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Monday, June 30, 2008

夏至の日・富士山・スピリットの帰還、そして4年目に入ったネイティブ・ハート

Fuji Medicine Wheel

    「一度も登らぬ馬鹿、二度のぼる馬鹿」


——富士山についての昔の言い伝えのひとつ

夏至の日が終わり、太陽は新たに黄道を辿る旅をはじめた。作物が順調に育っているのを確認して、精霊たちは無事に山の家に帰られただろうか?

ぼくがこのブログをはじめたのは2004年の夏至の日に富士山の西の朝霧高原において「せかいへいわといのりの日(WPPD)」の集いと儀式がおこなわれることが決定し、WPPDの提唱者がネイティブ・アメリカンのラコタ(スー)の精神的指導者の一人であり、一族に伝統的に伝わる聖なるパイプの守護者だったことから、自分も呼びかけ人の一人に名を連ねたことが直接のきっかけだった。

地球で生き残っているネイティブ・ピープル、とりわけ北米大陸で「アメリカ・インディアン」と呼ばれてきた人たちの考え方や世界の見方について自分が見聞覚知してきたものを、同じようなルーツをもちながらそうしたもののほとんどをあらかじめ奪われて「日本人をしている自分の同胞たち」と分けあう場として、どうしてもこういう場が必要だと考えたからだった。

そしてこのブログ「ネイティブ・ハート」を立ちあげてから4年を経過したことになる。これまでの記事の数は1400件を数え、日々の訪問者数はほぼ1000を前後し、総アクセス数も100万を越えた。文化系のこのようなサイトにしては、すごいことだし、ありがたいことでもある。

2004年を契機として富士山をメディスンホイールとしてその山麓を廻ることになった日本のWPPDの夏至の巡礼の集いも、南(富士市)、東(山中湖)、北(西湖)、そして今回の西(富士宮)と一巡した。ひとつの大きな輪は閉じたが、輪そのものにはもともと始まりもなく終わりもないものなわけで、その輪はぐるぐると回りながらかたちを変えつつ続いていくことになるだろう。2004年の雷の母と名づけられた台風の雨の中の奇跡のようなWPPDは「母なる富士山の声に耳を傾ける世代」のスピリットの帰還を予感させた。ぼくたちはあのときに集団で観たヴィジョンを具現化させ続けなくてはならない。

個人的には夏至の日は「各人が自分の聖地に意識を集めて地球と会話をする日」として定着していくことを願っているわけで、ぼくにとってはWPPDがやって来る前からずっと関東に生まれた自分にとっての聖なる山は富士山以外にはないと信じてきた。80年代前半にアメリカから帰還したぼくを日本列島にソフトにグラウンディングさせてくれた土地は富士吉田登山口入口に鎮座する北口本宮富士浅間神社であり、縁あってその山梨県富士吉田市に4年ほど過ごし、山麓を徘徊して山麓をひたすら歩き回って不思議な体験をいくつもし、東富士五湖道路の工事がはじまったころに静岡県に移り住んで、それ以後ものべ十数年を東や南など富士山の気を感じる土地で暮らしてきた。ぼくにとって聖地とは富士の山以外のなにものでもなく、その聖なる山の扱われ方についてはいつどこで暮らしていても常に気にしないわけにはいかないのだ。どこにいても目の端にあの山のかたちがシルエットとして写った瞬間に、ぼくは自分のなかでなにかが動くのを感じる。

聖なる御山としての富士山の扱われ方は「日本という国家の今」を常に写しだしてきた。今では富士山の存在を知らない人などまずいないだろうが、いつの時代にも富士山が人々によってどんな扱われ方をしているかを知っている人は少ない。それは仏教がこの国に入ってくるまでは普通の人ならまず登ることなどない畏れ多い山だった。山頂にはスピリットが立っていた。世界には人間の登ることを禁止している神聖な山がまだいくつか残されている。だがそうした神聖さは、当然人間の欲望によって打ち壊される。最初はそれでもおそるおそると、そしてあるときからは堰を切ったかのように雪崩を打って。

誰もが日本でいちばん聖なる山というと「富士山」の名前を挙げるが、自分たちの聖なる山に演習と称して大砲を撃ち込んだり戦車で山麓を走り回っている軍隊はいったいどの国の軍隊なのか? 彼らはなにを守るというのか? 限りない人間の欲望のためにかくもひどい扱われ方をしている国立公園が他にあるだろうか? 北富士本宮浅間神社の龍の口から流れる出る水が湧き水ではなくいつのまにか水道水となり、富士山頂に最も近い水源だった泉瑞(せんずい)の湧き水が枯渇したのは、人間たちの企業が金儲けを目的に機械を使って大量に山麓で汲み上げて日本国中に売り飛ばしている富士山ミネラル水のせいではないのか?

人々の振る舞いの愚かさが極点に達したとき、聖なるスピリットを受け継いだ子どもたちが返ってくるというあの台風の中の預言を、ぼくはこの丸4年間確認し続けた。そしてそれは富士山の山肌に直接触りその声を聞く祈りの時の必要性を強く感じた4年間でもあった。

このブログは、日本列島のスピリットの声に耳を傾ける新しい人たちの集合点(呼び集め、再結集させる場)として、今後も機能し続けるだろう。そしてぼくは富士の山の声に耳を傾け続ける。一切の聖なるものが失われた日本列島にスピリットが帰ってくるのなら、それはまず真っ先にこの聖なる山においてであることは想像に難くないからだ。鏡のように世界を写し出している聖なる山・富士山の周りを新しい意識で巡り、祈りを積み上げていく巡礼たちの旅は、まだはじまったばかりなのだ。

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Friday, June 27, 2008

ニュージーランド政府のように、日本国政府は北海道の土地を「和解にむけた大きな一歩」としてアイヌに返還できるだろうか?

