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Monday, November 30, 2009

ホピの国にこの50年ではじめて建てられたホテルの外観と内装をご覧ください

Moenkopi Legacy Inn & Suites

ホピ・カルチャー・センター以外に公式な宿泊施設がなかったホピの国。そのカルチヤーセンターも先日ホピの国を訪れた友人によれば老朽化はかなりのものであったらしい。この50年間ではじめて建築されたホピの国の最新宿泊施設が12月中にオープンする予定で最後の仕上げ段階にさしかかっている。ホビの国の西のはずれ、モニュメントバレーからも遠くなく、チューバシティの近くのモエンコピというところに建設されているMoenkopi Legacy Inn & Suitesがそのホテルだ。フラッグスタッフ経由でホピに向かう人たちのほとんどが通る道にある。モエンコピ村の長老たちの、この村はホビの国の入口として人びとを迎え入れる施設を作るのにふさわしい場所だというビジョンに基づいて建設されているという。モエンコビ・レガシー・イン・アンド・スイートはホピの国を訪れる人たちのための教育施設も目指すらしい。アメリカで最も伝統的な人たちのモダンなホピ的デザインの内装や外観をもっと見たい人はHotel Imagesを見てください。

Experience Hopi

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Thursday, November 26, 2009

北山耕平の12月のトーク案内

1212spu.jpg

図をクリックで拡大します
立教大学地域系研究所共催連続公開講演会「ネイティブ・マインド」

立教大学アメリカ研究所設立70周年記念レクチャーシリーズ<Native American Dialogue>

グローバル化が進む現代では多面的な視点を持つことが不可欠です。1つのテーマに異なる地域から様々な光を当てるため、立教大学に属する4地域研究所による地域横断的な連続講演会を企画しました。初年度の今年は「ネイティブ・マインド」を統一テーマに世界の土地固有の文化に深く結びついた人々の在り方を紹介します。アメリカ研究所が担当する第3回講演会は、約30年にわたり環太平洋の先住民族とその精神世界を探求し続けている北山耕平氏を招聘し、アメリカ先住民と国家の関わりについて講演していただきます。

開催日時、場所などの詳細は以下のとおりです。予約不要・入場無料ですので、奮ってご参加ください。


ネイティブの国々を覆い隠す絨毯としての国家


日時:2009年12月12日(土)15:00-16:30
場所:立教大学池袋キャンパス5号館5221教室

講演:北山耕平氏

司会:阿部珠理(立教大学教授、立教大学アメリカ研究所所長)

共催:
   立教大学アジア地域研究所
   立教大学ラテンアメリカ研究所
   立教大学日本学研究所

対象:学生、教職員、一般
予約:不要
入場:無料

詳細:立教大学アメリカ研究所


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Wednesday, November 25, 2009

見えないインディアン


全米各地のネイティブ国々の旗をずっと映していく動画。タイトルは「見えないインディアン」だが、内容は「われわれが見えないのはあなたが見ようとしていないからだ」「われわれが見えない理由はただひとつ、あなたがたが見ることを拒絶しているから」「われわれは見えないインディアンではない」と歌っている。アメリカという絨毯の下に隠されている幾つもの国の旗、あなたはいくつ知っているだろうか? ところで、日の丸の絨毯の下にはいくつの見えないインディアンの国があったのだろうか?

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Saturday, November 21, 2009

歴史の流れを変えた40年前の小さくて大きな出来事について


「40年前の今日金曜日、ほとんどが大学生だった十数人のネイティブ・アメリカンが、サンフランシスコ湾に浮かぶ、当時はほとんど使われていなかった小さな島にボートで渡り、武器を持たずにその島を占拠することになりました。この占拠は19ヶ月間続くこととなり、世界中のメディアの注目を集めたのです」とCNNは昨日の午後のニュースで「1969 Alcatraz takeover 'changed the whole course of history'」として伝えた。

ニュースのなかで、40年前に占拠に参加していたアダム・フォーチュネイト・イーグルはCNNの記者にこう語っている。

「われわれは歴史の流れそのものを変えた。この島の歴史の流れを変えたし、政府の歴史の流れを変えたし、政府とインディアンの関係の歴史も変えた」

ここに紹介するビデオは、ネイティブ・アメリカンの人たちが当時撮影したモノクロの写真だけで構成されている。よけいな言葉はいっさいないが、かえってそれがこれらの写真に雄弁に語らせているかのようにも思える。ここに登場するインディアンの若者たちはみなすでに60を過ぎているし、なかにはすでにスピリットの世界に旅立たれた方もおられる。このアルカトラツという大きな岩の塊の占拠がアメリカに与えた衝撃は、その後80年代まで続いていた。

