに顔の表情をひとつも変えてはならず、その際に顔が少しゆがんだだけでも、お前は食べられてしまうだろうと。

最初のりんごはなんとか無事におさまったものの、2個目を押し込んでいるときに捕虜は苦痛で顔をゆがめてしまった。捕虜はそのまま殺されて天国に召された。

2番目の捕虜が帰ってきて、王様に10個の果実を差し出した。差し出されたフルーツはイチゴが10粒。王様は最初の捕虜と同じことをこの2番目の捕虜にも求めた。2番目の捕虜は内心してやったりと考えた。小さなイチゴなら10個ぐらい押し込んだところでなんてことはない。ところが、9個目のイチゴを押し込んでいるときに、その捕虜が突然大声で笑い出したのだ。このためにこの捕虜も殺されて天国に召された。

最初の男と2番目の男が天国で顔をあわせた。最初の男がたずねた。

「なんでまた笑ったりしたんだ? あと一個で助かったというのに。少しは我慢というものができなかったのか!」

2番目の男がこたえた。

「わかってるわかってる。でもあれを見たらとてもじゃないが笑わずにはいられなかったのさ。なにしろこっちが真剣に押し込んでいるところに、もうひとりの男がでっかいスイカをいくつも抱えて帰ってきたんだぜ」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Wednesday, August 15, 2007

ろくでなしのおじさん(ナバホ・ジョーク)

hogan_tradhogan_modern
ディネの人たちの伝統的な家ホーガン現代的に建てられているホーガン

つもより早めに仕事を切り上げてナバホの男が帰宅したところ、ホーガンのなかから奇妙な物音が聞こえてくるではないか。急いで家の中に足を踏み入れた男がそこで目にしたものは、ベッドの上で素っ裸のまま、汗まみれで息を切らして、半身を起こしている女房の姿だった。

「いったいなにがあった?」男がたずねると女房が声を張りあげた。「なにのんびりしてるのさ、ちょっとあたいの心臓がおかしいってのに!」

男は自分のトラックのなかに置いたままの携帯をとるためにあわてて表に飛び出した。救急車を呼ぼうとナンバーを押しているとき、4歳になる息子がどこからか出てきて大きな声で言った。

「とうちゃーん! こわいよー! ジミーおじさんが、なんにも着ないで羊の毛皮の下に隠れてるんだよー!」

それを聞いた男はいきなり電話を投げ捨てると脱兎のごとく家の中にとって返した。悲鳴をあげる女房を無視して、いきなり部屋の隅にあった大きな羊の毛皮を引っぱがした。はたせるかなそこには、丸裸で身を小さく丸めたままの自分の弟が隠れるようにしていたのだ。

「この腐りきった弟め!」亭主が怒りをあらわにし大声で言った。「お前ってやつは、おれの女房が心臓麻痺を起こしてるってときに、裸で子どもを怖がらせるなんて、ろくでもねえ野郎だ!」


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。最新刊、好評発売中!

| | Comments (1) | TrackBack (0)

Monday, August 13, 2007

年齢を重ねるのも悪くない?

あるパウワウの会場でのこと、インディアンのエルダーたち3人が額をつきあわせてなにやら話しあっていた。ひとりはポーニー族のじいさまで、もうひとりはネスパース族、残りのひとりは北部ユート族の老人だった。60歳になるポーニー族のじいさんがこう言っていた。

「60歳は最悪だな。とにかく小便が近くていかん。そのくせに、いざ小便をしようとすると、今度はなにも出てきやがらないときてる」

「なにいっとるんだい、そんなことは悩みにもならんな」70歳になるネスパースのじいさまが口を開いた。「いいか、70になるとな、腹の動きがピタと止まっちまって、下剤を飲んでも、植物繊維のたっぷり入ったものを食べても、便所に1日入って座り込んでいても、通じが悪くてウンともスーともなにも出てこないんだ!」

