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Thursday, November 27, 2008

母親の背中で世界を見ていたときの記憶

Hopi motherサイドバー巻頭のE・S・カーティス(1868-1952)の写真を久しぶりに入れ替えた。今回はホピの人たちを撮影した写真のなかから選んだもので、タイトルは「Hopi mother(ホピの母親)」となっている。サイドバーの写真をクリックすると、高解像度の写真になるのでできればそちらもご覧いただきたい。

オリジナルは1921年にマサチューセッツ州ケンブリッジのサフォーク銅版工房でグラビア印刷された。20世紀初頭にアリゾナのホピの国で暮らしていた母親と子どもだが、これをご覧になって気がつくと思うが、母親は子どもをおんぶしている。このようにして母親のいくところがどこであれ、子どもは母親の背中に乗っかったまま快適についていく。この「おんぶ」という風習もまた、「はちまき」や「あぐら」や「あやとり」と並んで、環太平洋のネイティブ・モンゴロイドの人たちに共通するものであるようだ。

あなたには母親や父親におぶられていた記憶があるだろうか? ぼくは、ある。温かい背中で布のようなものにくるまれたまま、世界を、そして人生のはじまりの期間を観察していたとても貴重な至福の時間の思い出。現代世界で生長する子どもたちの多くが、両親が一日中仕事などで出かけているために、こうした直接的な日々の肌と肌の暖かさを感じるふれあいをほとんど経験しないまま育つ。そればかりか両親が不在のためにその暖かさをまったく感じることもなく成長する子どもたちすらいる。

カーティスがホピの母と子をとらえたこの写真はとても有名なものなので、インディアン文化に関心を持つ多くの人が一度はどこかで見たことがある古典的な一枚と言えるだろう。子どもがまだ小さくて親の背中に乗ることができる期間、このようにしてふたりで多くの時間を過ごすことの大切さを、この写真は教え続けている。

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ネイティブ・アメリカンにとって感謝祭のリアリティとは

Reality of Thanksgiving day

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Tuesday, November 25, 2008

Bob Dylan & Johnny Cash Together in 1969

newsボブ・ディランとジョニー・キャツシュというふたりの「偉大な人」が今から39年前の1969年に、テネシー州ナッシュビルで出会ってすくなくとも22曲を共に演奏して歌い録音した。今では伝説となったこの時の歴史的コラボの模様の MP3 を全曲、次のページで無料でダウンロードして聞くことができる。正坐しておききください\(^O^)/

arrow2 Bob Dylan/Johnny Cash :: 1969 Sessions

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アメリカン・ドリームから世界が目覚める日のために

free_lakota_silver_coins

ラコタ国独立の旗を掲げたものの、ラッセル・ミーンズのラコータ共和国構想にのらなかったチャヌンパ・グルハ・マニらラコタ・オヤテの人たち2500人からなるストロング・ハート・ソサエティのメンバーで構成される「ラコタの人たちの自由と独立」が、昨日11月24日「銀」と「金」の通貨のみを発行し受け入れる銀行を立ちあげた。「今日という日はわれわれにとって偉大な日だ。われわれは権限とプライドと共に主権者としての自らの権利の行使をはじめる。」とチャヌンパ・グルハ・マニはコメントを出している。銀行の名は「自由ラコタ銀行(Free Lakota Bank)」という。その設立趣意に次のように書かれていた。

arrowhead_small Free Lakota Bank

お金がお金として機能するのはそのお金を作り出す人たちによってのみである。紙はお金ではなく、そのかわりに単に支払いを約束するものに過ぎない。われわれは、いつの日にか、われわれ以外の世界がアメリカの夢(アメリカン・ドリーム)から –– 人々が生産するよりも多くを消費することでいのちを支えることができるという夢から –– 目覚めることを望む。われわれがそれを「アメリカン・ドリーム」と呼ぶ理由は、それを信じるためにはまずあなたが眠らなければならないからである。なるほど、そうやってみる夢にも、今はまだ良い面もあるだろう。しかし人々がその夢がじつは悪夢だと気がついたとき、唯一の解決策は、生産とそれにみあう正直な交易から得られる価値に帰ることしかない。
自由ラコタ銀行 –– 新しい価値基準という文書より