newsニュージーランド政府は、19世紀に入植した英国人らが奪った約17万ヘクタールの森林の所有権を、先住民マオリに返還することで合意し、議会で調印したという。シンガポールから杉井昭仁特派員が「NZ政府、先住民に土地返還 英国人の奪った森林」というタイトルの記事を書いている。過去20年間の借地料として2億2300万ニュージーランドドル(約180億円)も支払われるそうだ。同国の先住民への土地返還としては最大規模で、政府は「和解に向けた大きな一歩」としているという。

現地からの報道によると、返還されるのは北島中央部にある森林地帯で、大半はマツの植林などに使われている。英国領となった1840年以降、入植者に不当に安く買いたたかれたり取り上げられたりしたとして、1980年代から返還を求めるマオリと政府との交渉が続いていた。

マオリ側は森林の所有・管理会社を設立し、年1300万ニュージーランドドル(約11億円)の借地料を生活環境の向上などに充てる考えだ。

Source :  NZ政府、先住民に土地返還 英国人の奪った森林asahi.com(朝日新聞社)2008年6月26日1時32分

関連記事: 先住民に327億円の補償 NZ政府、過去最高

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あの「アマゾンの失われた部族」の秘密と真実

an undiscovered tribe in the rainforest

上空のヘリコプターに向かって弓を構える戦士たちの写真は、当ブログのみならずさまざまなメディアを通じてあなたの元に届けられたに違いない。テレビや大新聞やいくつものブログで、ロイター通信やサバイバル・インターナショナルによって「発見されたアマゾンの非接触民」というタイトルのもとその写真はニュースの世界を駆けめぐった。ぼくは見ていないけれど日本ではNHKも動画を流したらしいし、当ブログもブログの主旨から言ってスルーするわけにもいかず、「写真に撮影されたアマゾン熱帯雨林の未接触部族」として、ちょっとした興奮と共にその写真を数葉掲載した。

ニュースの根幹部分は、ある写真家がペルーとブラジルの国境付近のアマゾンの広大な熱帯雨林の上空をヘリコプターで飛んでいるときに、文明と接したことのない先住民の部族の戦士たちを見つけたというもの。映像と写真はその物証として写真家によって公開されたもののはずだった。

しかし、あのときの熱狂が通り過ぎた今、いくつかの事実が明らかになり、そのストーリーのすべてとはいえないまでも半分は「ほんとうではなかった」らしいということがわかってきた。写真に写しだされている戦士たちと女性は、今までに文明と一度も接したことがない部族の人たちではなかったのである。

写真を公開した61歳のカメラマンのホセ・カルロス・メイレルス(José Carlos Meirelles)が最近のインタヴューで、実は「ブラジル当局の人間はこの部族の存在を1910年以来確認している」とこたえている。もともとブラジルの先住民保護局のために働いており、アマゾンのインディアンの知識も豊富にあったカメラマンと彼のエージェンシーが、この映像の公開に踏み切ったのは、アマゾンのジャングルの開発を強引に推し進める製材業者などによって、今まで一度も文明と接したことがないグループも、また写真の彼らのような小さな部族も、危険にさらされかねないことを世界に訴えかけたかったからなのだと。

彼が今回ブラジルとペルーの国境近くのほとんど飛行機の飛ばないエリアを飛ぼうと考えた理由は、Google社の提供するGoogle Earthの画像を見せられて、一面の密林のまんなかにひとつぽつんとある広場のようなものがなにかと尋ねられたことがきっかけだった。彼はかつてそのエリアを探索した経験があったのだ。

彼はその非接触地域において部族が生き延びている証を写真に収めようと考えたのではない。むしろ動機はその反対で、その地域の部族がいささかも衰退せずにむしろ元気に繁栄しているさまを確認しようと考えた。何日間か上空を飛行して探したが結局発見できずに迎えた最終日に、彼はあのコミュニティーを発見する。

「彼らが全身を赤く塗っているのを見てわたしは正直うれしかった。身体をあのように真っ赤に絵の具で塗るのは、自分たちがいつでも戦えるぞという姿勢を示しているのです。ということは、彼らは元気に自分たちの領土を守る気力にあふれているということを意味します」

あの写真を非接触民として公開したことに後悔はしていないと、写真家のメルレイス氏はこたえた。文明と接触したことのない部族などほんとうはもう存在しない、それは環境保護者や人類学者の想像の産物だと主張する権力者たちも、あの映像を見ればきっと納得せざるをえないはずだから。そして彼は、あの連中が密林のどこで生活しているかその場所を教えるつもりはさらさらないといった。「われわれと接触したいかどうか、それを決めるのは彼らの方であり、わたしでも、ほかの誰でもないのです」

Source :  Secret of the 'lost' tribe that wasn't

関連記事: あのアマゾン熱帯雨林の未接触部族を保護する動き

参考記事: 法務、国防省が近く規制 アマゾーニアへの外国人アクセス(サンパウロ新聞)

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Thursday, June 19, 2008

昼間が1年でいちばん長くなる日になにが地球で起きているか

featherまもなく今年も夏至が訪れます。地球に生きる人たちにとって夏至はとても重要な瞬間で、陽に向かうエネルギーが極大になって陰に向かうエネルギーへと、そのときに転換するのです。暑い夏はこれからですが、黄道を旅する太陽はその瞬間から早くも冬へ向かって動きはじめます。このエネルギーの転換が無事に果たされることを願い、地球の上で生きている前の世界の知恵を伝える人たちは、こぞって特別な儀式を執りおこないます。