「おまえたちは甘いなあ」と北部ユテ族のじいさんがそれを受けて続けた。「最悪なのは80歳だ」

「なにかい、あんたも小便が出ないのかね?」

60のじいさんがたずねた。

「うんにゃ。毎朝6時にはちゃんと小便が出る。判で押したようにきっちりと小便は出る。小便に問題はない」

「ということはなんだな、お前さんの悩みも便通だな?」

「うんにゃ。便通は毎朝きまって6時半にある。そんなのも問題に入らん!」

これを聞いて60のじいさんがいらだちを隠せない様子でたずねた。

「毎朝6時に小便がきちんと出てくれて、6時半には大きい方もちゃんと出る。悪くないじゃないか。いったい80歳のどこがそんなに最悪なんだね?」

するとその80のじいさまが応えた。

「毎朝目を覚ますのがな、7時なんだよ」


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。最新刊、好評発売中!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, August 11, 2007

インディアン・スカウトの名人の技

メリカ・インディアンが斥候の技に優れていたことはよく知られている。現代でもネイティブの人たちのトラッキング(追跡)の技の優れていることは知らない人はまずいない。動物などの足跡の読み方などスカウトのさまざまな技を教える学校もある。中近東でビン・ラディンの足跡を探索しているのも、ネイティブ・アメリカン出身の軍属トラッカー(追跡者)だ。西部開拓の昔からアメリカ軍は、手なづけたインディアンをスカウトとして使ってきたんだな。これはそんな時代の話である。

未開の西部の外れに位置する陸軍の砦。軍略に長けた老将軍が守りを固めていた。将軍は信頼できるインディアンの斥候を呼び出すと、迫ってきている敵軍の情勢を調べるために送り出すことにした。

「よいか、われわれが対峙することになる敵軍がどんな編成なのかを、なんとしても確かめてこい。30年以上もかけてつちかったお前の技のありったけを使ってな」

「はっ」たよりにされたそのインディアンの斥候の男は、いきなりその場で地面に横になると、耳を大地に押し当てるようにした。

「敵軍はかなりの大きさであります。およそ300ほどの戦士たち、それを率いるチーフは4名、黒毛の雄馬に乗っているのが2名、そして白馬にまたがっているのが2名。全員が戦のためのペイントを施しています。銃はたくさんあるようですし、メディスンマンがひとり同行しています」

「おお、さすが、やるな!」

将軍は感嘆の声をあげた。

「地面に耳をあてただけでそれだけのことがわかるのか!?」

「いいえ」とインディァンの斥候が応えた。「こうすることで砦の門扉の下の隙間から外が見えるのであります」


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。最新刊、好評発売中!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Sunday, August 05, 2007

昔男ありけり

男がいました。男はある娘に結婚を申し込みます。「ぼくと結婚してくれませんか?」「いやよ」娘はこたえました。それ以後男は、ひとりで自由に釣りに行き、狩りに出かけ、やりたいだけゴルフを楽しみ、ビールを浴びるほど飲み、気ままに好きなところでおならをして、一生幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。最新刊、好評発売中!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Friday, August 03, 2007

インディアンの女性は怒らせてはいけない

のカイオワの男には目に入れても痛くない子どもたちが6人いた。子供を6人ももうけた「偉業」に男は多いに満足していたらしく、あるときから自分の女房のことを、彼女が嫌だというのにもかかわらず、彼は自慢げに公然と「6人の母さん」と呼ぶようになった。

ある晩、2人はパーティに出かけた。やがて夜も更けてきて、自分たちの退け時だと判断した男は、奥方をうながすべく、わざとらしく大声でこう呼びかけた。

「おいそろそろ、おいとましようや、ぼくの小さな6人の母さん!」

場をわきまえぬ思慮を欠いた夫の呼びかけに、彼女は半ば切れて、同じように大声でこう言い返していた。

「ええ、あなたさえよければいつでもよくってよ、4人のお父さん!!」


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。最新刊、好評発売中!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, July 28, 2007