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Monday, November 24, 2008

ジョン、きみはキリストよりも有名だと発言して42年間も許されなかったんだね

「ジョン・レノンの発言は主に米国で深い憤りを招いたが、多くの年月がたった今では、エルビスやロックンロールの伝説の中で育った労働者階級出身の英国人の若者が予想外の成功を手にして『自慢話をした』ようにしか聞こえない」

カトリックのキリスト教総本山であるローマ法王庁が、その日刊機関紙であるオッセルバトーレ・ロマーノ紙の紙面で、故ジョン・レノンの「自分はキリストよりも有名」発言を、42年後の昨日になって、ようやく許すことにしたらしいニュアンスの声明をだしたとロイターが報じた。

Source : ローマ法王庁、J・レノンの「キリスト」発言を許す

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Sunday, November 23, 2008

サステイナブル・ハピネス——持続可能な幸福を得るための10の方法

どうすれば幸福になれるかを教えてくれる心理学者や研究者ら科学者の提言という記事を「世界を持続可能にすることを目的にした雑誌 yes! マガジン」が、Jen Angel 記者の記事として10項目にまとめて掲載していたのでざっと紹介しておきます。


10 things happiness

・日々うつろう時の1分1分を存分に楽しむ
花の匂いをかいだり、子どもたちの遊ぶところを意識して眺めたり、なんとなくあわただしく過ごしている時間を大切なものとしてじゅうぶんに楽しむ。

・自分とほかの人を比較するのを避ける
自分と他人を比較することは自分を愛する気持ちや幸福に損傷を与える。

・欲しいもののなかでお金の優先順位を下げる
人生においてお金の優先順位の高い人ほど激しく落ちこみ不安に駆られるもの。

・意味のある目標を持つ
人生にたいする夢がない人より大きな夢のある人の方がはるかに幸福を感じる。

・仕事ではすすんで主導権を握る
仕事でどれくらいの主導権をとれるかによって幸せの度合いも変わってくる。

・友達を作り、家族を宝とする
よい関係が大切と言うよりも、理解しあい面倒をみあう一歩踏み込んだ緊密な間柄が必要。

・スマイル! たとえそんな気分でなくてもスマイルを!
自分をハッピーピープルだと世界にむかってみせるような習慣づけが効果大。

・ありがとうを言うときは本気で言う
なにであれありがとうを伝えた人の記録を毎週きちんとつけている人は健康で楽天的である傾向が高い。

・外に出てからだを動かす
心の落ちこみに対処する方法で薬物と同じぐらい効果があるものが運動だったという。

あげること。今すぐ誰かになにかを、あなたの人生の一部を、あげること。
「ヘルパーズ・ハイ」という言葉があります。近所の人の手助けをしたり、ボランティアに参加したり、なにかを寄付したり、イベントに参加したりすることで、運動したり禁煙したりすることに匹敵するぐらい健康的になれるとか。

Source : 10 Things Science Says Will Make You Happy

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Saturday, November 22, 2008

正しい時と正しい場所でたくさんの人と出会う日々

前略

この2ヶ月、自分にしてはよく動いた。さすがお話の季節である。まず10月4日は神戸六甲山YMCAでホピ伝統派のニュースレターテックヮ・イカチを一冊の書物として形あるものにして世界に残すための寄付集めのための学びの会「ホピ」講座〔「口承の世界」〕(ゲストはアイヌユカラを学ぶ詩人の港敦子さん)、5日は阪急神戸線・六甲駅近くのサラ・シャンティで「なぜ歴史を学ぶ必要があるか」のトーク、12日は神奈川県横浜近くの金沢文庫アサバ・アート・スクエアで「今なぜインディアンなのか」についてのメディスン・トーク(アーティスト、インディアンフルートの真砂秀朗さんと共演)、26日は港敦子さん他の主催で阿佐ケ谷で東京版の「ホピ」講座、11月9日は神奈川県の新横浜のスタジオアルタで「ジャンピング・マウス+光絵」の記念すべき第一回公演で前口上、15日は兵庫県宝塚市の月見山で「風をひらく」(armonica)、16日は神戸の三宮のモダナーク・ファームカフェにおいて第二回ホピ講座「お金と電気のない世界」とキャンドルナイト(冨田貴史+山口晴康 with Candle JUNE、桑名晴子さん他)を大過なくつとめてきた。いずれも不思議なことにその場にふさわしい完ぺきな天候の変化と雰囲気で、それぞれが正しいときと場所であることを確認できたことがなによりもギフトである。すべての会場で想像を超えた数の人たちが参集してくれたことに、心よりお礼を言います。口から耳へと伝えられる世界の存在と、お話の役割を多くの人たちに感じてもらえれば幸いである。おかげで二十代の人たちの関心がいずれの会場でも高まっていることを感じることができた。

