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Tuesday, July 14, 2009

少しずつでものぼり続けることを教えるティーチング・ストーリー

donkeyこれはあるインディァンの村の話だ。ある日、一頭の年老いたロバが涸れ井戸の深い穴に落ちるという事故が起きた。ロバの飼い主だったインディアンの爺さまが穴の縁から下をのぞきこんで、なんとかしようと考えている間、ロバは悲壮な声で何時間も鳴き続けた。

しかし結局爺さまにはロバを助けるためにはなにもできないということがわかっただけだった。穴は深く、助けたくてもどうしようもないという現実を、最終的に爺さまは受け入れるしかなかったのだ。ロバも年齢が年齢だった。仕方がない、ここがあの老いぼれロバの墓場になるのかと爺さまは考えた。大がかりなことをしてどうしても助け出さなくてはならないほど若くバリバリ働けるロバではなかった。爺さまは涙をのんでその穴を埋めることにした。穴をこのままにしておくと、村の子どもたちが落ちないともかぎらない。

爺さまは一族の者たちを呼び集めた。事情を説明し、穴を埋める作業を手伝ってもらうことにした。人々は手に手にシャベルをもち、次々と土を上からおとしはじめた。しばらくの間、穴の底のロバはいっそう悲壮な声で絶叫していた。なにが起こっているのかロバは気がついたのだ。年老いたロバの恐怖にあふれた鳴き声が穴のなかで響いていた。ところが、しばらくすると、その声が嘘のように静まりかえった。村の者たちも、それには驚いた。

穴が半分近く埋まった頃、ロバの飼い主だったインディアンの爺さまが意を決して涸れ井戸の穴の奥をのぞきこんでみた。いったいなにが起きたのか? そこで見たものに爺さまは腰を抜かすほど驚いたという。穴の下で、上から降ってくるひとかたまりの土塊が自分の背中にかかるたびに、ロバは実に驚くべき行動をとっていた。背中に土が降りかかると、ロバは体を震わせてその土を払いおとし、そして払い落とした土を足で踏み固めていたのだ。そうやってロバは一歩一歩階段をのぼるように上にあがってきていた。一族のものたち全員が驚いたのは、それからまもなくして、ロバが穴の縁に姿を見せ、縁に足をかけると穴から這いだして、勝手に外に出て、とことこと歩いていずこへかと姿を消してしまったことだった。

人生というのは、上から泥の塊が降り続けるようなものだという。その泥は、実にさまざまで、ありとあらゆる種類の泥が降りかかってくる。人生を生き抜く鍵は、体に泥がかかったらそれを振り落とし、振り払った土を足の下で踏み固めて、しっかりと上にあがっていくことなのだ。誰の人生にもたくさんの問題が待ちかまえている。その問題のひとつひとつが、踏み固めて行かなくてはならないものなのだな。あきらめて立ち止まってしまったら、われわれは穴から抜けだすことはできない。重要なのは、どんな状況に陥っても、そのロバのように最後まであきらめないことなのだ。体に降りかかった土を振り払い、払い落とした土を足で踏み固めること。


    幸福にいたる簡単な5つのルール:

         憎しみから心を自由にする

         不安から頭を自由にする

         質素な暮らしをする

         より多くを与える

         見返りを期待しない


追伸

「伝統に還ることは、前に進むことである」という話を昔聞かされたことがあります。

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Comments

土曜日の羽根木公園でのお話も大変感銘を受けましたが、
このロバのお話は心にしみました。
僕も新しい旅に出られそうです。
ありがとうございます。

Posted by: yoneda | Tuesday, July 14, 2009 at 07:26 PM

Total eclipseの記事にあふれる悲喜こもごものエネルギーに少し怖じ気づきました。 そうしてこの記事に心が救われました。 悲壮な展開を予想しておりましたが、なんと力強いエピローグ。 

人生、なぜにこんなに色々な事が・・・と思う事の多い私ですが、この記事に書かれてある物語と北山先生のメッセージに触れて、力をいただきました。

ありがとうございました。

Posted by: ココのママ | Sunday, July 19, 2009 at 06:10 AM

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