縄文時代にイノシシが飼育されていたのかも
日本人という観念が完成する遙か以前の縄文時代中期(約5000年前)に、琵琶湖の周辺でイノシシが家畜として飼われていたらしいことが、京都市北区にある総合地球環境学研究所の内山純蔵准教授(環境考古学)の研究で分かってきた。弥生時代にすでにブタを家畜化していたことは定説になっているが、今回の発表は「縄文時代は狩猟採集という固定観念に再考を迫るもの」と京都新聞は書いている。
内山准教授は、1990年に発掘調査が行われた粟津湖底遺跡第三貝塚(大津市)から出土したイノシシの歯約20本を調べた。食用に最適な子どもがほとんどで、歯のすり減り方が野生より大きく、「ドングリなど硬い餌を人から与えられていたのではないか」という。縄文中期以降、木の実の利用が拡大したことが分かっており、イノシシの家畜化が一因となった可能性もあるという。内山准教授は「縄文時代は狩猟だけでなく、家畜を飼う先進的な試みなど、試行錯誤があったのではないか。今後、他の遺跡も調査し、家畜化の実態を明らかにしたい」と話している。
Source : 縄文人、イノシシ飼育!? 琵琶湖周辺 京の研究者新説(Kyoto Shimbun 2008年9月10日)
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