『アレクサンダー・テクニーク入門』(ビイングネットプレス刊)が増刷されました
アレクサンダー・テクニーク入門
—能力を出しきるからだの使い方(実践講座)
サラ・バーカー(著)
北山耕平(翻訳)
片桐ユズル(監修)
単行本:193ページ
出版社:ビイング・ネット・プレス
ISBN−10:4904117166
ISBN−13:978−4904117163
価格:¥ 1,680
『アレクサンダー・テクニーク入門』(ビイングネットプレス刊)というぼくが翻訳した本がこのたび増刷した。地味に売れ続けている本である。70年代の後半をアメリカで過ごしていたとき、体と心と頭に襲いかかるさまざまな問題に対処して生き残るために、無数にあふれていた健康法や癒しの技術のなかで、おそらくぼくが最終的に到達した生きていく上でのヒントを体得させるための本であり、なんとか完成版を翻訳したいと思い続け、2006年にアレクサンダー・テクニークの指導者でもある片桐ユズルさんの協力を得て完全版を仕上げたものだ。
健康を維持するためのアレクサンダー・テクニークは、実際に体験してみるとそれほど難しいものではないのだが、文字によってこれを学ぶとなると話が違って、途端に難解なものになる傾向をもっている。むずかしい理由をぼくなりに考えると、それはこのテクニークが意識と体の両方に働きかけるものであるため、自分の内側で内部分裂のようなものを起こすからではないかと思う。また多くの本が、一度はそのレッスンを受けたことがあることを前提として書かれているという面もある。
しかしアレクサンダー・テクニークはさまざまな面で役に立つことも間違いない。体を自己表現として使う仕事にあるすべての人たち、音楽家、ミュージシャン、歌手、俳優、武道家、舞踏家、ダンサー、歩く人、走る人、歩く人、山を登る人、なんらかの病気を抱えている人などそうした体と意識の関係に進んで分け入る人たちには、この技術は一度マスターできれば生涯にわたって役に立つだろう。健康増進にもなるはず。今では専門書が日本語になってたくさん出ているが、本を読んでこれを学ぶのはことのほかむずかしく、本によっては意図的にむずかしく書いているのではないかと思うこともあるのだが、この本はとにかくなにも知らない人が先入観なしにこの技術をゼロから学べることを目的として書かれていて、ぼくはおすすめする。
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