現代の日本人は全国平均で縄文系3、渡来系7の割合で双方の遺伝子を併せもつですと
日本列島の住民のなりたちは、在来の縄文人(南モンゴロイド)と、弥生以降の渡来系の人びと(北モンゴロイド)の双方を視野に入れてとらえなければならない。現在のアイヌ民族、琉球民族は、南モンゴロイドに属する先住民族であるが、大多数を占める「日本民族」は、弥生以降に大挙して朝鮮半島から渡来するようになった北モンゴロイドと在来の南モンゴロイドが混合して形成された集団である。あるシミュレーションによると、現代の日本人は全国平均で縄文系3、渡来系7の割合で双方の遺伝子を併せもっており、西日本ではさらに渡来系の比率が高いといわれる。「新撰姓氏録」(815年)によると、畿内の1182の氏のうち渡来系と分類されている氏が326におよぶ。7世紀後半に成立する「日本」なるものは、そうした弥生文化とその系譜のうえに創出されたのである。この点をあいまいにしたまま、縄文文化と「日本」を無媒介に連続させ、「日本人」や「日本文化」の起源をむやみにさかのぼらせるのは適切なこととは思えない。
(康成銀、朝鮮大学校教授) [朝鮮新報 2007.11.9]
Source : 朝鮮史から民族を考える 3 朝鮮民族の形成発展(上)
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