西日本で最大の大型竪穴住居跡発見
和歌山県文化財センターが同県かつらぎ町の中飯降遺跡から、西日本最大となる縄文時代後期前半(約4000年前)の大型竪穴住居跡を発見したと発表している。直径約14メートルの円形状で、もし復元したとすれば面積は150平方メートル以上になるそうだ。写真を見ると、この円形の遺跡の残り半分は舗装道路によって分断されている。
以下部分引用。
京奈和自動車道(紀北東道路)建設に伴い、同センターは2006年度から発掘調査をしている。中飯降遺跡の発掘は今年5月からで、6月に大型竪穴住居跡を確認した。北側を町道が遮っているため、確認できるのは全体の半分ほど。しかし、通常の竪穴住居は、直径4〜5メートルで20平方メートルに満たないため、面積は10倍近くなる。縄文時代を通しても、面積が100平方メートルを超えるものは少ない。全国でも最大級の規模という。
竪穴住居跡内に3つのすり鉢状の柱穴があり、上面の直径は約2メートル、最下層が直径約0・5メートル、深さ1・1メートル。柱穴の一部には柱を固定するための石が残っている。穴の大きさから直径40センチ前後、長さ約4メートルの柱を用いていたと推定している。円形状の場合、調査区外にあと1、2本程度の柱穴があるはずという。中央には一般的な竪穴住居同様、炉の跡が残っている。
調査地区は川と川の間で、背後に山があり、人が暮らしやすい立地。周辺100メートルほどの範囲でほかにも、竪穴住居跡や縄文土器などが発見されている。大型竪穴住居跡から西に50メートルほどの地点では、墓の存在を示す、石を並べた「配石」や骨を入れて埋めていたつぼなども確認した。今後、大型竪穴住居跡の町道を越えた北側も調査予定で、一般的な竪穴住居跡が見つかる可能性が高いという。
同センター埋蔵文化財課の内田好昭主任は「遺跡の集落はそれほど大規模ではない。巨大な竪穴住居はこの1つの村だけで使用したと考えにくい。周囲に何カ所か縄文時代の集落が見つかっているので、それらも含めた共同の建物である可能性がある」と話している。
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