HIROSHIMA DAY
1945年8月6日は月曜日だった。上の写真のリトル・ボーイと名づけられたウラン爆弾が日本列島の広島市の上空から、B29爆撃機エノラゲイ号の乗組員たちによって落とされた。この爆弾ひとつで、その瞬間80000人の人が亡くなったとされる。その年が終わるまでに、全体で90000人から140000人が絶命した。広島市に建っていたビルの65バーセントが完全に崩壊した。下の写真は流川教会。奥の右手が広島駅。
日本はその後唯一の被爆国という言葉をたびたび使いはじめるが、核兵器の廃絶ではなく、核そのものの使用停止と廃絶を訴えることを避けてはいけない。ウラニウムを掘り出す作業にあたっていた人やその家族、ウラン鉱山周辺に暮らしてきた人たち、核実験場の周囲でなにも知らされることなく暮らしてきた人たち、核実験場とも知らされることなくその実験場を訪れた人たち、実際に実験に立ちあった兵士たち、人知れず原発の掃除を生活のためにまかされている人たちなど、地球規模でみれば、日本人だけが被爆国民なのではなく、この50年近くの間の核保有国のパワートリップの結果、ウラニウムによる被爆者数は先住民のいくつもの国々を巻き込んで、アメリカ、中国、ロシア(旧ソ連)、南太平洋、オーストラリア、アフリカなど、また世界中の原子力発電所などでも、実体がわからないくらいほんとうは多い。気がつかないようにされている人もたくさんいる。
この日から3日後には九州のナガサキに暮らす人たちの頭上でファットマンと名づけられたプルトニウム爆弾がB29爆撃機ボックスカー号の乗組員たちによって投下される。地球のどこであれ、いっさいの被爆者をこれいじょう作り出さないためにも、核兵器廃絶だけでなく、平和利用という「美名」に隠れず、エネルギー資源と人との関係をあらためて、すべての現存する核を廃絶し、すでに今あるものは医学的なわずかな利用のみに制限し、地球の内部からこれ以上ウラニウムを掘り出さないことを、母なる地球とその大地と水を放射能で汚染させないことを、地球に生きる人間として誓う日が来ますように。
原子力について忘れてはいけない呪文(改訂版)
- 原子力はクリーンエネルギーじゃない。
- 原子力は安いエネルギーじゃない。
- 原子力は地球温暖化への解答じゃない。
- 原子力は安全なものじゃない。
- ウラニウム採掘には危険がいっぱい。
- 核兵器の投げかけた脅威は終わってない。
- 核廃棄物の問題はずっと未解決のまま。
- 核施設の誘致はその土地を豊かにしない。
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Comments
北山さんが教えてくださったウランと先住民、原子力のことなど今日は職場の仲間と共有しました。
アトミックソルジャーのWikipediaに
「兵士たちは事前に筆記テストを通じて、放射線の影響は取るに足らないものであると学習させられていた。」
と書かれていましたが、私が原子力発電所管理区域内に入る際に受けた防護教育が似たようなものであったことを
思い出しました。
まずはオバマ大統領が現在進めている米露核軍縮が実体を伴って進み、
日本にもこれまでの原子力=平和利用と異なる新しい流れが公に生まれることを切に願います。
Posted by: rainbow cloud | Thursday, August 06, 2009 01:02 PM
母なる地球にこれ以上、危害を加えることのないよう、我々が心して臨まねばならぬ平和への課題、まさにおっしゃる通りですね。
広島原爆に軍医として関わった生前の父の独り言を8/06日にブログに掲載いたしました。 もしご興味があればご一読ください。
Posted by: ココのママ | Tuesday, August 11, 2009 08:09 AM