ノーマン・メイラーが残したものを思いながら
ノーマン・メイラーが急性腎不全で亡くなった。彼はレポーティングのスタイルにおいてぼくが影響を受けた作家のひとりだ。いわゆる「ニュージャーナリズム」とされるもの(目に見えるものも感じるものも報告する書く技術)の枠組みを作りあげるのに貢献した作家のひとりで、ぼくは彼の書いた小説より70年代以降の戦争中毒のアメリカを描いた「なぜぼくらはヴェトナムへ行くのか?」とか、アポロの月着陸について報告した「月にともる火」、世界ヘビー級チャンピオン、ジョージ・フォアマンとモハメッド・アリとのタイトルマッチを報告した「ザ・ファイト」、911がアメリカ国民にもたらした「狂気」についての考察である「なぜわれわれは戦争をしているのか」といったルポルタージュというか、時代のレポーティングに魅力を感じていた。時代に流されることなく、クールに自分の立つ場所を持ち続けた希有なニューヨーカーだった。享年84歳。
「Whole Life Tools」カテゴリの記事
- 自分が誰かを勉強したくなったら(2010.12.14)
- 「アメリカ・インディアンに髭は生えるのですか?」(2009.08.16)
- 同志たちよ、あの偉大なるカタログがウェブサイトですべて公開されましたよ(2009.01.12)
- 汝口にするもののことを知れ(2008.12.31)
- サステイナブル・ハピネス——持続可能な幸福を得るための10の方法(2008.11.23)
The comments to this entry are closed.
Comments