部族、あるいは国ごとに異なる2月の月の呼び名 (Revised)
「夜の太陽」と認識されている月——祖母である月(グランドマザー・ムーン)——の満ち欠け(ムーン・カウント)と、冬の到来のサイクル(ウインター・カウント)で、一年の長さを計ってきた亀の島(北米大陸)のネイティブ・ピープルの各部族やそれぞれの国が、これから大きくなっていく今月の月(Moon)のことをなんと呼んでいる習慣があるか、調べてみました。ネイティブの暦は月がほぼ28日のサイクルにしたがっていることから、それがひと月となり、これがために多くの部族では1年が13月あります。この場合、冬至の日から新年になる場合が多いのですが、これもきまっているわけではなく、部族によっては一年のはじまりが春だったり、夏の終わりだったりすることもあるし、二回の満月でひとつの月とする部族もあります。また戸外で活動のできない冬の月には名前がなくて、夏の間しか月の名前を持たない人たちもいます。天空の星たちを見つめることが生活の基本にあった人たちは、チェロキーのように、その日を知るために、金星の動きによる暦、太陽の動きによる暦、月の動きによる暦の3つのカレンダーを複雑にあわせて使ったりもしました。今月の月をそれぞれの部族や国は、自分たちの慣行や生活地域の地理的な特色にあわせて、変幻自在に以下のように名づけています。(現代生活を送っている人たちは1年が12月の暦を使っているのが普通で、13の月では混乱してしまうかもしれませんが、暦ではなくて毎日夜空を見あげて月を見ていると、時々ひとつきに2回満月が訪れることに気がつくはずです)
今日は三日月。これから21日の満月を経てつぎの新月(3月7日)までのあいだは北半球では「深い雪の月」から「強い風の月」に移ろい、ゆっくりと真冬から春に入っていきます。強い風が吹き、鷲が空を支配する季節です。
Tribe Moon names
アパッチ 蟻の飛ぶ月(3月まで)
アベナキ 木々の枝が砕けて落ちる月
アルゴンキン 川の氷が消える月、腹のへる月
アニシナベ(チペワ) サッカー魚(淡水魚)の月、雪の固まる月
アシニボイン 長く乾燥する月
アラパホ(北部) 陽の光のなかで霜のはじける月
イヌイット Avunnivik
ウィシラム 火の周りで肩寄せあう月、肩の月
ウィネバゴ 魚の泳ぎ回る月
オト アライグマにさかりのつく月
オマハ カモが家に帰ってくる月
カイオワ つぼみの月
カラプヤ 食べるものがない月
クテナイ 黒い熊の月
クメヤーイ Halanitca
クラマス 人差し指の月(8月新年。指で数える)、雨と踊りの月
クリー 年老いた月
クリー(13月) 真冬月、イーグル月
クリーク 風の月(8月新年)、大きな冬の月
クリンギット 黒熊月
ケレサン y'amuuni daawaatra
コマンチ(東部) みぞれ月
サン・ファン コヨーテが恐れる月
シャイアン 大きな輪と棒の遊び月、強く冷え込む月(4月まで)
ショーニー カラスの月
ショショーニ(中部) コヨーテ月
ショショーニ(西部) 2番目月
ズニ 道から雪の消える月
タオス 冬の月
チェロキー やせ細る月、骨の月(食べるものが骨のスープになる)
チェロキー(東部) 骨の月(1年13月)
ディネ(ナバホ) イーグルの雛がかえる月
テワ(プエブロ) スギの花粉を飛ばす風の月、コヨーテが恐れる月
ナチェス 栗の月
ニセナン 大きな月
ネスパース つぼみの時
北大平原諸部族 さらに大きな嵐の月、イーグルの月、予測できない月
ロッキー山脈周辺の部族は「大きなチヌークの月」
ハイダ 長老の月
ハイディ(アラスカ) 雁の月
パッサマクォディ トウヒの先が落ちる月
ピマ 灰色月、木々が裸になり緑わずかになる月
ポタワトミ ウサギたちが身ごもる月
ホピ 浄化と再生の月(ポワムヤ)
ポモ 冷たい風の月
ポンカ 雪が溶け出す月(1月と同じ)
マイドゥ(平地) 雨がぱらつく月
マイドゥ(山間地) 山道が通れるようになる月
モホーク 遅れる月
モスコーギー 風の月
ユマ コットンウッドの木につぼみがでる月
ユーチ 風の月
ラグナ ヤムニ月(ヤムニは根を食べる植物)
ラコタ アライグマの月、赤黒い仔牛たちの月
寒さで凍てついた木々がひび割れる月
アイヌ チュイ・ルプ・チュプ /激流も滝も凍結する月
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Comments
ディネの暦の訂正です。「鷹」を「鷲」に。二月から四月まで。失礼いたしました。
Posted by: 里利 | Thursday, February 02, 2006 01:56 AM
ありがとう。訂正しました。
Posted by: Kitayama "Smiling Cloud" Kohei | Thursday, February 02, 2006 07:29 AM