ノーマン・メイラーが残したものを思いながら
ノーマン・メイラーが急性腎不全で亡くなった。彼はレポーティングのスタイルにおいてぼくが影響を受けた作家のひとりだ。いわゆる「ニュージャーナリズム」とされるもの(目に見えるものも感じるものも報告する書く技術)の枠組みを作りあげるのに貢献した作家のひとりで、ぼくは彼の書いた小説より70年代以降の戦争中毒のアメリカを描いた「なぜぼくらはヴェトナムへ行くのか?」とか、アポロの月着陸について報告した「月にともる火」、世界ヘビー級チャンピオン、ジョージ・フォアマンとモハメッド・アリとのタイトルマッチを報告した「ザ・ファイト」、911がアメリカ国民にもたらした「狂気」についての考察である「なぜわれわれは戦争をしているのか」といったルポルタージュというか、時代のレポーティングに魅力を感じていた。時代に流されることなく、クールに自分の立つ場所を持ち続けた希有なニューヨーカーだった。享年84歳。
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