フライブレッドが死ぬほど好き

frybread族会議の議長を務めた男が死の床についていた。息を引き取る寸前、彼が横たわる部屋に、揚げたてのフライブレッドのなんともいえないよい香りが漂ってきた。

あああああああああああああああああああーっ。

男は世界のなによりもフライブレッドが好物だった。

最後に残ったエネルギーのすべてを振り絞るようにして、彼はベッドからよろよろと起き上がった。そしてそのまま匂いに誘われるように、よろよろと階段を下りて、よろよろと台所に入っていった。台所では彼の最愛の妻のリリアンが、黙々と新しくパン生地をこねていた。かたわらには揚げたてで湯気が出ているフライブレッドが山と積まれている。いまわの男が死にそうになりながら手を伸ばしてそのフライブレッドのひとつをかろうじてつかもうとしたそのとき、妻が大きな木製のスプーンで男の手の甲をぴしゃりと叩いて言った。

「だめよ! お葬式のために作っているんだから!」


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。最新刊、好評発売中!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Thursday, July 26, 2007

あなたはそれをなんと言うのか?

の白人の牧師は、インディアンたちを改宗させ、白人と同じような生活の仕方に導くことにことのほか熱心だった。あるとき彼はとある部族で、見るからに頭の良さそうな戦士に出会い、ものになると白羽の矢を立てた。とりあえず牧師はコミュニケーションをとれるようになることを目的として青年に近づいた。

戦士の青年もまんざらではなさそうな雰囲気だったし、なによりも向学心に燃えていた。森を歩きながらさっそく言葉の授業が開始された。牧師は手当たり次第にいろいろなものを指さしてはその名前を英語にして聞かせていった。

大きな岩を指さして、「ロック」と彼がいうと
インディアンは続けて「うむ、ロック」と応じた。

彼が木を指さして、「トゥリー」というと
インディアンも「うむ、トゥリー」と応じた。

そうやって、いろいろなものを指さしてはその英語名を伝える授業が、ほぼ1日続いたころ、ふたりは目の前の灌木がわさわさと動いているのに気がついた。

インディアンの戦士が、手にしていた弓矢の矢の先で灌木の茂みをかき分けてみると、そこではひと組の男女がまさに性行為のまっただ中ではないか。

インディアンから「あれはなんというのか?」とたずねられて、当然ながら牧師はとりみだした。とりみだしただけでなく、その名前を口にするのもいやだった。でも質問されたからには答えなくてはならない。どうせインディアンはその名前を聞いたことなどないだろうからと、一番最初に思いついたものの名前を牧師は口にした。

「あれは、さよう、自転車漕ぎという」

インディアンはするともっていた弓に矢をつがえてことの最中にあったふたりを射殺してしまったのだ。

恐怖におののいて牧師が「なぜ殺したんだ!」と大声をあげた。

するとインディアンの男がしばらく考えてから答えた。





「あいつ、わたしの自転車を、漕いでた」


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。最新刊、好評発売中!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, July 21, 2007

そうかそうか原子力は糞なのか

サンジェルスからミネアポリスに向かう旅客機の機内。たまたまネイティブアメリカンの見目麗しき女性と隣り合わせの席に座った白人男が、シートに腰をおろすやいなやさっそく彼女の方に身を乗り出して「お嬢さん」と声をかけた。

「よく隣の席の人と話が弾めば千里も一里というじゃありませんか。どうです、ぼくと少し議論なんかしませんか」

ちょうどインディアン・タイムズ・マガジンを開いて読み始めたところだったくだんのネイティブの女性は、ゆっくりとその雑誌を閉じあわせて、顔を上げると、声をかけてきた男に「いったいなにを話すのでしょうか?」とたずねた。