しかし、冬はもともとお話のための季節であることから、この冬はお話をする機会を増やしたことで、この間自分のブログの更新がうまくいっていない。楽しみに訪れてくれる人には申し訳ないが、しばらくはたくさん詰め込まれている過去記事——1500を超える文があるから、500ぐらいは時間を超えて読めるものがあるだろう——の書架などのなかをさまよって、お気に入りのものを探し回っていていただきたい。そして昔のこの記事が気に入ったとかいう話をぜひコメントでつけてもらえればと切に願う。追いかけてくる請求書と闘い生活費を稼ぐための売文の徒としての仕事が、年末に向けてしばしいそがしくなるから、自分の書いたものに反応してくれるそうした生の声が聞けることは励みになる。活字で平面を埋めつくす世界で仕事をはじめて以来、ぼくは毎年「年末進行」という目に見えないモンスターに追いかけられてきた。年末から正月にかけて印刷所などの人たちが休み機械が止まるために、11月と12月のうちに、翌年の2月号や3月号の原稿をあらかじめ書かなくてはならないので、すべての進行がまるでひとつきが三週間しかないかのような早さですすむのだ。変化の急激なこの時代に3ヶ月先のことを想像して原稿を書くのはたいへんな仕事である。それにここ4年ぐらいは、インターネットのブログを編集する仕事もしているので、こちらは毎週定期的にこなしていく。毎週あるリアルタイムな仕事の方が季節感につきあえるので雑誌にくらべて気分的にずっと楽なのは言うまでもない。

正しい時と正しい場所において、これからもみなさんと会えることを楽しみにしている。

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Friday, November 21, 2008

石のなかであぐらをかいて笑っている人に会いに行こうと思う

smiling stone people

群馬県の安中市にある「安中市ふるさと学習館」というところでいま「ストーンツールズ‐縄文石器の世界」という展示会をしている。ここでは聞くところによると「実用的ではない石器」「なんの目的かわからない石器」も展示されているらしい。この石器の展示会は、大規模開発事業によって出土させられ眠りを破られた石器たちを整理して陳列してあるものだという。実用的じゃないと「現代の人たち」が判断した石器というのに心惹かれるものがありませんか? ぼくが行きたいと感じた最大の理由がこの写真の石器だ。いったいなんのためのものなのか、目的はなにかなど、実際に見ながら考えて、一緒に笑ってみたい。

安中市ふるさと学習館
〒379−0123
群馬県安中市上間仁田951
地図
TEL:027−382−7622

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Thursday, November 20, 2008

真っ白なアオウミガメがタイで生まれたという

feather全身が真っ白のアオウミガメが2匹同時に産まれたという。絶滅の危機にひんしているアオウミガメの赤ちゃんで、今月16日、タイ東部のチョンブリ県にある海軍のウミガメ保護センターでふ化した40匹のうちの2匹が、体から甲羅まで真っ白だったと、NHKのニュースが伝えている。

