ハチドリに生まれかわった若き戦士の話 アパッチ
ウインド・ダンサー、「風の踊り手」という名の、ひとりの若き戦士のことを、今に語り継ぐ、アパッチ一族の伝説について、お話ししよう。
ウインド・ダンサーは生まれたときから耳が聞こえなかった。しかし彼には言葉にならない魔法の歌をうたえるという才能が与えられていた。彼がその魔法の歌をうたうと、病が癒され、晴れの天気がもたらされた。
ウインド・ダンサーは、「輝く雨」、ブライト・レインという名前の女性と結ばれた。ブライト・レインは若くて麗しい女性だった。彼女が一匹の狼に襲われそうになったとき、彼女のいのちを救ったのが風の踊り手、ウインド・ダンサーだったというのがなれそめだ。
ウインド・ダンサーはそうやって多くの人を救い出したが、しかしあるとき自ら身を賭し危険にあるいのちを救おうとして彼は殺されてしまった。一族の誰もが彼の死によってひどく寒い、死ぬほどの冷える冬の到来を予感した。そして実際刺すような寒さが到来しかけた。
ところがある日不思議なことに、いきなりその寒さが終わってしまったのだ。それはブライト・レインがたったひとりで、ぶらりといずこかへと散歩に出かけた直後の出来事だった。
一族の長老たちはウインド・ダンサーが彼女のもとへ、いちわのハチドリとなって帰ってきたことを知ることになった。そのハチドリは、彼が儀式の際に身につけるのと同じ衣装をまとい、同じ戦の化粧をほどこしていた。
春の花たちが咲きほこる草原で、いちわのハチドリとなったウインド・ダンサーはブライト・レインに近づき、彼女の耳元であの魔法の歌をささやきかけた。そしてその魔法の歌が、彼女に平和と喜びをもたらしたのだった。
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Comments
素敵なお話ですね。
春になってハチドリを見たらまた思い出しそうです。
Posted by: hanna | Friday, November 16, 2007 at 08:41 PM