たとえば祈りと信仰に基づいた生き方で世界のバランスを保つことを使命とする北アリゾナのホピの人たちのところでは、夏至の日を前後する今日ぐらいから、ニーマン(ニマン)・カチーナという16日間続く儀式がはじまります。英語では「家に帰る(ゴーイング・ホーム)」と呼ばれている儀式です。

san_francisco_peaks

昨年の12月の冬至の時にサンフランシスコ・ピークス(上写真)という聖なる山からやってきてホピの人たちの村々に滞在して、一族の聖なる人や長老たちの話を聞いていた「カチーナ」というスピリットのメッセンジャーたちが、いろいろと聞かされた話の大事なことを偉大な存在に伝えるために本来の住居であるサンフランシスコ・ピークスの家に帰る日が来たのです。

Koshare AKoshare Bカチーナたちはいずれも人のようなかたちをしていて、それぞれが独特な性格や個性を持っています。尊敬をもって接していればカチーナはやさしく慈悲深い存在ですが、接し方を誤つとただおそろしいばかりでなく、世界の破滅まで引き起こしかねないと伝えられています。ホピの人たちが沙漠のなかの荒れ地にはじめて暮らしはじめたとき、一族のなかで神職に就く若者たちの集団に、聖なるダンスのやり方を教えたのがカチーナたちだったといいます。

ニーマン・カチーナという儀式は、1年の多くを儀式をして過ごすホピの人たちの儀式のなかでもおそらく最も厳粛で劇的なものです。半年の間村に留まってさまざまな儀式にあらわれたり、村人を笑わせたり喜ばせたり、時には叱ったりしてくれていたカチーナたちにしばしのさよならを告げて旅立つことになります。

mongwu16日続く儀式の最初の半分は、それぞれの村にあるキバと呼ばれる地下の神聖な空間でさまざまな宗教儀式がうやうやしく執りおこなわれます。カチーナたちもそれに加わります。それが終わると、カチーナたちが踊りを演じる日が来ます。夜明けとともに村の広場にカチーナたちが、豊作の証として今年畑でとれたばかりのまだ緑緑した最初のトウモロコシを茎ごと刈りとったものを、たくさん抱えて姿をあらわします。またさまざまな贈り物も持っています。贈り物のなかには子どもたちに教えを伝えるカチーナ人形もあります。1日そうやって踊りを踊り、日が沈む頃カチーナたちは祭壇の設けられたキバのなかに戻り、今度はキバのなかで、母なる地球の子宮とされる神聖な地下空間のなかで、カチーナたちはこのシーズン最後の踊りを踊ることになります。

imagenameカチーナたちの踊りがすべて終わると、カチーナたちの父とされるカチーナが別れの挨拶をし、この半年間に示されたさまざまな村人の良き行いに感謝して、これからも変わることなく力を尽くされるようにと祈りをあげ、そしてまず自分たちのみをトウモロコシの粉で清めると、つぎに同じトウモロコシの白い粉を撒いて村の地面のうえに西に向かう道を描きます。そしてそうやって描かれた道の上をカチーナたちはホピの人たちからの祈りや贈り物と共に去っていくことになります。

eagle_dancerカチーナたちはつぎの冬が来るまでサンフランシスコ・ピークスという聖なる山の中にある雲のなかの彼らの家でホピの人たちを見守って過ごすのです。ニーマンの儀式は、ホピの子どもたちにとってはちょっとしたクリスマスみたいなもので、カチーナたちは村を去るに際して子どもたちにさまざまな贈り物を手渡してくれる習わしになっています。


chief_and_lieutenantこのホピのカチーナにちかい信仰の名残は、世界各地に今も残されていると思う。聖なる山から神さまが下りてきて、村人と共に農作物を育てて、また山に帰っていくという世界観は、おそらく農耕定住の民にとっては、生活の一部であった。夏至の日は、聖なる山と精霊と人間の関係について思いを馳せるにふさわしい日です。

最近あなたは聖なる山を見たことがありますか? 触ったことは?

追記 ところで今日は満月。夏至の日に前後する満月は、昇ってくるときに幻想的に大きく見えるとされていますから、雨でなければ午後8時頃は東の空をご覧あれ。

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World Peace and Prayer Day 2008

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Wednesday, June 18, 2008

せかいへいわといのりの日をあなたはどこで誰と過ごす?


people_borderWorld Peace & Prayer Day 2008 Mt.Fuji

せかいへいわといのりの日
next http://www.wppd2004.org/2008_mtfuji.html
地球の上にある聖地に敬意を払う特別な日

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Monday, June 16, 2008

「母なる大地を守りたい〜立ち上がるアメリカ先住民」が再放送されます

以前当ブログでも紹介し、ぜひ見てほしいと書いたことがあるドキュメンタリー邦題『母なる大地を守りたい 〜立ち上がるアメリカ先住民』(全90分)が今週火曜日と水曜日の深夜に再放送される。まだ見ていない人は、深夜のことゆえ、録画するなどしてどうかご覧になってください。なおこのフィルムはワシントンDCにあるネイティブ・アメリカン博物館で昨年特別公開されています。

ダムと戦う東部大西洋沿岸森林地帯の「ペノブスコット(Penobscot Indian Nation)」、鉱石会社の採掘井戸を止める闘いに挑む大平原の続くモンタナ州の「ノーザン・シャイアン(Northern Cheyenne)」、原油の掘削に苦悩するアラスカの「グウィッチン(GWICH'IN)」、昨年ウラニウムの地下からの採掘を禁止したナバホ国のニューメキシコ側の「イースタン・ナバホ(EASTERN NAVAJO)」の、ネイティブ・アメリカンの4つの部族の人たちの環境を守る闘いの現実を知ることができますし、バックグラウンドに使われている音楽も素晴らしい。

<シリーズ 地球は訴える 〜大地〜>
母なる大地を守りたい 〜立ち上がるアメリカ先住民〜 前・後編(再)