Source : タイ 白いアオウミガメ誕生

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Friday, November 14, 2008

日曜日の夜に神戸で灯されるたくさんのロウソクの意味

feather

今週の日曜日16日に神戸でおこなわれる平和の人たちのための集い、ホピ族の伝統派が祈りと共に残したスピリチュアルなメッセージであり生存のための闘いの記録である『テックヮ・イカチ』を、売り物ではない書籍として世の中に送り出すためのエネルギーを集めるための場に、キャンドル・オディッセーの旅を続けるアーティストのキャンドル・ジュン(Candle JUNE)さん自らが来て、キャンドルナイトのためにロウソクを灯していただけることになった。お金と電気をこれ見よがしに使いまくるこの国で、「お金も電気もない世界」という大いなるヴイジョンを共有するための人々の集いに、きっとふさわしいイベントになるだろう。富士山のWPPDをはじめとして、ぼくはこれまでいくつかの特別な場所でジュンさんの灯したロウソクの明かりを見てきた。日曜日の夜に神戸で灯されるいくつもの美しいロウソクの火が、多くの人たちの心のなかに移されることを祈る。さあ、ぼくも旅の準備をはじめなければ。Be There!

reddot 平和の人とは誰か ~ホピ族伝統派が残した『テックヮ・イカチ』に学ぶ~

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Wednesday, November 12, 2008

講座『テックヮ・イカチ』に学ぶ 第2回のお知らせ (再掲)

whiteman's kachina
アメリカ先住民族ホピたちが住むホピランドでは、砂漠の中に立つ送電線の鉄塔を「アメリカン・カチーナ=白人の神」と呼んでいます。

それは、電気や便利さを「神」と崇め、お金さえあればその「神」を買えると思い込んでしまった現代文明へのネイティブ・ピープルからの警鐘なのでしょう。

今回は『テックヮ・イカチ〜大地と交わりいのちを祝う〜』という視点で「お金と電気」について見つめ直したいと思います。

そして、「私たちの代で海や山をお金に代えない」と、27年間にわたり上関原発建設を阻んできた瀬戸内海の小さな島・祝島の緊急状況を知り、私たちの暮らし方の選択へとつなげていきたいと思うのです。

   11月16日(日) 『テックヮ・イカチ』に学ぶ 第2回

       16:00〜21:30終了予定
       4回連続講座・第2回目「お金と電気のない世界」

       場所 : モダナーク・ファームカフェ(神戸・トアウェスト)

       http://www.chronicle.co.jp/event/techquaIkachi.html

       JR・阪急・阪神・市営地下鉄各線 三ノ宮駅から歩いて7分
       JR元町駅から歩いて4分

       <話> 北山耕平:『テックヮ・イカチ』に学ぶ

       <お話と映像>
       冨田貴史:山口県上関原発立地を27年間阻んできた
            祝(はふり)の島・祝島の今
       山口晴康:瀬戸内の海に息づくネイティブ・スピリット


       参加費:3,000円 高校生以下1,000円

       要予約:定員60名
       電話 : 078・391・3060 モダナークカフェまで

『テックヮ・イカチ』日本語版の発刊にご協力お願いします。

 「ホピの教えを売ることは自分の母親を売ることに等しい」

ランド・アンド・ライフでは、Hopi Way of Life を示すもののひとつであるホピ伝統派のニュースレターの『テックヮ・イカチ』を、完全版として次代に引継ぎ手渡していくために、その日本語版を(そしてできれば英語版を)非売品として、正しい時と場所において刊行するつもりです。発刊に際しまして、多くの方のご理解とご協力と物質的精神的エネルギーを得ることで、Mother Earth の子供たちとしてのスピリットがさらに込められ、世界に Hopi Way の精神が息づいて伝わっていくことを願っております。みなさまのご協力、ご喜捨をどうぞよろしくお願いいたします。

