ホピのふたつの村の聖なる泉の水であり飲料水とされるいのちの水が放射能に汚染されているという警告
ウラニウムの地下水への漏出が発見され、ホピ居留地内にある2つの村の飲料水のほぼすべてが放射能に汚染されようとしていると、北アリゾナのニュースメディアが警告を発した。ホピ族とナバホ国のコンサルタントたちによる一連の調査であきらかにされたという。
飲料水やホピの人たちが儀式に用いる聖なる水をくみ上げる泉の放射能汚染がわかったのは北アリゾナのチューバ・シティという町からそう遠くないところに位置するモエンコピというホピの村で、村は上手と下手に別れている。このうち下手のモエンコピの村の家庭の飲料水になっている地下30メートルのところから汲み上げている井戸水の汚染を数値が示していることが確認された。さらに、上手のモエンコピ村全域の住民が飲料用に利用している地下600メートルほどの帯水域からくみ上げている水からも汚染が見つかった。西暦2000年の国政調査ではモエンコピの2つの村の住人は901人だった。
放射能汚染の原因となったウラニウムは、1960年代に天然ガスエル・パソ・コーポレーションがモエンコピ村の近くの残土処理場(Tuba City Open Dump Site)に不法に投棄したウラン鉱石採掘から出る汚染された残土にある。その残土処理場は政府インディアン局が建設したもので、今はおきまりのように各役所による責任のなすりあいがおこなわれているが、はっきりしているのはウラニウム汚染がさらに悪化の一途を辿っているという事実だろう。そのあたりの地下水の源である地下1200メートルのところにある帯水域にあと10年もしないうちにウラニウムが到達することになるのがわかっているのだが、これまでのところ現実的な解決策はなにひとつ見つかっていない。
Source : Contamination threatens Hopi water supply September 25th, 2008 by Joey Chenoweth
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Comments
ホピの村で起こることは、世界で起こることの映し絵。
再びチェルノブイリのようなことが、起こらないように、あらためて心から祈り、煙たがられても、日本の現実を少しでも、伝えます。
いつも誠実な記事に感謝しています。
Posted by: 白菊 | Saturday, September 27, 2008 03:48 PM
モエンコピ村は、トゥーバシティからいよいよホピランドに入るという入り口に位置していて、そこから40マイル走ってようやくサードメサのホテヴィラ村という、ぽつんと離れた集落です。
ウラン鉱さいの残土処理場は、トゥーバからホピランドへは入らず、モニュメントバレー方向に続く道路のすぐ脇にありました。15年以上も前のことですが。
道路脇100Mほどのところに鉱さいは盛られて小高くマウントになっており、その当時の情報としては、安全のため2Mの覆土処理がされている、という話でしたが、お粗末極まりないことではあります。
フェンスには放射能マークがつけられてましたが、これまたなんとも・・・・。
おそらくこういう状況は今も変わらず、ただ時が流れ、2Mの覆土は風に舞い、放射能はさらに大地と地下水にしみいっているのでしょう。
トゥーバから約30マイルほど南へ向かったキャメロンでは、かなり前からこの鉱さいでの被爆が問題となっていました。
とにもかくにも、まず、ウランは地中から掘り出さないことです!!!
Posted by: hopiseed | Saturday, September 27, 2008 11:35 PM
雑感443-2008.9.1「米大陸先住民のアルコール依存症と水銀汚染」参考にご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak441_445.html#zakkan443
Posted by: Rina | Monday, October 20, 2008 01:02 PM