これがインディアンの母さん
ネイティブ・アメリカンの青年が興奮した様子で母親に電話をして、「愛している女性がいる。理想的なネイティブの女の子で、結婚をするつもりだ」と伝えた。
「あら、素晴らしいじゃないの。善は急げよ、その娘さんをできるだけ早くうちに連れてきなさいな」
母親はいかにも典型的な母親らしい性急さでたたみかけた。
「あわてないでよ、母さん」息子が笑いながら言った。「母さんが自分の息子のことをどれくらいわかっているかテストもかねて、彼女以外にもう二人別のおんなともだちを連れてくるから、どの人が本命の彼女かあててみてよ」
翌日、息子が三人の美しいネイティブの女性を母親の家に連れてきた。女性たちは並んで居間のカウチに腰をおろして、楽しく話をした。フライブレッドのこと、パウワウのこと、ビーズワークのこと、キルトワークのこと。とんとんと話は弾んで数時間が過ぎた。
あるときいきなり息子が口を開いた。
「それでは母さん、ぼくが結婚したい彼女はどの人か、あててください」
「いちばん右端に座っている娘さんね」
母親はたちどころに応えた。
「いやー、すごいな! どんぴしゃだよ、なんでわかっちゃったの、母さん?」
息子がたずねると母親がぴしゃりと、
「だってわたしの好みじゃないもの」
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Comments
HOHOHO!~と笑えた後、母さんの気持ちが手に取るようにわかりました…。きっと結婚したい娘さんは、顔も性格もお母さんに似ていたのでしょう!
Posted by: あつこ | Sunday, August 10, 2008 10:55 AM