HOMELAND : Four Portraits of Native Action

 BS1 6月17日 火曜深夜[水曜午前] 0:10〜0:55
 BS1 6月18日 水曜深夜[木曜午前] 0:10〜0:52

アメリカ先住民族の多くが国土の4%に満たない居留地で暮らしている。社会資本整備は遅れ貧困や差別にあえいでいる。居留地では、政府主導によるエネルギー資源の開発が進み、深刻な環境破壊や健康被害が起きている。番組は、自治体と話し合いを続ける4つの居留地からのレポートで構成される。「我々の土地を守ることは地球を守ること。環境破壊のツケはいずれあなた方に返る」と長老たちは語る。

またこのドキュメンタリーを製作したカターディン・プロダクションとその作品である「HOMELAND : Four Portraits of Native Action」の公式サイトが、今年になって変更されていたので、そちらへのリンクも新たに張り直したものも提供しておく。

本誌過去記事:

next グラミー賞の最優秀ネイティブ・アメリカン・ミュージック・アルバム

next この番組はぜひ見てほしいなぁ

next あの女性は誰なのか?

next 10月13日は母なる地球に丸1日の休息を与えよう

関連サイト:

next The Katahdin Foundation

reddot HOMELAND 公式ホームページ(英語)

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Friday, June 13, 2008

自分たちの誤ちを認めることからしか癒しははじまらない




National Chief Phil Fontaine - Response to Formal Apology

カナダの先住民組織「Assembly of First Nations」のフィル・フォンテーン(Phil Fontaine)氏が、同国首相による公式な謝罪を受けての返答メッセージ。カナダが謝罪するなどとは今まで考えたこともなかったと印象的に語っている。誤ちをまず認めることが、癒しへとむかう大きな一歩だということを告げている。

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子どもたちの消えた村を想像できるかい

First Nations Motherカナダ政府が自国のファースト・ネーションズ・ピープル(先住民)にその過去の同和政策について謝罪したという昨日のニュースを、あなたはどんな思いで読んだだろうか。先住民の同和政策(皆殺し政策)の代表的なものが「寄宿学校制度」といわれるものだ。

想像してほしい。あなたが4つになる子どもの親であると。ある日いきなり役人がやってきて、あなたの子どもを連れ去る。あなたはそれをただなすすべもなく見送るのみ。抗議もできないし、子どもを取り返すこともできない。なぜならそれが法律で決められたことだから。連れ去られた子どもとは、音信が完全に断たれてしまう。自分の子どもが今どこでなにをしているのかもわからない。手紙すら出せない。

想像してほしい。何百何千という子どもたちが消え去って静まりかえったたくさんの村や共同体を。子どもたちの遊ぶ声も、笑い声も、もうなにひとつ聞こえてこない。

想像してほしい。12年間がすぎて、いきなり親元に送り返されるところを。両親にも親戚にも、もはやあなたは12年前のあの子どもとは別人だ。あなたは両親と言葉を交わすことができない。親と子は別の言葉を話しているのだ。親子が共通の言葉を失ってしまったのだ。

もしあなたがそうしたことをリアルに想像できるのなら、アメリカやカナダの先住民の文化が被ったただならぬ被害を少しは共有できるかもしれない。自分たちを征服した外国の国家によって子どもたちが拉致され続けたのである。現代はそうしたボーディングスクールのサバイバー(生存者)たちが、断絶させられた文化をなんとか再生させようとしてい時なのだが、一度失われたものは取り返すことが困難だと言うこともはっきりしつつある。風の便りではアメリカ合衆国政府も、そうした同和政策にたいして謝罪を検討しているという話はあるが、おそらくブッシュの時にそれがおこなわれるかどうかわからない。

日本国も、1872年、アメリカのまねをしておなじことをアイヌにたいしておこなった。北海道開拓使の命令で、アイヌ27人(女子7名、男子20名)が教育を受けるためとして東京へ強制的に連行された。一説では35人だったとする意見もある。子どもたちは東京芝の増上寺境内に作られた開拓使仮学校付属北海道土人教育所と東京府下渋谷村(現東京都渋谷区)に設置していた開拓使第三官園に強制的に入れられた。その結果、一年たらずで行方不明になったり病気で命を失ったりで、2年後に帰郷できた者はわずか5人だったという。アイヌを先住民として認めると言うことは、国家が過去のそうした行いにたいしてまずは謝罪をすることではないだろうか。

写真はカナダの首相による昨日の謝罪のテレビ中継を見ながら嗚咽するカナダ先住民の母。彼女も4歳の時に700キロ離れた寄宿学校に入れられた。

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Thursday, June 12, 2008

カナダ政府がこれまでの先住民にたいする政策を公式に謝罪

news先住民の権利をめぐる議論が国際的に高まるなか、9ヶ月前に国連において先住民の権利宣言に反対した3つの国のひとつであるカナダ政府が、イヌイットなどのファースト・ネーションズ・ピープルに対する過去の同化政策について初めて公式な謝罪を行ったというニュースを、先ほどNHKが報じた。詳しくは以下のとおり。

カナダ政府は、先住民のイヌイットなどの子どもたちを教育するという名目で寄宿制の学校に子どもたちを隔離し、英語やフランス語による教育が強制されることによって、先住民の独自のことばや文化が否定されてきました。この同化政策は19世紀から始まり、一部で1990年代まで続いていたもので、およそ15万人の子どもが影響を受け、学校では虐待なども横行していたとされています。

これについてハーパー首相は11日、議会で先住民たちを前に演説し「わが国の悲しい歴史の一部だ」と認めたうえで、「これまで謝罪がなされていなかったことが、国民和解の妨げになってきた。政府と国民を代表して謝罪する」と述べ、初めて公式に謝罪しました。

カナダ政府は、こうした教育を受けて今も生存しているおよそ8万人を対象に1人当たり1万カナダドル以上、日本円で100万円以上の補償金を支払うことにしています。先住民の権利をめぐっては、国連総会で去年、先住民の人権保護をうたう初めての宣言が採択されたほか、ことし2月にはオーストラリアでかつての先住民・アボリジニの子どもの隔離政策について初めての公式な謝罪が行われるなど、国際的に議論が高まっています。

