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Monday, November 26, 2007

お金では買えないものがあるということを信じて生きる

人間の歴史を通観しても、物質的なもの、ことさらにお金で買えるもののことだけが人びとの口の端にのる時代は珍しいのではないかとぼくは思う。ぼくたちはお金がパワーであると信じている。役人や政治家といわれる人にはその傾向が顕著である。お金をいっぱい持つと、人びとに尊敬され、お金をいっぱい持つと、人びとにうらやましがられる。今時の子どもたちはまず例外なくそう考えている。

「お金の全くない世界」の片鱗を垣間見、「正しいことをやっていれば必要なだけのお金は必ずやってくる」という宇宙の法則を信じて以来、ぼくは必要以外のお金をほしがることは避けるようにしてきたのだが、コズミック・プロフィットを頼りに生きることはこれで案配むずかしくて、絶対に必要以上にはきてくれないから困りものである。そして入ってきたお金はすべて足早に出て行く。お金とは不思議なもので、持っているとなんでもほしいものが買えるような気にされてしまう。

実際、物質によって支配されている世界では、お金があれば際限なくほしいものが買えてしまうのだろう。ところが目に見えないものの世界においては、事情は異なる。そこではほしいものがなにひとつ買えるわけではない。お金がまるっきり役に立たなくなる。目に見えない世界においては、なにひとつ値札のついているものが存在しないのだ。その世界のなかにあるものは、どれも与えられてはじめて自分のものにできるものばかりである。愛情にしろ、思いやりにしろ、尊敬にしろ、崇敬にしろ、信頼にしろ、献身にしろ、こうしたものは「与えられる」か、あるいは「無条件に差し出す」かのいずれかしかやりとりができない。他の道はそこにはない。目に見えない世界からやって来るそうしたものを使うとき、ぼくたちはほんもののパワーを使っている。

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Comments

「Priceless」のコマーシャルなんて、ひどいなあと思う反面「うまい!」とか思ったりして、いつも引き裂かれるような気持ちです(苦笑)。お金も必要だしお金では買えないものも必要、ということでしょうか。

バリ島では、人々はお金では買えないものが支配する世界に出入りするために必要なお金を集めるために路上に繰り出します。僕も、北山さんの話を聞いたり富士山に登ったりフラを習ったりするためにお金が支配する世界に飛び込みます。

むずかしいですね。

Posted by: がんちゃん | Monday, November 26, 2007 05:13 PM

がんちゃん、どうも

お金の問題からぼくらは逃げることが出来ない。目に見えるものも、目に見えないものも、物々交換が可能ならそれもいいなと思うこともある。講演をして謝礼をもらうときにも、そのことをいつも考える。それでいてたまっていく通信費や交通費や生活にかかる費用のことが頭からなかなか振り払えない。金が仇の世の中とはよく言ったものです。でもそれでも「お金のない世界の存在」だけは、ぼくは信じる。それを忘れてしまわないように、この文章は自分に言い聞かせているみたいなものです。

Posted by: Kitayama Smiling Cloud Kohei | Monday, November 26, 2007 05:37 PM

いつも素敵なお話ありがとうございます。
以前から尊敬していたネイティブの方の考え方や価値観をより詳しく知ることが出来て嬉しく、時には切なく読ませて頂いています。

お金で買えないもの…あると思います。

制限なく使えるお金があって、欲しいもの全てを手に入れても、埋まらない、埋められない空間が人の心にはあると思いますから…。

お金では買えない大切なものはあると、私も信じています。

Posted by: K☆ | Monday, November 26, 2007 10:13 PM

どうも。

僕は「お金で買えない世界の存在」を前提として当然の事として生きているので、念のために書き添えておきます。でも時々やっぱり辛くなるので北山さんの文章を読んだりこうしてコメントを入れたりしています。いつも助かっております。

Posted by: がんちゃん | Tuesday, November 27, 2007 12:13 AM

はじめまして。北山さんの書かれた本を読んで興味を持って、こちらを拝見させていただいています。

お金と富というのは、違いますね。
わたしたちは宇宙から今この瞬間も、あふれるほどの富の贈与を受け取っています。

私はすこし前まで、幼いころに夢見た「お金の介在しない世界」を忘れてしまって、お金持ちたちのつくったシステムに巻き込まれていました。いまやっと、自分自身の見る夢を見始めて(生き始めて)いるところです。
この地球を自分たちの無知のせいで飲み干してしまう前に、もう一度チャンスが与えられることを祈っています。

Posted by: 那須野晴明 | Tuesday, November 27, 2007 09:40 AM

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