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始まりもなければ終わりもない世界へ Twitter

My Twitter Home

Twitter をはじめてから、短いニュースや緊急性の高い情報や、個人的なものでブログに掲載するまでもないと個人的に判断したものは、ほとんど Twitter で流すようにしています。できれば「http://twitter.com/smilingcloud」のほうにもいらしてください。Twitter をぼくが気に入った理由は、それが「始まりもなければ終わりもない」世界だからです。どこから入ってもいいし、どこででてもいい。Twitter に自分の場所をつくっておけば、いつでもどこでも始まりもなければ終わりもない世界とつながれるわけです。

まだはじまったばかりでどこまで成長するのかわからないところもありますが、ネイティブの人たち、そしてネイティブの若い人たちとの日常関心のある事ともつながることができます。自分とそりが合わない人の声を無理して聞く必要もないので、2チャンネル的な用心深さも余り必要なさそうです。もちろん、そこには普通の世界と同じように、どうでもいいものからどうでもよくないものまでたくさんの世界が複雑に錯綜しています。基本的にこれまで RSS で読んでいた世界のニュースは今では Twitter で読む方が多くなっています。

でも基本は、たくさんの人の声と出合う方です。二ヶ月ほどこの世界を歩いて、いまでは150人ほどのヒトたちの声というか書き込みとつきあうようになっています。有名無名を問いません。自分と同じ興味を持っている人たちや、同じ方角に向かって歩いているヒトたちの声とときどき出会えるのはなかなかの楽しみです。まだこの世界を良く知らないという人は、少しだけ我慢してしばらくこの世界を探索してください。Twitter のはじめ方の案内は「Twitterkのはじめ方」のなかにあるものをいくつか読まれればじゅうぶんでしょう。便利なアプリケーションがたくさんありそうなので、ひとつ使いやすいものを見つけてしばらく使い込んでみて、Twitter のなかの始まりもなければ終わりもない世界をのぞいてみましょう。

もちろん Native Heart はこれからも続けます。書くにふさわしいものがあればここに掲載しますし、これまでに書いてこのウェブログのなかに蓄積されているたくさんの情報を有効的につかえるような方法も考えています。ウェブログとTwitter を上手に使って始まりもなければ終わりもない世界での歩き方を一緒に探索しましょう。

以下はこの一週間ほどに書き込んだものの一部です。英語の部分は、ぼくの tweet(発信する情報)を読みに来てくれているアメリカのアーバン・インディアンの人たちのためのものです。


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気候変動が世界の先住民の共同体に与える影響はわれわれの想像を超えてる。なぜなら彼らの生活のすべてが、経済も、植物も、聖地も、大地と生命はひとつと見えているがゆえに、気候変動からダイレクトに影響を受ける。来月のコペンハーゲンに彼らの声がいかされるといいのだが。

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ボリビアで「先住民」としてモラレスが大統領に選ばれて4年がたとうとしている。彼の国の大統領は最長でも8年と憲法できめられている。おそらく12月に再選され、残りの4年間に彼がなにをなしえるのかに興味がある。いちどボリビアに行きたい

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"雲の形とそれを見る人間の意識とが連動しているらしいと気がついたのは、十代の終わりのころだったろうか。雲の形を変えたり消したりするのは・・・"

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家が東に向いていてうれしいのは、今日みたいな日に、のぼってくる太陽に挨拶ができることだね。

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@smilingcloud セドナで The International Council of 13 Indigenous Grandmothers が12月3日から4日間開催。13人の偉大な母親は「祖先の教えが不確かな未来に続く道を照らす明かりになる」と信ずる先住民の女性たち。

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"International Council of 13 Indigenous Grandmothers"

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"長野県の井戸尻遺跡から出土した縄文時代中期の土器には、ブドウの種が付着していた" これだけの情報から縄文時代の人たちが酒を飲んだかのように書ける記者の頭のなかはなんだろう

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ぼくがTwitterを気に入った理由は、ただのつぶやきではなかったから。つぶやきといわれていたらはじめなかっただろうな。文字を書く人間にとっては、始まりも終わりもないところに書き込めることがうれしいのだな。こんなメディアはどこにもなかったもの。

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"オレゴン州では、約2万1000人が医療目的での大麻使用を登録しており、医師はアルツハイマー型認知症や糖尿病などの患者向け大麻を処方することがある"

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@smilingcloud 23日ぐらいまでかなり見えるみたいなので、防寒をしっかりして、ホットココアなど用意して、丑三つ時に空を見あげていましょう。

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11月17日深夜から18日の明け方にかけてがしし座流星群のピークですが、天気を誰か晴らせてください。