Source :  カナダ政府 先住民政策で謝罪

CNNは「カナダのハーパー首相は11日、先住民の子供を親から取り上げて寄宿学校に入れていた過去の同化政策の誤りを認め、政府を代表して先住民に公式謝罪した」と伝えている。

ハーパー首相は「先住民寄宿学校における子供の扱いは、わが国の歴史の悲しい一節だ。われわれはこの同化政策が誤りであり、多大な被害をもたらし、わが国であってはならないことだと認める」と謝罪した。

首都オタワには寄宿学校の元生徒や先住民団体の代表者が招かれ、謝罪に立ち会った。政府によると、元生徒は現在約8万人が存命している。

寄宿学校で子供たちが放任されたり虐待を受けたのは「先住民を子供のうちに殺す」ことが目的だったとも首相は認めた。

Source :  カナダ政府、同化政策の誤り認め先住民に公式謝罪

AFPはカナダのスティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相の言葉として「子どもたちを自分たちの家族や文化から切り離し、主要な文化に同化させるという方針は正しくなかったことをカナダ政府は認める。先住民の文化、遺産、言語を修復しがたく大きく損なったことを認める」と書いている。そして「子どもたちを同化させようとする試みは『カナダ史における悲しみの1章』だとも付け加えた」という。

1874年以来、国内に住むインディアンやイヌイットら15万人が、政府の同化政策の一環として、教会が運営する132の寄宿学校に強制的に入学させられた。

先住民らは、校長や教師に暴力を振るわれたと証言。家族や共同体から切り離された上に、自分たちが先住民であることを「恥ずかしい」と思わせるような教育内容だったと証言している。

カナダの先住民組織「Assembly of First Nations」のPhil Fontaine氏は、「政府はインディアン性を子どものうちから摘み取り、カナダからインディアンというものを一掃しようとしてきた」と話す。ある卒業生は「文化のジェノサイドだった」と断言した。

強制入学制度は先住民コミュニティの貧困や荒廃を招いたとの批判もある。

カナダの総人口3300万人のうち、130万人が先住民だ。インディアン全寮制学校は、当時米国にあったインディアン実業学校をモデルに各地に創設されたが、1970年代にはその大半が閉校。サスカチワン州(Saskatchewan)に残っていた最後の1校も1996年に閉校した。

Source :  カナダ首相、同化のための「寄宿学校強制入学」を先住民に謝罪

寄宿制の学校はアメリカ合衆国ではボーディング・スクールというが、カナダではレジデンシャル・スクールと呼ばれている。

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Wednesday, June 11, 2008

ホピについて学ぶことは平和について学ぶこと


hopiway

いよいよ期日が迫りました。
神戸で会いましょう

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なぜインディアンにはこんなにたくさんの部族があるのだろうと思っている人のためのお話 部族不明

maze

いくつもの月をさかのぼった昔のこと。あまりに遠い昔のことなので、それからどのくらいすぎたのかも誰にも思い出せないぐらい遠い遠い昔のこと。そのとき人間は動物たちと一緒にみな地底の暗闇のなかで暮らしていた。

動物たちのなかにはたいそう勇敢なものがいて、その代表がモグラだった。あるときモグラはわしら人間を後に残して地面のなかをぐいぐい這いながら土を押しのけ押しのけ、遠くへ遠くへ、上へ上へとどこまでも進んでいった。

やがて世界がうっすらと明るくなってきた。モグラは辿るべき穴を見つけたのだ。光は穴の先からもれてきているらしかった。光のくる方に向かって穴のなかをモグラはさらに上へ上へとよじ登った。そしてその穴の出口で、まばゆいばかりの光に包まれた。穴から外に出てみると世界は光にあふれていた。青々と木々が茂り、川には水が流れ、そして見あげると空があった! どちらを見ても美しいものばかりで、世界は光に満ちていた。

モグラは自分の見たものを人間に伝えようと、あの穴を伝ってもと来たところに大急ぎでとって返した。ようやく人間たちのいるところに戻ると、モグラは自分が見た驚くほどの光があふれる世界の話をして聞かせた。だがそのときにはすでに、一度にたくさんの光を見てしまったモグラの目は見えなくなっていた。あれからずっと今日に至るまでモグラは目が見えない。

モグラから話を聞かされて人間たちは興奮した。上の世界には光があるらしい! モグラの目がつぶれるぐらい美しいらしい! 人間たちはいたたまれなくなってわれ先に地上をめざしてモグラが開通させた穴を登りだした。

そう、人々はそれぞれが待ちきれなくなって他を押しのけるように狭い穴をのぼりはじめ、もはや誰にもそれを止めることはできず、インディアンはひとりまたひとりと穴のなかに姿を消した。

かくして人間はその穴を通ってこの世界に辿り着き、その美しいありさまをはじめて自分の目で確認することになった。後から後から、続々とインディアンが穴のなかから這いだしてきた。

だがそれからしばらくしておそろしいことが起こった。ひとりのとても太ったインディアンが、穴につかえてその穴から抜け出れなくなってしまったのだ。人間たちは声をかけあいながら、必死に下から押し上げたり、上から引っ張ったりしたのだが、よほどしっかりとはまっているらしく、押しても引いてもびくともせず、とてもらちがあかなかった。そのふとっちょのインディアンはそれぐらいしっかりと穴を塞いでしまっていた。

地底にいるものたちはそのまま暗闇のなかに取り残されることになった。幸運にもその太ったインディアンが穴を塞ぐ前に地上に登ることができたインディアンたちは、光あふれる世界のなかをどこまでもすすんでいった。