「え? ああ、そうだな」と男。「どうだろ、原子力について話すっていうのは?」

「オーケイよ」女性も応じた。「それはなかなか興味深いテーマだわ。でもその前にひとつわたしからおたずねしたいことがあるの? いい? 馬も、牛も、鹿も、みんな同じものを食べてる、つまり草を食べているのにもかかわらず、どうして鹿の排せつ物はつぶつぶで、牛のはべたべたのパティみたいで、馬のは乾いたマフィンみたいになっているのか、あなたご存じ?」

白人男はハトが豆鉄砲でも食らったような顔で彼女を見返した。しばらくしてわれを取り戻したのか

「いやー、なんと答えればいいのかなぁ」

と答えた。するとネイティブの女性がぴしゃりと。

「よくって。ろくに糞のこともわからないくせに、それでよく原子力の話ができるだなんて、思えるわねえ、あなたも」


Native jokes『インディアンは笑う』北山耕平編・構成。世界で初めてのネイティブ・アメリカン・ジョーク・コレクション。笑うことで世界をひっくり返す知恵の書。当ブログから生まれた本。マーブルトロン発行 中央公論新社発売 ブックデザイン グルーヴィジョンズ。最新刊、好評発売中!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, June 30, 2007

北山耕平、東京エフエムのスタジオに行く

microphoneインディアンは笑う』という本の発売日の28日に、緑なす皇居を眼下に見下ろす東京エフエムの ENTERMAX という番組のスタジオで、パーソナリティーの坂上みきさんと話をさせていただいた。午後4時過ぎから時間にして30分程度。そのなかで、お気に入りのジョークを聞かせてと言われて、本に収録していないものを話した。それが以下のジョーク。(ジョークだぜ!)

イラク戦争の時、世論の動向を調査するために、イラクからアメリカ軍が撤兵すべきかどうかの聞き取りが行われた。調査は数あるネイティブアメリカンの居留地の中でも行われた。結果は、全インディアンの15%がアメリカの軍隊は即座にイラクから撤兵すべきだと回答した。そして、残りの85%は、次のようにこたえた。アメリカ軍はただちにアメリカ大陸から撤退すべきだと。

前もってこの話をするという打合せはなにもなかった。スタジオに行って手渡された台本に、お好きなジョークをと書かれていたので、とっさに最近自分が笑った話をした。話を終えた瞬間、世界が静まりかえったような気がぼくにはした。番組にそぐわなかったかもしれないと思ったが後の祭り。番組自体は実になめらかに続いてぼくの短い出演は終わった。あとで振り返ると、東京エフエムで話をしたのは今回が3回目。一番最初は宝島の編集長をしていた二十代のころに、竹村健一先生の番組で、おそれも知らぬままビートルズの「Let It Be」について話した。次はアメリカから帰国して「自然のレッスン」の本を出してしばらくして大貫妙子さんの番組。そして今回。政治的に正しい用語に気を使うパーソナリティーの坂上さんが、必死に「ネイティブ・アメリカン」「ネイティブ・アメリカン」と表現しているなか、ぼくは「インディアン」という言葉を連発した。きっと困っていたかもしれない。\(^O^)/

| | Comments (0) | TrackBack (0)

コロンブスを笑え

Columbus Discover Amerrriika
コロンブス様御一行アメリカを「発見」するの図

インディアンの人たちが大変好んでするジョークのなかに、コロンブスをねたにしたものがたくさんある。たとえば、コロンブスの航海は4艘の船団で出発したが途中で一艘が行方不明になっていることからもわかるように、コロンブスは自分たちがどこに向かっているのかも知らなかったし、自分たちがどこを通過しているかも知らなかった。それも自分たちの金でそれをしたのではなく、なにからなにまで他人の金を使ってそれをした。それ以後の白人はコロンブスにならってコロンブスと同じことをそのまんま繰り返し続けている。何処へ行くかも、どこから来たのかも知らず、他人の金を使い続けるだけ。