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Monday, November 16, 2009

見ていると懐かしさもこみあげてくるファーストネーションズの人たちのドキュメンタリー

パシフィック・ノースウエストコーストのバンクーバーの沿岸にクワキウートル一族が住んでいる。現在では彼らは15の居留地に分けられている。ここに紹介するのは彼らが伝統的に行ってきたポトラッチという儀式を再生させる試みを記録したものだ。この儀式はカナダ政府によって禁止されて久しい。カヌーを扱う人たちで、1の方の後半に出てくる、鳥人間が乗ってカヌーで航海する光景を見るたびに、ぼくは日本列島に日本国が建国される以前の情景を想像する。きっとご覧になると、この人たちとわれわれの祖先はどこかでつながっていたと思うに違いない。




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Hawai'i Book of Days 11/16 - 11/22

Hawai'i Book of Days
© 1991, 2002 by Debra F. Sanders
( Japanese translation by Kohei Kitayama)


ノウェマパ/ノーベンバー
霜月(しもつき)/ウェレフー

十一月は四月まで続くホオ・イロの季節の最
初の月になります。ひとびとはこの月になる
とスポーツをしたり、サトウキビの花柄で作
ったちいさなダーツのような矢を投げて祝い
ます。(訳者補遺 「ウェレフー」はハワイ
語の「弓を射る人」を意味し、占星術の「射
手座」のこととされます。いにしえのハワイ
の人たちの戦では弓もやも使われたことはな
く、それらはあくまでもスポーツとして使わ
れました。五月の「カウ」のところで説明し
たようにネイティブ・ハワイアンは一年をふ
たつのシーズンに分けて認識していました。
太陽が南に移り、気候が涼しくなって、貿易
風が別の風に時々妨げられるようになって海
が荒れはじめ、漁猟が思うようにいかなくな
る十一月は、六ヶ月続く「ホオ・イロ」のシ
ーズンのはじまりとされます。)     



16日

自分を知るための道は人それぞれ。

17日

海の歌を聞くことができ
風の抱擁(ほうよう)を感ることができるなら
わたしのこころもようやく安らぐ。

18日

万物ことごとく最後は海に還る。

19日

星明かりがくれた願い
それはこころからの願い。

20日

シロアジサシという鳥たち。
さながら夜の空の青白き幽霊(ゴースト)たち。

21日

プエオ、聖なる梟(ふくろう)
その耳に焼きつきし呼び声が
風のスピリットを招請せしむ。

22日

沈みゆく日輪(にちりん)の陽を浴びて
薔薇色(ばらいろ)に染(そ)まりし満月を
高貴な紫色の雲が取り囲む。


日々是布哇著者デブラ・サンダースさんの許可を得て、『日々是布哇(ひびこれハワイ)』(太田出版刊)から一週間分ずつ本文のみを掲載しています。原則として毎週月曜日に入れ替わり、過去記事としては残らず、コメントやトラックバックもつけられません。単行本について知りたいとき、コメントなどをつけたいときは「ハワイィはどこにあるのだろう?」の記事まで。まとめてお読みになりたいとき、全部をそばに置いておきたいときには、『日々是布哇』(太田出版刊)をご購入ください。どこにでも持ち運べる単行本では長崎訓子(Kuniko Nagasaki)さんの素敵な日替わりイラストが日々楽しめます。ブログ版「日々是布哇」次回は11月23日(月曜日)に(忘れなければ)更新します。なお大切なお知らせが次の記事にあります。arrowHawai'i Book of Days を毎週楽しみにしてくれている君へ」 追記 現在『日々是布哇』(太田出版刊)は売り切れ状態ですが、ある程度まとまれば復刊が可能になりました。ご希望の方は復刊ドットコムに「日々是布哇」のリクエストの場ができましたので、どうか一票入れてください。

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Sunday, November 08, 2009

ありがとうとこれからもよろしく。そして学びを続けられんことを!

