エゾの国の地図
国連が立ちあげ、各国の相互理解を目的として加盟各国の大きな図書館が協力する「ワールド・デジタル図書館(World Digital Library)」がネットで公開されている。これは「東アジア」の欄の一番最初で公開されている1854年に江戸の日本で刊行された「エゾ・サハリン・クリルの地図」の北海道の部分を切り抜いたもの。地図はもっと広くカムチャッカの一部まではいっている。19世紀半ばの、まだ完全には日本という国に組み込まれる以前の現在の北海道のすがたが、なんとなく想像できる。津軽と蝦夷を結ぶ船のルートの多さは、蝦夷の大地がブームタウンになりつつあることを想像させます。
追記(2009/05/30) 地図はもともとは「エゾの土地が閉じられたところの全図」というような意味らしい。日本国というより当時の江戸幕府は未開発の土地として現在の北海道、サハリン、千島列島、カムチャッカまでを見ていた。北海道は「口蝦夷」「西蝦夷」「東蝦夷」に分けられている。「口蝦夷」とは「入口」の意味だろう。蝦夷地への入口の土地だ。アイヌの人たちにとっては、習俗、風習、信仰、様式の異なるたくさんの人たちがここから流れこみはじめて、始まりも終わりもない世界からの文化的破壊と涙の旅路がはじまっていた。
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