30年ぶりのザ・ロンゲスト・ウォーク
1978年にサンフランシスコからワシントンDCまでアメリカの国を歩いて横断するというネイティブ・アメリカンの人たちを中心とした自発的示威行動がおこなわれた。カリフォルニア、ネバダ、ユタ、コロラド、カンサス、ミズーリ、イリノイ、アイダホ、オハイオ、ペンシルバニアとほぼアメリカ大陸のまん中を横断し、ロンゲスト・ウォークと呼ばれたこのアメリカ大陸をひたすら歩く、地球浄化の祈りとしての歩きを母なる地球に捧げるこの歴史的なイベントから、後にセイクリッド・ランという毎年の行動が派生した。その結果、世界各地で地球とその環境のために長い距離を自発的に走ったり歩いたりするひとがあらわれたし、ネイティブ・アメリカンにたいする人びとの認識もこのロンゲスト・ウォークをきっかけにして大きく改められた。ぼくの友人たちのなかにはこのロンゲスト・ウォークを契機にネイティブ・アメリカンの人たちと親交を持つようになった人たちがかなりいる。
セイクリッド・ランはおよそこれまでに1000人の参加者をえて、地球の上を40000キロ以上も巡り、アメリカ合衆国、日本、オーストラリア、カナダ、アイルランド、スウェーデン、スコットランド、ノルウェイ、ベルギー、ポーランド、フィンランド、エストニア、ラトビア、ロシアといった国々を通り過ぎてきた。そして来年2008年は、このロンゲスト・ウォークが30年目の区切りを迎える年であり、今度は前回とは異なるルートで、そして「母なる地球の清掃 Clean Up Mother Earth 」を使命とし、「いのちはすべて神聖なり ALL LIFE IS SACRED 」というメッセージを掲げて、再びロンゲスト・ウォークをおこなうと、インディアン運動(AIM)をリードしてきた活動家のデニス・バンクスが発表し、行動のための物質的・精神的・経済的なあなたの支援と、ウォークへの参加を求めている。
上の地図の緑色の先が前回のコースで、赤色が来年のコースである。来年のコースには、ナバホやホピの土地も当然ふくまれる。2008年2月11日にサンフランシスコを発ち、前回辿らなかったアリゾナ、ニューメキシコ、テキサス、オクラホマ、ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、テネシー、ヴァージニア、そしてワシントンDCと南回りで、ハリケーンによって大きな被害を受けたセントルイス周辺のネイティブのコミュニティーを力づけ、アメリカ合衆国を横断する祈りとしての、のべ4400マイル、7000キロを有に越す前回に輪をかけての長い歩きである。予定では5ヶ月後の6月11日に目的地ワシントンDCに入る。支援や参加の申込は、ザ・ロンゲスト・ウォーク2のウェブサイトで。
「Native News Update」カテゴリの記事
- ホピの国にこの50年ではじめて建てられたホテルの外観と内装をご覧ください(2009.11.30)
- ローラ・インガルス・ワイルダーが「大草原の小さな家」の初版のある部分を十数年後に書き直していた背景になにがあったか、あるいは野蛮人は人間ではないという無意識に焼き込まれた保守思想(2009.11.03)
- 古代のアボリジニのなかにはウサイン・ボルト選手よりも早く走れた人がいたかもしれない(2009.10.22)
- ネイティブ・アメリカン部族国家会議がホワイトハウスで開催される(2009.10.20)
- 今年ホピのスネーク・ダンスの儀式に非アメリカ・インディアンの見学者の立ち入りが禁止された(2009.10.16)
The comments to this entry are closed.
Comments