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Monday, March 31, 2008

アメリカ・インディアンとチベット

Last Modified Tuesday, April 1, 2008

news過去50年間におよぶ中国政府のチベットの人たちにたいするやり方は、アメリカ合衆国政府がネイティブ・アメリカンの人たちにたいして20世紀の前半におこなってきたこととおそろしく似ているように思える。

たとえば中国政府は自国民を鼓舞してチベット人の土地に移住するように仕向けそこで商売をはじめさせてきたが、これはアメリカ政府が白人移住者をインディアン領に送り込む政策をとったことと重なっている。

中国の共産党政権は宗教を「過去の遺物」のように認識していて、現代を生きる人間にとってそんなものは必要ないというふうに考えているようだが、これもまたアメリカ政府が「インディアンの宗教とその実践」を「野蛮なもの」として信仰の自由を認めようとしなかったこととそっくりである。

しかしながら、デザートのなかのリザベーションであれ、ヒマラヤ高地であれ、そうした土地に——鉄道という文明の象徴を使って——訪れる征服者側からの観光客が興味を持つのは、そこに暮らす人たちの伝統的な文化なのだな。インディアン・リザベーションを訪れた好奇心旺盛な人たちが先住民の伝統文化を求めたように、経済発展で旅をする余裕のできた中国の人たちも、チベットの伝統文化に興味を露わにする。

アメリカ先住民の視点から言えば、1950年代から60年代にかけて、大量のアメリカ人ツーリストが大挙してインディアンリザベーションを訪れ、文化的遺産の大半がお金を代価にして持ち去られてしまったことを思い出させる。今チベットで起こっているのは、そうしたことと同時に、多方面から中国への同化への圧力が強まり、政策が実施され、子どもたちに中国語の学習が徹底されていることもまた、そして民族差別を巧みに使っているところもまた、アメリカ・インディアンの各部族の文化や言葉が辿った厳しい道を彷彿とさせる。

チベットの人たちも、アメリカ・インディアンと同様に、文化的宗教的な抑圧にたいして不満をつのらせてきている。中国政府は、「良いチベット人はみな中国人の一部となった」ことを世界に知らしめるために今年のオリンピックを政治的プロパガンダに利用しようとしていることは、ハリウッド映画をプロパガンダに使って「良いインディアンはアメリカ人の一部になったこと」を世界にしろしめたことと重なる。中国もアメリカも自国の内部で起こっている先住民の蜂起を「国内問題」として世界に知らせないためにメディアを強力に操っていることもまた同じである。

忘れてはならないのは、先住民の問題を内側に抱え込んでいるという点からすれば、今回のチベット問題にシカトをきめこんでいる日本とても例外ではないということだろう。

追記 さらにチベットとアメリカ・インディアンに共通しているのは、地下に膨大な鉱物資源が埋蔵されていることが、支配国政府によって発見されてしまったところにもある。たとえばナバホやラコタの人たちの国には石炭やウラニウムが眠っていることがアメリカ政府によって発見されているし、中国政府は21世紀になってチベットの大地に銅、亜鉛・鉛、鉄鉱石の鉱床を発見し、それを独り占めして運搬するための手段として青蔵鉄道を建設した。

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Comments

本件に関して、私も同じ意見を持っています。侵略という言葉が正しい使い方かどうか判りませんが、かつて日本がアイヌ民族にしてきた事も同じ気がします。
グローバル化とか言う言葉がもてはやされている今日ですが、宗教と民族の問題を解決する方法が今の所見つからない事に関する解決策?、地球人の融合は果たしえないのでしょうか? ある意味、グローバル化は、弱肉強食の論理を展開するしかないのでしょうか?

Teri

Posted by: Teruhide Sugisawa | Monday, March 31, 2008 at 06:08 PM

チベットのニュースを聞いていると民族浄化という
言葉が耳に入ってきます。
ぼくはこの言葉を聴くと悪寒が走ります。
ナチスがユダヤ人に行ったこともやはり似ている気がします。
中国はチベットの人々がもつ深い精神性やスピリットや自然を信仰する力がきっと怖いのですね。
それぞれの国の人たちがその土地の伝統や特性やオリジナリティーをキープしながら国境が柔軟になって認め合っていく世界が早く来てくれるよう祈ります。

Posted by: torufujita | Tuesday, April 01, 2008 at 12:40 AM

中国政府のチベット族やウイグル族への弾圧のニュースを見ると心が痛みます。いつになったら彼らは中国から自由になり、平和な生活を送れるのでしょうか。世界では多数派の集団が少数派を弾圧したり、意見の異なる集団がお互いに対立することが、当たり前のように起きています。いつの日か、人はそれぞれ違うことを認め合うこと、多様性を大事にすることがいいことであるということが世界の常識になることを願ってやみません。

Posted by: まこと | Thursday, April 03, 2008 at 03:50 PM

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