Update | 7:18 p.m.

maze hopi

12月に刊行する予定の『地球のレッスン』の編集作業のため、多くの人たちに直接メールを書く時間がなかなかとれません。あらためてみなさんが忘れた頃にメールが届くと思いますけれど、今回はとりあえずお礼の気持ちを伝えるために謹んで。

東京の高円寺のマーブルトロン・サロンにおける4回連続して行った北山塾講座、加古川、神戸、東京早稲田大学、越後川口でおこなったトークやお話会、そして昨日の午後の金沢文庫アサバアートスクエアにおいてのジャンピングマウスとの共同イベントに集まっていただいたたくさんのすべてのみなさんに感謝します。あらかじめきめられていた今年のトークについては、12月の立教大学におけるイベントをのぞいて、ほぼやり遂げました。まだ散発的にはあるかもしれませんが、その場合はこのブログでお知らせします。

この間ぼくは不思議な手応えを感じていました。それはこれまでになかったことです。この30年間、ぼくがアメリカ・インディアンのことを日本の次の世代に伝えることを自分のワークにして以来、「インディアン」がブームのようになって通り過ぎていったことは何度かありました。たとえば『インディアンの教え』とか『リトルトゥリー』とか『イーグルに訊け』といった本が、自己啓発本やスピリチュアルな本としてたくさん売れたときや、さまざまなサイコセラピーのようなかたちでスウェットロッジやヴィジョンクエストがブームになったときなど、それに引っ張られるかのように書店などがさまざまな盛りあげを見せたことがなんどかあります。

しかしぼくはそうした動きとは別のところにいました。ほんとうに重要なことはそういうことなのだろうかと、ぼくはひたすら考え続けました。たとえば、インディアンジュエリーや、パワーストーンやネイティブの影響を受けたレザークラフトなどを身にまとうことも、ある意味では同じようなことなのかもしれません。しかしそうしたものは、その向こう側にあるさらに大切なものに向かうための用意をさせられているだけで、向こう側にたどりついたときには意味はそうありません。もちろんそこに意味を見つけることを否定するつもりはぼくにはありません。ぼくも、インディアンジュエリーのなかには気になるものがありますし、昔兄弟のような人がつくってくれたメディスンをいれるためのポーチは今も大切にしています。しかしそうしたものを手放さなくてはならないときがくることも知っています。

この間ぼくが話をしてきたのは、日本列島で「日本人」をやっている自分はなになのか? 自分のなかにあるネイティブとつながる部分と日本人の関係、きれいに消されているもうひとつの歴史、われわれと南北アメリカのネイティブ・ピープルの共通点、「日本人の生き方」と「地球に生きる普通の人間としての生き方」そして「世界を巻きあげること」についてでした。すべてはぼくたちが日本人というものを冷静にみる視点をどうやって確立できるかを、次の世代と共有することを目的にしたものです。

日本という狭い概念を越えて地球に生きるひとりの普通の人間として世界で生き延びているさまざまな先住の人たちとつながることのなかから、もう一度自然とのつきあい方をぼくたちは学ばなくてはなりません。日本列島の嘆く声を自分の耳で聞ける新しい人たちの登場の準備をこれまでしてきたぼくの願いと祈りが、インディアンブームというかたちではなく、ゆっくりとではあるけれど学びのムーブメントが着実に広まっていることをあらためて確認できたことを、ぼくは感謝しています。またみんなと会えるとうれしいです。

MAY YOUR SPIRIT BE STRONG

北山耕平 AKA Smiling Cloud or 笑雲

追伸 ぼくが話したことを再確認するために、どうかぼくがこれまでに書いてきた本を発売が打ち切られる前に買ってください。右サイドバーの下のほうにリストがあります。クリックすればアマゾンなどの販売コーナーに飛びます。またショップ・ネイティブ・ハートというところには、ぼくが学びを続ける過程で参考になった書籍や写真集や絵本や映画や音楽で入手可能なもののある部分を紹介していますので、参考にしてください。それらはみんな道標みたいなものです。発売が打ち切られた本に関しては、発行出版社の新しい可能性を追求しますが、なかなか体力が必要であり、意識の高い出版社を見つけるのはなかなかに大変で、だからこそ手に入る正しい時と場所で手に入れて学ぶのがいいと思います。

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Tuesday, November 03, 2009

ローラ・インガルス・ワイルダーが「大草原の小さな家」の初版のある部分を十数年後に書き直していた背景になにがあったか、あるいは野蛮人は人間ではないという無意識に焼き込まれた保守思想

プエブロ・インディアン出身の教育者であるデビー・リース(Debbie Reese )さんは子どものために書かれた文学作品のなかに描かれているアメリカ・インディアンの研究をする先生でこのブログでも過去にも取りあげたことがあるが、そのリース先生が11月1日付のブログの記事「Edit(s) to 1935 edition of LITTLE HOUSE ON THE PRAIRIE?」(1935年版の「大草原の小さな家」に書き換え?)で興味深い指摘をしている。


LITTLE HOUSE ON THE PRAIRIE 1935 LITTLE HOUSE ON THE PRAIRIE 1950


それは1935年にアメリカで初版が刊行された『大草原の小さな家』(写真上左)という本についてだが、後に刊行された1950年版(写真上右)では挿絵が変更されただけでなくて、本文にも書き直されている部分があるというのだ。初版が出たあと、誰かが著者であるローラ・インガルス・ワイルダーに文章の変更を要求して受け入れられたらしい。