やがてひとびとは大きな川に前進をはばまれた。すると一羽の美しい鳥がその羽根を三度大きく羽ばたかせたかとおもうと、川の水が大きくふたつに分かれて大地があらわれた。その水の消えて乾いた大地を人々は歩いて川の向こう岸へ渡ることができた。

そのようにして無事に川を渡れたものはかなりの数にのぼった。だがしばらくしてその美しい鳥が空に舞いあがっていずこかへと姿を消すと、ふたつに分かれていた川にまた水が戻り、かなりの数の人たちがそのまま取り残されることになった。

それからいくつもの月が巡り、前進を続けたわれわれの進む道を、あるときとてつもなく大きく雄大な岩山がはばんだ。すると親切にも一匹の鹿が岩場を登る道案内をかってでてくれた。そうやってかなりの数の人たちが岩山をかわすことができたのだが、あるとき行きなり空のどこからか鷲たちの集団がやってきて、その道案内の鹿を追いやってしまうという事件が起きた。この結果わたしたちのなかからその山をかわすことのできなくなって取り残されるものたちも数多くあらわれた。

無事に山をかわしてなんとか峠を越えた人々は、ほっとするまもなく、今度はおそろしく深い森のなかにいる自分たちを発見することになった。うっそうと茂った大きな木がぎっしりとどこまでも続き、森のなかはどこからも光が入らずに暗く、われわれは互いの顔すら見ることができなかった。われわれはなんとか離ればなれにならないようにしていたのだが、しかしその望みはかなえられなかった。結果としてわれわれのなかの何人かが集団から脱落していった。

このようにしてわれわれは世界のあちこちに散らばってきた。今日この日にいたっても、われわれがみんな別々の場所に暮らしているのは、だからそのようなことがあったからなのだ。

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please FWD this to AINU people

カナダ国境、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、そしてカリブの島々で、伝統的な暮らしを守りつつ生き延びている数百の先住民の国々が、ONEとして世界中各地の先住民の国をひとつに束ねる先住民主権国宣言に署名することに合意しており、ようやく日本列島の先住民として世界の舞台に出ることになったアイヌの人たちにも、今回参加を求めるメールを送りとどけてきた。とりいそぎ原文のまま掲載しておく。アイヌの人たちが今後アイヌ・ネーションとして行動する可能性を持っているのなら、以下はその人たちへの招待状である。心あるアイヌの人たちの元に届くことを祈る。


To our friends in Japan,
please FWD this to AINU people
& others who may be interested

~PLEASE FORWARD THIS MESSAGE WORLDWIDE~

PRESS RELEASE FOR "THE ONE NATION"
< on: June 06, 2008, 09:47:58 PM >

SEE NEW WEBSITE http://www.onenationvision.com/

Hundreds of Indigenous Sovereign Nations who live and prosper in the traditional ways within the current borders of Canada, the United States, Australia, New Zealand, Fiji and the Caribbean have agreed to sign The Declaration of Sovereignty of The One Nation (being a Nation consisting of all Sovereign Indigenous Nations of the World), by which these Indigenous Sovereign Nations unite as ONE to re-assert their inherent sovereignty as ONE, inviting all other Indigenous Sovereign Nations from all around the world to join.

This "happening" was foretold in the Prophesies thousands of years ago. On April 20, 2008, The Algonquin Nation from Northern Quebec held a sacred ceremony, at which time the traditional Elders signed the Declaration, thereby giving birth to The One Nation. The signing was done by the Algonquin to "light the torch" to be passed along to other Indigenous Sovereign Nations. The Cree followed soon thereafter. The Mi'kmaq Nation is to follow up in June of 2008 with its own signing ceremony. Two (2) Choctaw Bands have also signed. Other Nations are welcome to hold their own ceremony in their own way in their own time to effectuate their own signing.

Otherwise, the next major gathering for the purpose of signing is currently scheduled to take place on July 8-9, 2008, at Greenbelt Park (campground) (301-344-3944) (174 campsites available), Maryland, 12 miles North of Washington, D.C., 2 days prior to the conclusion of The Longest Walk, when many Elders and Nations from around the world will be present. It is hoped that the Dalai Lama will also be present for this sacred event. The Australian and New Zealand Sovereign Indigenous Nations have now begin to effectuate their own signing across their sacred lands at their sacred "Dreamtime" sites. The torch will be passed across The Australian and New Zealand Continent at this time. This signing may take a couple of months to be accomplished, but it will be accomplished.

As most of you know, on September 13, 2007, the United Nations' General Assembly approved the much touted United Nations' Declaration on The Rights of Indigenous Peoples (the "UN Declaration"). Although this UN Declaration, importantly, recognizes the right of our Nations to seek self-determination,it does not, in and of itself, take the next step to advance the cause of
Indigenous Sovereign Nations around the world. The One Nation IS that next step, the necessary next step to lead us forward.

Again, those who know will understand that the traditional governing systems and the traditional cultures of these Indigenous Sovereign Nations were and continue to be decimated by laws enacted by their "host" countries,including Canada, the United States, Australia, New Zealand, Fiji, theCaribbean and numerous others, which laws, among other things, impose false(proxy) (foreign) governments and laws on our peoples, and force our Nations to bow before the colonizing courts to resolve inter-nation disputes with them. This Declaration of true Sovereignty has the blessing of the Creator,the one true Law.