  郵貯銀行振り替え口座 
  00910−6−321008 「テックヮ・イカチ」基金

  尚、今回の催しの収益の一部は発刊費用に充てられます。

  『テックヮ・イカチ』日本語訳サイト



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Tuesday, November 11, 2008

厳しい吹雪のなかにおかれたままのサウスダコタ州のインディアン居留地

newsこのところ忙しくてニュースをきちんとアップデートできない。ラコータ共和国のチーフでオグララ・スー一族の首長選挙に出ていたラッセル・ミーンズが今回もまた次点で敗れたことも、サウスダコタのブラックヒルズ周辺をただならないブリザードが襲ってパインリッジにあるリザベーションの住人にかなりの被害が出ていることも、伝えられていないうちに過去のものになっていってしまいそうなので、ざっと。オグララ・スーの一族の首長選挙は、予備選挙の段階で三位だった立候補者が本選を辞退したために州議会議員で女性のテレサ・ツー・ブルとミーンズおじさんの一騎打ちとなり、ツー・ブルは2277票を獲得してオグララ・スーでは二人目の女性チーフとなった。それでもラッセルおじさんは1918票を獲得している。この数字をどう読むか? 州議会議員のテレサ・ツー・ブルは全体の票の55%を獲得したわけで、これはオグララ・スーにおける「古くさい現状維持派」の割合を示すものと見ていい。一方の自立独立推進派のラッセル・ミーンズは、今回は4回目の出馬だったが、全体票の45%を獲得したことになり、おじさんは植民地体制維持の部族政府からの「ラコータ国の独立が承認された」とこの数字を読んだらしい。彼は自らのブログに「植民地体制を受け入れたインディアンたちに、これでもうわれわれがインディアンを代表していないなどとは言わせない」とあいかわらず意気軒昂だ。はたしてそのサウスダコタ州を強力なブリザードが襲ったのは、ミーンズおじさんの選挙が終わるか終わらないころのことだった。サウスダコタ州政府は非常事態を宣言し被害の大きな地域を公表したものの、なんということかそこにはインディアンたちの暮らす土地はいっさい含まれていなかった。これこそ部族政府そのものに指導力のかけらもないためだとして、ラッセル・ミーンズおじさんは部族の首長選挙の候補者の1人であり、ラコータ共和国のチーフ・ファシリティターとして世界にむかって住民の生命が危機のなかにあることを訴える「国際被災宣言」を個人的に発令した。今もなお数千人が電気の切れた村で吹雪に埋まったまま孤立しているようだ。道路が雪で閉ざされており非常事態に対応が出来ないという。というのがいまラコータ共和国周辺で起こっていることである。すでにブラックヒルズには厳しい冬が来ている。

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Monday, November 10, 2008

ワレラが歌う「チェロキー・モーニング・ソング」を聞いたことがあるかな?

Last Modified Tuesday, November 11, 2008


ワレラとはチェロキー語で「ハミング・バード(ハチドリ)」という意味。リタ・クーリッジ、リタの姉のプリシラ・クーリッジと、プリシラの娘のローラ・サターフィールドの3人で構成されている歌姫たちのグループのこれは代表作のひとつ。

彼女たちはチェロキーの遺産を引き継ぐソング・グルーブで、スピリットの音楽による飛翔などと形容されることもある。ときどき耳を傾けたくなるのだってぼくだけではあるまい。たまたま YouTube でこれを見つけたのだが、北米インディアンと書かれているのみで、ワレラの名前がクレジットされていないので、記しておく。彼女たちがチェロキー語で歌う「アメージング・グレース」も忘れ難い。彼女たちのベストアルバムはおすすめ。


Cherokee Morning Song 歌詞とその日本語訳
(チェロキーの朝の祈りの詩)

 ウェン デイ ヤァ ホー わたしは偉大なる精霊のもの そのとおり
 ウェン デイ ヤァ ホー わたしは偉大なる精霊のもの そのとおり

 ウェン デイ ヤァ    わたしは偉大なる精霊のもの
 ウェン デイ ヤァ    わたしは偉大なる精霊のもの

 ホ ホ ホ ホ
 ヤァ ヤァ ヤァ

 ヘィ ヤァ ホー     まさにそのとおり

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Thursday, November 06, 2008

「メディスン・パワーがほしくはないかね?」

聞くたびに新しい発見がある物語「ジャンピング・マウス」公演のお知らせ

「ジャンピング・マウス」とはどんなお話か?