初版ではその個所は次のように記述されていた。

そこでは野生の動物たちが、見渡すかぎりどこまでも続いている牧草地にでもいるかのように、自由に歩き回って餌を食んでいました。どちらを見ても人間はいません。その土地に暮らしていたのはインディアンだけだったのです。

これが2版以降はこうなっている。

そこでは野生の動物たちが、見渡すかぎりどこまでも続いている牧草地にでもいるかのように、自由に歩き回って餌を食んでいました。どちらを見ても入植者はいません。その土地に暮らしていたのはインディアンだけだったのです。

英語では初版は「people」となっているところが、再版からは「settlers」に変更されている。settlers には「移住者、開拓者、入植者」という意味がある。この変更は、ある意味で重要だが、無意識のうちに焼きつけられている人種偏見をぬぐい去るに至ったかどうかは疑問が残る。なぜならその土地にはすでにネイティブの人たちが長く暮らしてきていたからだ。その個所でローラ・インガルス・ワイルダーが、インディアンとそれ以外の人を区別して書き表したかったのなら、ほんとうは「白人」「white people」とするべきだったかもしれない。

デビー先生は過去にも「大草原の小さな家」にはアメリカの保守とされる人たちの考え方が色濃く反映されていて、「アメリカ・インディアンを野蛮人として描く傾向があり、自分たち以外を野蛮人として、人間的に劣る存在として表現する」と指摘した。結局アメリカ人だけでなく、日本人も含めて、成長過程で保守思想を吹き込まれた人たちは、「どこかに劣った者たちがいなくてはならない」と考える差別にとりつかれているようだ。

福音館版の日本語の翻訳ではどのようになっているのだろうか?

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今週末のトークライブは「今、われわれは先住民文化から何を学べるのか?」について

今週末は神奈川県の金沢文庫というところで金沢文庫芸術祭があってそこに参加する。ストーリーテリング『ジャンピング・マウス』も同時に開催される。ジャンピング・マウスは、メディスンホイールの上を巡る旅についての聞くたびに新しい気づきをもたらしてくれるお話しだ。自分が前にこの話を聞いてから今日までどのくらい成長したのかを確認するために、そして自分が今立っている場所を確認するために、風をひらき、心を開いてぜひ聞きに来て欲しい。お話しを耳で聞く体験がどういうものかをぜひたくさんの人に知ってもらいたい。子どもから大人まで楽しめます。ぼくも『ジャンピング・マウス』のクルーと一緒に出れるのは久しぶりだ。夢のような時間を共有したいと思う。

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地球の声に耳を澄まして
Talk & Storytelling on Native People 2009

日時:2009年11月7日(土)2:00~7:00pm

会場:アサバアートスクエア
   金沢文庫芸術祭 街角アートラリー情報参照
   
● 北山耕平 トーク ライブ/2:00~4:00pm

  今、われわれは先住民文化から何を学べるのか?

  参加料:予約/一般¥1500・中高大学生¥1000
  当日/¥2000・1500) 定員50名
  +交流パーティー¥500 自由参加 トーク終了後~

● ジャンピングマウス+ひかりえ 公演/5:30~7:00pm

   ストーリーテリング/古屋和子 
   インディアンフルート・太鼓/のなかかつみ
   メディスンアート・ひかりえ/アキ+アスカ
   翻案+総合プロデュース/北山耕平

   北米、シャイアン族に古から伝わるお話、ジャンピングマウス。
   一匹の鼠の魂の旅を通して語られる、
   先住民族の深い智恵が織り込まれたメディスンストーリーです。
   物語から創出された光の絵、「ひかりえ」も公開、
   大きなメディスンホイールが浮かび上がります。

   参加料:ドネイション(寸志)/予約不要


会場への交通アクセス:京浜急行金沢文庫下車 徒歩15分
           称名寺参道より一本右手の小道沿い。

共催/予約先:アース○サークル
earth_circle_access@yahoo.co.jp

アサバアートスクエア
F/045-788-9119
T/045-783-9705

北山耕平/作家・翻訳家・プロデューサー
公式ブログTwitter

古屋和子/ストーリーテラー
http://www004.upp.so-net.ne.jp/kazshow/index.html

のなか かつみ/ミュージシャン
http://www.h3.dion.ne.jp/~nijinowa

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Monday, November 02, 2009

冬が来るとハワイのことを思う君へ贈る



毎朝、ハワイの日の出をハワイの音楽で
コナコーヒーでも飲みながら

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