自由貿易協定は人間と自然の調和を破壊するものと先住民のリーダー
ペルー政府は先月、アマゾンの奥地の森林で計画中の油田地帯の拡大に非暴力で抗議するために集まっていた何十人もの先住民活動家を殺害した。ペルーの大統領(アラン・ガルシア)は、たとえ先住民の土地の権利を侵すことになろうとも、対合衆国との自由貿易協定の責任をまっとうするためには国際的資源開発の要求を最優先させなければならないと発言している。そして、今までのところ、米国は沈黙を守ったままだ。米国が態度をはっきりと表明し、ペルー政府が現在の暴力をやめるようにと、誰かが国務長官のヒラリー・クリントンに言わねばならない。
2008年に、ガルシア大統領は、ペルー議会を通すことなく、民主的な議論もないままに、99もの法律を作り、石油・ガス探査のため、大統領命令でペルー土地を多国籍企業を相手に門戸を開放してしまった。議会が、これらの大統領命令が憲法にかなっているか否かを検討している間に、何万もの先住民たちは、彼らが生活のより場としてきたアマゾン熱帯雨林が政治的な目的で利用されるのを防ぐため、平和なデモのために集まり工事現場を封鎖してきた。そして、6月5日に、暴力的な弾圧が開始され悲劇が起きたた。首都リマの北1400キロのところにあるバグア・グランデでは数千人の先住民たちが催涙ガスと実弾によって強制的に分散され、数十人の死者が出た。先月末、ペルー議会は99の法律のうちふたつを保留することを発表したけれど、先住民のリーダーたちは、すべての法律が完全に取り消されるまで彼らの平和抗議運動は継続されると声明を出している。
すこし古いニュースだけど、気になっていたので紹介しておく。地球を「資源」として見ない国の数を増やすことが急務だね。
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Comments
>自由貿易協定は人間と自然の調和を破壊するものと先住民のリーダー
全くその通りだと思います。
かつてこれを革命しようとして、マルクス・レーニン・毛沢東等の思想を掲げた反商業主義運動が、世界の広範囲に渡って行われた時代がありました。
しかしその革命には宗教心が足りなかったせいで長続きすることはありませんでした。
再び、更に強力な自由貿易主義が世界を飲み込み、人類の、自然との調和や共生を願うまともな意識が闇に葬り去られようとしています。
このような時代にあって、人類に覚醒を齎す運動が必要です。
科学と宗教、経済は、分離して存在するべきではありません。
原発の問題も、事故の危険性は当然として、仮に微量な放射能であったとしても、ヒトをヒトたらしめるDNAの損傷が起きると言う報告をしている研究者もいます。
目先の経済効果の為に人類を破滅に追いやろうとしている、愚かな「専門化の頭頭」にこそ、統合と調和の為の覚醒が齎されなければならないと考えます。
Posted by: TOKI | Sunday, July 05, 2009 03:20 PM
今回の記事を読んで、
どこかの企業の
「私たちの商品は地球資源です」というようなコピーの
TVCMを見て何とも言えない気分になったのを思い出しました。
Posted by: 朱鷺(試験放鳥中) | Sunday, July 05, 2009 06:42 PM