顔に黥面(入れ墨)するという伝統を復活させた台湾島先住民の女性
台湾島東部の先住民アタヤル族のひとりの女性が、このほど昔の伝統にのっとって顔に手のこんだ入れ墨をいれたことで、百年ぶりの伝統復活と話題になっている。1月22日のタイペイ・タイムズ紙が報じたもので、その前の州の週末に33歳になるシャユン・フォウドゥさんが顔に大きくV字型の細かい入れ墨を彫り込んだ。
アタヤルの人たちの伝統的な風習のいっさいが禁止されたのは95年前の日本帝国の植民地時代。現在の台湾政府は入れ墨を法律で禁じてはいない。台湾のネイティブ・ピープルの顔の彫りものの歴史は1400年近くさかのぼり、アヤタル以外にもいくつかの部族がこれをおこなう風習を持っていた。日本列島の先住民にも黥面(顔の入れ墨)や文身(体の入れ墨)をいれる風習を持つ人たちがいたことが古い歴史書に出てくる。
「顔の刺青はアヤタル一族には古い文化伝統です。顔に彫りものをしたことはわたしにはたいへんに自慢です」とフォウドゥさん。彼女はさらに、アヤタルの女性が顔に文身をいれるのは、普通は初潮の直後で、彼女と結婚を希望する男性も永遠の絆の誓いとして顔に文身をいれるものだったという。フォウドゥさんはすでに同じアヤタルの旦那さんと結婚していて、旦那さんの顔にも黥面が入っている。ふたりは、なにかアヤタルの伝統を伝えるものを一緒に守りたかったと語った。
文身の彫り師は、昔ながらの、針と傷口に灰をかける苦痛を伴うやり方とはいかず、傷みの少ない現代的な入れ墨の技法で彼女の顔に顔料をおよそ2時間ほどをかけて彫り込んだという。
Source : Atayal woman revives full facial tattooing tradition
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