Medicine Wheel

ジャンピング・マウスは、ネイティブ・アメリカンに残されていた伝統的なお話のひとつで、お話には幾つものバージョンがあります。この30年ほどの間に、さまざまな形でいくつかのバージョンがかたちになり、あるものは絵本として、またあるものはネイティブ・アメリカンの小説のなかに挿入されているストーリーとして、あるいはラジオドラマとして、世の中に出てきました。アメリカでは人形劇にもなっています。日本語訳としては、かつて70年代におおえまさのりさんが、これをラコタの神話として紹介されています。

この30年間に公開されたいくつかのバージョンを仔細に読み比べ比較した結果、それらを統合して最もお話としての体裁が整った長尺のものを日本語にして、それをみなさんに聞いてもらうお話の基本にすることにしました。ヘメヨースツ・ストームという作家の書いた『セブン・アローズ』というネイティブ・アメリカンのシャイアン一族を題材にした小説のなかに出てくるジャンピング・マウスのお話が、おそらく最も広く世界的に引用されているものですが、ここで紹介するものはそのストームの話よりもはるかに長いものです。

多くのネイティブ・アメリカンの物語がそうであるように、ジャンピング・マウスの物語もまた「人間は自然の鏡であり、自然もまた鏡としてそれぞれの人間を写し出している」という深い信仰に満ちています。人間はこの地球に生まれると、誰もが自分のメディスン・ホイールの上の一点に場所を与えられて、その輪を巡る旅をはじめることになります。このお話の目的は、ネイティブ・アメリカンの人たちの「メディスン・ホイール」という「世界の見方」を理解していただき、自分が人生という大きな輪を描く旅のどの過程にいるかを、そのときどきに確認してもらうことを目的に構成されています。どうか日曜日の午後のひとときをジャンピング・マウスと過ごしに来てください。(文 北山耕平)

日時 11月9日 日曜日 午後
会場 スペース・オルタ
(新横浜駅から徒歩10分)

古屋和子・口演+のなかかつみ・演奏(インディアンフルート、太鼓)
光絵 製作・倉重あき+片岡あすか
解説トーク 北山耕平

 主催:アース○サークル  会場:スペース・オルタ
 (神奈川県横浜市港北区新横浜2-8-4 オルタナティブ生活館B1)
開場 2:00pm 開演 2:30pm 終了 5:00pm
入場料:当日¥2800 予約¥2500

詳細は ジャンピング・マウス公演公式ウェブサイトまで

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ワン・フー・ヘルプス・ピープル・スルーアウト・ザ・ランド

Last Modified 10:46 pm, Thursday, November 6, 2008

obama

アメリカ合衆国の44代目になる大統領がきまった。勝利宣言の生中継をCNNで見ながら、今のようなリザベーション体制ができあがる以前の昔のアメリカ・インディアンがアメリカの大統領のことを「ワシントンにいる偉大な白人の父(グレイト・ホワイト・ファーザー)」と呼んでいたことを思い出した。今回新しく大統領に選ばれた47歳の彼は、白人でも黒人でも黄人でも赤人でもなく、今風の言葉で言うとそれらのさまざまな色が織りなす「レインボウ・トライブ」のひとりなのだが、シカゴのグランド公園につめかけた数万の人々を前にして「アメリカにチェンジが訪れた」と語りかけたその宣言において、あえて彼はネイティブ・アメリカンの人たちの力添えが今回の選挙戦で果たした大きな役割について語っていた。実際今回の投票において、ミシガン、ニューメキシコ、ワシントン、オレゴン、ミネソタ、ウィスコンシン、ネバダ、ハワイなどのネイティブ・アメリカンの人たちの影響の大きな州における勝利は無視できない。彼はホワイトハウスの中にネイティブ・アメリカンの問題を国と国の問題として扱う最高機関を設置すると公約している。歴代のアメリカの大統領のなかで、アメリカ・インディアンの部族の一員として迎え入れられた人間はこれまでいたことがなかったのだが、レインボウ・トライブの彼は今年の5月にクロウの国を訪れた際に正式に部族の一員に認められている。そしてその時に彼に与えられたインディアン・ネームを背負って彼は2ヵ月後にワシントンの偉大な父となるのだ。「大地のいたるところで人々を助ける男(One Who Helps People Throughout the Land)」それが、クロー一族が彼に与えた名前である。

*上の写真は The Boston Globe という新聞社が提供する Boston.com のサイトで「The next President of the United States」というタイトルの元に昨日掲載されていた44代目のアメリカ大統領になる男の写真の一枚。さすがという写真が集められているのでぜひご覧ください。