The creation of The One Nation "immediately" frees the Indigenous Sovereign Nations to re-assert their sovereignty, an inherent sovereignty granted by the Creator to each human at birth, which was never surrendered and never could have been surrendered. It has taken the Indigenous Sovereign Nations over 200 years to regroup and arrive at this crucial point in history tore-commence performing their sacred duties to care for Mother Earth, all Hercreatures, great and small (and, hence, all humans too). It is no accident and no coincidence that the Creator has chosen this time to arrange for there-assertion of these ancient Nations. The air, the water, the land and all living things are in danger now as never before. The One Nation is born from all things positive, not from anger for past oppression and atrocitiesundeniably committed. These things are forgiven. When the colonizersarrived, as predicted in the Prophesies, our ancestors welcomed them and cared for them, as the Creator instructed, when they could not care for themselves. They were like children sitting at our feet in need of sustenance, which many of our ancestors gladly provided. The children grew up steadily over the course of several hundred years, only to rebel against their caregivers, reacting with greed and forgetfulness of all that was done for them and all that we tried to teach them, harming our Mother the Earth in the process. For this they must also be forgiven. The time has come,however, when these now young adults must realize and admit the error oftheir youthful and frivolous ways and turn once again to the wisdom and care of those who raised them. Unwittingly, they developed along the way the technological and linguistic means for all Indigenous Sovereign Nations to now join together with one good mind and one pure heart for the good of all humans. To keep in mind a message from Hereditary Chief Gary Metallic,Mi'Kmaq; "This Declaration must be signed by not only representing Chiefs but also by the elders, women, men, children who will validate the legitimacy of our new nationhood."

In conclusion, The One Nation extends an open invitation to all Indigenous Sovereign Nations to join on this historic and epic peaceful path into the future and also to convey this all-important message to all colonizing states: "The One Nation extends, once again, its open hand in friendship and in good faith as our gesture of our desire to continue to coexist for the benefit and respect of all living creatures and our one true Mother, the Earth herself."

Contact Information:

wigibiwajak@hotmail.com (Elder, Algonquin) gmetallic@hotmail.com (Hereditary Chief, Mi'kmaq) tonyplaw@optonline.net (Attorney, Mohawk) nazlabo1@bigpond.net.au (Ivan Mabbett, Maori Nation & Australia/New Zealand Nations)


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Tuesday, June 10, 2008

ハートとマインド

良き心(ハート)と良き頭(マインド)。指導者になる人間に必要なものはそのふたつだ。
ルイス・ファーマー オノンダガ一族 エルダー

ハートとマインドは似ていてまったく異なる。ハートは心とその働きのことで、マインドは頭とその働きのことだ。人間が辿らなくてはならない最長の旅は「マインドからハートへの旅」とぼくは教わったことがある。ハートとマインドがつながって連動して働くと、人知を越えたとてつもない力が発揮されるのだという。

ネイティブ・ピープルの世界観であるメディスンホイールは、世界はふたつあることを教えている。ふたつの世界とは目に見える世界と目には見えない世界のふたつだ。目に見える世界とは物質的な世界であり、目に見えない世界は精神的な世界のこと。そしてほんとうのリアリティを発見するためには、それら見えるものと見えないものの両方の世界が必要とされる。目に見える世界は男性原理の支配する世界で、男性にとっておおむね見ることはたやすい。反対に、目に見えない世界は女性原理の支配する世界で、こちらは女性にとって見ることがたやすい。もし指導者や、チーフといわれる人が、ハートとマインドの両方を能力を開花させていたとするなら、それはたいへんに喜ばしいことではないか。この世界を創られた存在にとっても、また人々にとっても、マインドからハートへの長い旅を終えてそのふたつを自在に組み合わせて使える人間は、たとえようもなく貴重だ。

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Monday, June 09, 2008

アメリカ政府はラコタの人たちに彼らの宇宙の中心を一部返還するらしい

Badland

第二次世界大戦の際に演習場としてアメリカ陸軍によってオグララ・スーの人たちから強制接収されて、戦後もそのままアメリカ合衆国のものとされ続けてきたサウスダコタ州のバッドランド国立公園だが、ここへきてその南半分を、アメリカ国立公園局(ナショナル・パーク・サービス)が返還を検討しているという。ロサンジェルス・タイムス紙のニコラス・リカルディ記者が書いている。

かつてこの土地の返還を求めてオグラララコタの若者たちが、一族の生存の基盤であり信仰(宇宙)の中心に位置するその聖なる土地を数ヶ月間占拠し続けた歴史もある。国立公園局は道路が舗装されて、国立公園のビジターセンターなどがある北半分については返還を考えていないという。

1930年以降、国立公園局は全米の23の土地をネイティブの人たちから取りあげて国立公園や歴史的記念場所にしているが、これまで返還されたものはひとつもない。アメリカの国立公園というシステムそのものがネイティブの人たちに土地の管理は出来ないとする環境差別のうえになり立っているものであることははっきりしているが、今回の返還に対してはアメリカ国内の有識者と称する人たちから「部族には用意がまだ出来ていない」などさまざまな意見が噴出している。

もちろんその土地は部族に返還した方が管理がずっとうまくいくと主張する人たちも多い。南ロッキーと大平原の自然を守る会の代表であるジョナサン・プロクターの言葉を引用しておく。

「オグララ・ラコタの人たちは、これまでも多くの州当局よりも上手に環境を管理してきている。尾長狐や黒足イタチなどの減少を食い止められたのもパイン・リッジの人たちのおかげだ。彼らの部族は、彼らがこれまでその土地の自然環境にたいして表してきた敬意に見合うだけのものを得ていない。もともとそこはわれわれの土地などではないのだ。バッドランドはオグララ・スーに属する。彼らのものである土地をああしろこうしろと、われわれには口をはさむ権利などない」

Source :  Oglala Sioux Could Regain Badlands National Parkland (LATimes, June 8 2008)

next Badlands National Park (U.S. National Park Service)

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Friday, June 06, 2008

あのアマゾン熱帯雨林の未接触部族を保護する動き

amazon_tribeアマゾンの熱帯雨林における製材業者らの違法伐採が先住民の生活を脅かしているとの警告は、これまでにも繰り返し出されてきたが、先ごろの未接触部族の写真公開とその影響が大きかったためか、ペルーの地方当局は、アマゾン熱帯雨林に住み外部との接触がない先住民を違法な伐採から保護することを決定したとAFPが伝えている。

