先住民にとっての神話と遺産という講演会は聞きに行く価値がありそうだ
講演会「先住民にとっての神話と遺産」(仮題)
9月18日(金)18:30〜20:00(開場 17:30)
報告者
ボブ サム[米国アラスカ;クリンギット語り部]
トリンギットの語り部であるボブ・サム氏をお迎えし、ワタリガラス神話など彼らに受け継がれてきた神話をお聞かせいただくとともに、先住民にとっての神話と文化遺産のかかわりについて考えます。
会場 北海道大学遠友学舎(北区北18条西6丁目)
主催 北海道大学アイヌ・先住民研究センター
※ 通訳付き
※ 入場無料、参加自由
「Sharing Circle (Infos)」カテゴリの記事
- トンボから日本人とアメリカインディアンのことを考える(2010.09.03)
- ジャンピング・マウスの物語の全文を新しい年のはじめに公開することについての弁(2010.01.01)
- ヴィレッジヴァンガード 下北沢店にあるそうです(2009.12.30)
- メリー・クリスマスの部族ごとの言い方
(How to Say Merry Christmas!)(2009.12.24) - 縄文トランスのなかでネオネイティブは目を醒ますか 27日 ラビラビ+北山耕平(2009.12.16)
The comments to this entry are closed.
Comments
こんばんは、いつも拝見しています。
札幌に居ながら、このような講演会があることを知りませんでした。
この機会に感謝して、参加してみようと思います。とてもたのしみ!
ありがとうございます。
Posted by: akiko | Friday, September 04, 2009 07:45 PM
akikoさま
ここに書き込んだのも何かの縁、ぜひ講演をよく聞いてここに印象や記憶に残るところを書き込んでくださるとうれしいです。その日にサッポロに入れるといいのですが。
北山耕平
Posted by: Kitayama "Smiling Cloud" Kohei | Friday, September 04, 2009 10:53 PM
北山さんへ
こんばんは。遅くなりましたが、参加してきました。
北大のアイヌ・先住民族研究センターの主催ということで
ボブ・サムさんの前にユーカラ、トンコリの演奏とがあり、
最も身近な先住民族であるアイヌの若者たちが、
盛装で誇りを持って文化を継承し広めようとしているのを
目の当たりにして、ルーツということを深く考えました。
そしてボブ・サムさんは、部族の長老から受け継いだ
ワタリガラスの美しく縫い取られた衣装で盛装して登場。
深く響く声、そして英語で(どこか複雑な気持ちがしますね)
ゆっくり、歌うように、ひとりひとりに届くように、
語って下さいました。
最初、自分と自分の民族のことについて語り、
つぎに伝承のひとつとして蚊について言い伝えられた物語を、
体を使ってゆっくり語られました。
そのあとボブ氏への質疑応答が短い間もうけられ、
最後に、アイヌ民族のおばあさんが涙ながらにボブさんに問いました。
「私はアイヌですが、アイヌの若い人たちに、どうやったら、
働く気を起こさせ、働く喜びを伝えられるんでしょう。
私は、無力感に苛まれています」
すると、ボブさんはやさしく話しはじめました。
「わたしは、お年寄りが大好きです。われわれがエルダーと呼ぶ
そのひとたちは、大切な知恵を持っています。彼らは、わたしたちが
教えを乞いにやってくるのを待っているのです。
わたしたちは、もっとお年寄りから多くのことを学ぶべきです。
大きな尊敬の念を持って」
そういうと、ボブさんは泣き崩れているおばあさんに人垣の間から
手をのばして触れ、招き寄せて、やさしくその胸に抱きしめました。
(そのおばあさんが、親の胸で泣くちいさな子どものように見えました)
「わたしたちは、人間です。劣った人も、優れた人もいません。
ただ、人間であるのです。わたしたちは許し合うことができます。
今夜、私はここに、みなさんと会えてうれしい。
そして、アイヌの兄弟たちとともに立てることがとても嬉しい。
私は、先住民のなかでも最も尊敬する人がいます。
それが、アイヌのエカシ(古老)である方なのです」
その方のお名前を失念してしまいましたが、そのおばあさんは、
エカシの奥様だということでした。
この抱擁で、わたしはそれまでの語りでぐわりとつかまれていたものを
ゆるめられたような気がして、しかもどこまでもあたたかな
空気が流れていたので、思わず涙が出てしまいました。
人が人を愛するということ、尊敬し合うことには、
なんの垣根もないのだということを教えてもらいました。
そして、会場についてから気づいたことでしたが、
ボブさんは、わたしが今年の夏に出会い、
自分のなかでとても重要な本となった星野道夫さんの
『長い旅の途上』に出てきた、あのワタリガラスのクランをもつ
ボブ・サムさんその人だったのです。
ボブさんは自分がこうして語り部となり、日本に来ることは
大切な友人、星野道夫との約束を果たすことになるとも
仰っていました。
わたしは最初、ノートとペンを持って語りに臨みましたが、
最後までそれらを使うことはありませんでした。
それほど、大切な体験だったと思います。
自分の中で、今度はアイヌ民族のかたがたへの旅が始まりそうです。
もちろん、インディアンのみなさんへむかう旅も続くでしょう。
そして、わたしは人間なのだ、ということを、覚えていようと思います。
「We are Human.」というボブさんの声とともに。
ずいぶん長いコメント、失礼しました。
感想と感動を、お伝えしたく、書き込ませていただきます。
この体験のきっかけを下さった北山さんに、
感謝をこめて。ありがとうございました。
Posted by: akiko | Saturday, September 26, 2009 08:41 PM
報告、ありがとうございます。実は私はこの講演の前の日に札幌入りしていて、次の日に知床へ行ったため、参加できなかったので、このサイトで報告が聞けてよかったです。ボブさんとは知床少し一緒にいられましたがストーリーテリングは予定が合わなくて聞けず...。また次回になることになりました。なので、こちらで報告を聞けて、良かったです。貴重な体験をシェアしていただいてありがとうございました。
Posted by: akiko from sendai | Sunday, September 27, 2009 12:25 PM