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Tuesday, November 04, 2008

大陸と半島からの侵攻におびえて百済の亡命貴族は九州島西部に城を築いたのだった

百済で作られた青銅菩薩立像が出土、熊本の「鞠智城跡」で

熊本県教委は3日、同県北部の国史跡の古代山城(さんじょう)「鞠智(きくち)城跡」(山鹿市、菊池市)で青銅製の菩薩立像(ぼさつりゅうぞう)が見つかったと発表した。

顔立ちなどの特徴から朝鮮半島の古代国家・百済で7世紀後半に作られたのはほぼ確実という。百済の青銅仏像は国内では初めての出土。

菩薩像は全長12・7センチ、幅3センチで、頭飾と肩から足にかけて垂らした天衣(てんね)を着け、横から見るとS字を描くような姿勢。先月23日に貯水池遺構北端の深さ約1・5メートルの地中で見つかった。

読売新聞のオンライン版の11月3日の午後9時42分に配信された記事だ。熊本県の遺跡で百済製の仏像が出土したというもの。記事はこのあと続けて、

4世紀中頃、朝鮮半島南西部に興った百済は大和朝廷と友好関係にあり、百済から多くの渡来人が文化を運んだ。大和朝廷は663年、百済を支援した白村江の戦いで、中国・唐と朝鮮半島の国家・新羅の連合軍に敗れ、逆襲に備えて7世紀後半に鞠智城を築いたとされるが、菩薩像の年代は鞠智城の築造時期とも符合するため、築城に携わった身分の高い百済人が持ち込み、仏堂に安置したか、携帯していたとみられる。

と記し、古代史の資料の記述や百済系瓦の出土例などから「鞠智城は百済の亡命貴族の指導で築城された」と考えられていると大西修也記者はあたりまえのように書いていた。ぼくはよくわからないのだが、こういう場合は「半島勢力の武力侵攻を恐れた亡命百済人が、九州島の西に城を築いた」と直截に書くべきではないのかな。

しかしここであたりまえのように書かれている「身分の高い百済人」というステレオタイプな「偏見を植えつける目的の意図的な表現」も、なにかおかしいように思える。まるで彼らが無知な野蛮人の跋扈する日本列島に仏教という文化をわざわざ持ってきてくれたかのような書き方だ。

ここはやはり亡命貴族が築造の指導をしたのではなく、亡命貴族と彼に従って命からがら逃げてきたボートピープルの一団が、自分たちの生活様式を守るために城を築いたと考える方が整合性がとれるのではないだろうか。百済と大和朝廷(旧伽耶勢力)のふたつの半島勢力がたくらんで今につながる「日本国」のプロトタイプを作ったわけだし、この菩薩像もその隠すことのできぬ証拠のひとつではあるのだろう。

663年前後のありさまを小生の『ネイティブ・タイム』(Version 4)では以下のごとく記載してある。興味ある人だけ続きをお読みください。

Source : 百済で作られた青銅菩薩立像が出土、熊本の「鞠智城跡」で(2008年11月3日21時42分 読売新聞)

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Sunday, November 02, 2008

あなたはなにを話しているのか?

われわれは目に入るものすべてを食べる必要もないし、考えていることすべてを口に出して言わなければいけないというものでもない。であるから、われわれがまずはじめるべきは、自分の使う言葉に注意し、声として発するのはよい目的だけにかぎることだ。
ローリング・サンダー チェロキー メディスンマン

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人類の偉大なる旅の経路地図はぼーっと見ているのが一番面白い

Map-of-human-migrations

これは人類の起源に関する仮説のひとつである「アフリカ単一起源説」について解説してあるウィキペディアの項目のページに掲載されている「ミトコンドリアDNAのハプログループの分布から推定した人類伝播のルートおよび年代」という図版を、力づくで左に90度回転させてみたもの。人間が地球に広がっていったとされるルートマップだけど、見てるだけで飽きないよね。兄弟姉妹と離ればなれになった分かれ道というのは、この図を見るかぎりそう多くはなかったようだ。「われわれ」は遠くから来て、遠くまで行ったんだね。ただ、それだけなんだけれど。

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