ペルー・ブラジル国境付近に住む先住民の存在は、2007年9月、ペルーの国立天然資源研究所(National Institute of Natural Resources、Inrena)とフランクフルトを拠点とする科学者協会によって確認されていた。

ブラジルのアクレ(Acre)州に隣接するペルー・マドレデディオス(Madre de Dios)州政府の相談役を務めるMarco Tulio Valverde氏によれば、保護対象となる先住民は、ペルーのアルトプルース(Alto Purus)地域を流れるマヌー(Manu)川・タマワヌ(Tahuamanu)川周辺に住んでいる。

国営アンデス(Andina)通信の取材に対し同氏は「3つの異なる集団が存在するのか、あるいは居住地から追いやられた遊牧民族の1集団だけなのかまだ確認されていない。彼らは農耕はせず狩猟と漁猟だけで生活しているが、火の使い方は知っている」と話した。

地方当局はNGOと協力し、先住民の居住地への外部からの立ち入りを監視する枠組みと、違法伐採に歯止めをかける対策の準備を進めている。

Source : ペルー政府、ブラジル国境付近のアマゾンに住む先住民保護へ

関連写真と記事:写真に撮影されたアマゾン熱帯雨林の未接触部族 on Native Heart

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アイヌ民族を日本の先住民族と認めることを政府に求める国会決議(全文)

アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議(全文)

 昨年9月、国連において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が、我が国も賛成する中で採択された。これはアイヌ民族の長年の悲願を映したものであり、同時に、その趣旨を体して具体的な行動をとることが、国連人権条約監視機関から我が国に求められている。

 我が国が近代化する過程において、多数のアイヌの人々が、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を、私たちは厳粛に受け止めなければならない。

 全(すべ)ての先住民族が、名誉と尊厳を保持し、その文化と誇りを次世代に継承していくことは、国際社会の潮流であり、また、こうした国際的な価値観を共有することは、我が国が21世紀の国際社会をリードしていくためにも不可欠である。

 特に本年7月に環境サミットとも言われるG8サミットが、自然との共生を根幹とするアイヌ民族先住の地、北海道で開催されることは、誠に意義深い。

 政府は、これを機に次の施策を早急に講じるべきである。

 1 政府は、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を踏まえ、アイヌの人々を日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認めること。

 2 政府は、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されたことを機に、同宣言における関連条項を参照しつつ、高いレベルで有識者の意見を聞きながら、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組むこと。

 右決議する。

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アイヌ民族を日本の先住民族と認めることを政府に求める国会決議が、衆参両院の全会一致で採択された

news現在およそ70,000人いるとされるアイヌの人たちを日本の先住民族として認めることを政府に求める国会決議が、本日衆参両院のいずれの本会議でも全会一致で採択された。

決議では「わが国が近代化する過程で、多数のアイヌの人々が法的にはひとしく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされた歴史的事実を厳粛に受け止めなければならない」としている。そのうえで、また今回の決議では政府に対し、すみやかに「アイヌの人々を日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認める」こととし、今後は有識者の意見を聴きながら、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組むよう求めた。

つまりもはや公式にも「日本は単一民族ではない」と、つぎのサミットで日本国は世界にむかって宣言することになるわけ。

Source :  「アイヌの人々は先住民族」官房長官、決議受け表明

毎日新聞 2008年6月6日 北海道夕刊

アイヌの法的位置付けをめぐっては、1世紀近くにわたる差別の根源とされた「北海道旧土人保護法」に代わり、「アイヌ文化振興法」が97年に制定されたが、先住民族としての認定は避け、アイヌ語の普及や伝統的な歌や踊りの継承を目的とする内容にとどまった。そのためアイヌで作る北海道ウタリ協会は「先住性」を基に独自の文化や生活の保護・再生を進める総合的な施策の拡充を求めていた。

 同協会の加藤忠理事長は参院本会議を傍聴後、「本当に感動した。これまでのアイヌ民族に対する不正義に終止符を打ち、新たな視点でお互いを尊重する社会づくりの一歩にしてほしい」と語った。

Source :  アイヌ民族:「アイヌは先住民族」初の国会決議、採択 政府、認定に前向き

なお先住民族としての認定や具体的な権利確立は、今後政府が設置する「アイヌ有識者会議」(仮称)で議論されることになるわけだが、毎日新聞は本日の夕刊でこう書いている。

日高管内平取町の元町議、貝沢薫さん(71)は「国会決議が骨抜きにならないよう、政府の動きを注意深く見守りたい。今回のチャンスを逃したら、永久にアイヌの権利はなくなってしまう」と警戒する。萱野志朗さんも「このタイミングで決議されるのは北海道洞爺湖サミットがあるからだろう。『ジェスチャー』で終わったら困る」とクギを刺した。

Source :  アイヌ民族:国会決議採択 「苦難」歴史かみしめ 民族衣装で傍聴「大きな一歩」

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オハイオ州コロンバスでロング・ウォーカーズ(北回りルート)が警察から攻撃される

news6月2日の月曜日のこと、ロンゲストウォーク北回りルートの一行が祈りと共にコロンバス市内を歩いている途中、行きなり横付けにされた特捜の車両から降りてきた10人ほどのティーザー銃(スタンガン)で武装した警官たちに威嚇され、オハイオ州当局にウォークの許可が出されているかどうかの確認をとることもなく、有無を言わせず逮捕・連行されるという理不尽な事件が発生した。

2月11日にサンフランシスコのアルカトラツ島を発って以来4ヶ月がたつがこれまで一度もトラブルらしいトラブルはなかった。北回りのウォーカーズは7月11日に南回りの一行と合流してワシントンDCに入る予定だが。詳細は不明。

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