コロンブス一行が上陸するのを木陰で見ていたインディアンたちのひとりがこうつぶやく。「このままおれたちが姿を見せなければ、あいつらすぐ帰ってしまうんじゃないか」

コロンブス・ジョークの変形なんだろうけれど、こんな笑い話もある。アメリカ南西部の沙漠のまん中にあるとき円盤が着陸した。なかから異星人が降りてくる光景を目撃してインディアンがうんざりしたようにつぶやく。「おいおい、よしてくれ、またかよ」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Friday, June 29, 2007

イラクの沙漠のインディアンたち

ここはイラクの最前線の沙漠。インディアンの3人の突撃隊員を前にして上官がきりだした。「お前らインディアンたちは命を落とさないための伝統的な装備を、国からもってきているようだな?」

「イエス、サー、わたくしはサボテンを一個まるごともってきております」と自慢げにこたえたのは、アメリカ南西部の沙漠で生き延びるピマ族出身の兵士だった。彼は続けた。「絶えられないぐらい暑くなったときには、この先端を切り落として中の水を飲むのであります」

それを聞いて上官は感心したような顔つきになった。すると、出し抜かれてたまるかという風情でニューメキシコのプエブロ出身の兵士が言った。「サー、わたくしは神聖なトウモロコシの花粉をもってきております。絶えられないぐらい暑くなったときには、これで祈るのであります。すると雨が降ります」

上官はプエブロ出身の兵士の言葉にいっそう感心した様子だった。すると自分だって出し抜かれてたまるかという面持ちで、平原インディアンのパウニー族出身の兵士が言った。「サー、わたくしは、1959年型シヴォレー・インパラから取り外した車のドアをもってきました」

「それでなにをするというのか?」と上官がたずねた。

するとパウニーの兵士が胸をはってこたえた。「ハッ、絶えられないぐらい暑くなったときには、わたしはこうやって車の窓をおろすのであります」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Sunday, June 24, 2007

プレーリー・ウインド・カシノのレストランで

Prairie Wind Casino & Hotelサウスダコタ州の南部にパイン・リッジ・インディアン・リザベーションがありオグララ・スーの人たちが暮らしている。リザベーションの近くに、オグララの人たちが所有し運営する24時間営業のプレーリー・ウインド・カシノ(大草原の風という名前のカシノ)がある。働いているのもオグララ・ラコタの人たちで、このカシノには78部屋のホテル、水泳用プール、劇場、レストランなどが備わっているのだが、これはそのレストランでの話。

お客さんのところにウェイターが注文された料理のステーキを運んできた。そのウエイターの料理の運び方を一目見てお客がいきなり激高して大声をあげた。

「なんだよ、きったねえなあ! 親指でステーキをおさえたりしてよ!」

ウェイターがこたえた。

「そうはおっしゃいますが、もう一度床に落とせって言うんですかぁ!?」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Saturday, June 23, 2007

あなたの耳にはなにが聞こえている?

What do you hear?ューヨークのダウンタウン、マンハッタンはタイムズ・スクエアの近くを、一人のインディアンが友だちと歩いていた。ちょうど昼飯時で、通りにはたくさんの人たちがあふれかえっている。車があちこちでやかましくクラクションを鳴らし、角という角ではタクシーがタイヤをきしませていた。けたたましくサイレンの鳴る音が聞こえる。さまざまな都市の音がひとつにまとまって、うわーんというような耳をふさぐような音——

いきなりくだんのインディアンが足をとめて言った。

「コオロギの鳴き声だ」

「おいおい、しっかりしてくれよ」と連れの友だちが声を荒げた。「頭おかしいのかよ? こんなに音があふれてるところでコオロギの鳴き声が聞こえるわけがないじゃないか」

「いいや、まちがいない。あれは、確かにコオロギの声だ」

「そんなもの聞こえないよ」と友。

インディアンの男はしばら