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Monday, July 07, 2008

日本のイネ・ジャポニカの故郷は遺伝子によればはるか南方の島々に

日本のイネ・ジャポニカ「南に源流」 遺伝子研究で解明

日本や中国で栽培されるイネ「ジャポニカ」の起源が、インドネシアやフィリピンまでたどれることがわかった。農業生物資源研究所(茨城県つくば市)の井澤毅・主任研究員らが、もみの大きさを決める遺伝子の変異を手がかりに突き止め、6日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表する。

もみの幅が広くて米粒が大きいジャポニカは、これまでの考古学的な調査によると、約1万年前の長江中・下流域が起源との説が有力だ。

研究チームは今回、ジャポニカの「日本晴」とインディカの「カサラス」の2品種を比べ、米粒の大きさの変化にかかわる遺伝子(qSW5)を発見。この遺伝子が変異してジャポニカのもみが大きくなったことを確かめた。

この変異と、もみを穂から落ちなくする遺伝子変異、もちもちした食感にする遺伝子変異の計3種類について、アジア各地の古い栽培品種142系統を調べた。

その結果、フィリピンやインドネシアの品種で、三つの遺伝子に変異のないものと、もみを大きくする変異のみをもつものが見つかった。このため、この地域でイネの遺伝子が変異してもみが大きくなり、その後、インドシナ半島や中国大陸で他の二つの変異が組み合わさって現在のジャポニカができたという。

総合地球環境学研究所の佐藤洋一郎教授(植物遺伝学)の話 もみの幅を広げる遺伝子の変化をとらえたことは大きな発見で高く評価できる。ただ、遺伝子の変化を、直接イネの栽培化と結びつけるのは難しい。考古学資料とのすり合わせが必要だろう。(米山正寛)

Source :  日本のイネ・ジャポニカ「南に源流」 遺伝子研究で解明(asahi.com ニュース 2008年7月7日3時0分)

日本米の起源は東南アジア?米の大きさ決める遺伝子を発見

農業生物資源研究所(茨城県つくば市)の井沢毅主任研究員らのグループは、古いイネ品種の遺伝子変化を調査した結果、日本米(ジャポニカイネ)の起源がインドネシアやフィリピンなど東南アジアであると発表した。7日、英国の科学雑誌「ネーチャー・ゲネティックス」オンライン版で公開した。

井沢主任研究員らは、コメの粒の幅を細くすることに関与する遺伝子を世界で初めて発見。ジャポニカイネの米粒の幅が広いのは、この遺伝子が栽培化の過程で、次第に機能を失ったためだと結論づけた。

さらに、約200種のイネの在来種の遺伝子を調査。(1)コメの粒を細くする遺伝子(2)イネの脱粒性に関する遺伝子(3)炊いたコメのモチモチ感を決める遺伝子−の3点を比較したところ、ジャポニカイネの原型が、インドネシアやフィリピンの在来種(インディカイネ)に多く見つかった。

ジャポニカイネの起源をめぐっては「中国長江説」や「アッサム(インド)雲南(中国)説」がある。今回の調査では、中国のイネもジャポニカイネと同じような遺伝子変化をたどっていることが判明。

井沢主任研究員は「現在、東南アジアで栽培されている『熱帯ジャポニカイネ』が中国に伝わり長江付近で水田化され、『温帯ジャポニカイネ』が誕生し、さらに日本に伝わったと考えられる」としている。

Source : 日本米の起源は東南アジア?米の大きさ決める遺伝子を発見(産経ニュース 2008.7.7 02:03)

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