写真に撮影されたアマゾン熱帯雨林の未接触部族
ブラジルとペルーの国境近くのアマゾンの熱帯雨林のなかで「未だ文明と接触したことのない先住民の部族」が低空飛行する飛行機から写真に撮られたというニュースが飛び込んできた。すでにナショナルジオグラフィックやCNNでも公開されているが、ぼくはイギリスの新聞であるテレグラフ紙のサイトで確認した。以下の写真はブラジル国立インディアン財団(Brazil's National Indian Foundation)によって公開されたもの。
最後のシーンで全身を絵の具で赤と黒に塗ったネイティブの人たちのうち、赤く身体を塗ったふたりの戦士が、それぞれ上空にむかって矢をつがえた弓を構えているのが非常に印象的な写真だ。狙われているのはわれわれである。欲にまみれた文明社会と接触することなく、祖先伝来の前の世界の生き方を信じ、それを生きている人たちが、このように今われわれと同じ地球を共有して存在していることを知ることは驚きであると同時に、うれしくもあるが、こういう光景を目の当たりにすると「見ろよ、いまだに野蛮人がいる」と考える人もいるのだろう。「なにが野蛮か」「誰が野蛮人か」は、見る側の意識と知性の有り様によっているのだが。
部族をあげて警戒状態にあるこの一族の人たちが、今なにを思い、なにを感じているのか、しばし想像してみてください。
サバイバル・インターナショナルのディレクターであるステファン・コーリー氏の言葉を引用しておく。
「世界はこの現実を知る必要がある。そして彼らのテリトリーが国際法に基づいて保護されることを保証しなくてはならない。さもなければ、彼らはあっという間に絶滅させられてしまうだろう」
Source : Uncontacted Amazonian tribe photographed(Telegraph)
Source : "Uncontacted" Tribe Seen in Amazon(National Geographic News)
Source : Uncontacted tribe photographed near Brazil-Peru border(Survival International)
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Comments
この動画映像がテレビでも放映されたと聞きました。
僕はテレビを持たないので、どのような報道のされ方をしたのかはわからないですが、それを聞いてちょっと絶望的な気分になりました。
彼らが地球上から姿を消す日が見えてしまった気がして…
Posted by: がんちゃん | Thursday, June 05, 2008 02:25 AM
この写真を見て胸が痛みました。
この方たちは低空飛行で上空を飛ぶセスナに
向かって抵抗している感じですか?
それをあれこれ思われながら勝手に全世界で
見られているんですよね、私も含めて。。。
もし私が家の庭でくつろいでいる姿を勝手に
撮られて配信されたらどうだろう。。。
とか考える。
この方たちに人権とかプライバシーなど
そういうのは存在しないのか?
(そんなものがない世界に生きているから?)
そんなことを言っていられる場合でないほど
熱帯雨林の破壊はすさまじいものがあるの
でしょうが。。。
最近思うのは、右肩上がりを望む人間は
最先端技術と共に早く宇宙に移住したら
いいのだろう。
(最先端の技術は、美しく自然の豊かな
地球でなくても人が生きていける方法を
作り出していると思う)
円環で大地とともに生きることの出来る
人類だけが地球に残れるのだろう。
幼稚なコメントを長々失礼しました。
Posted by: cotori | Thursday, June 05, 2008 12:52 PM
Native Heart: あの「アマゾンの失われた部族」の秘密と真実
http://native.way-nifty.com/native_heart/2008/06/post_8fe5.html
Friday, June 27, 2008の続編も必ずお読みください。
Posted by: Kitayama Smiling Cloud Kohei | Wednesday, September 03, 2008 10:47 AM