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Saturday, October 13, 2007

国連の先住民宣言に日本が賛成した裏の理由

newsアイヌが日本の先住民であると結論は下せないと、日本国の新しい首相が今国会で答弁したことを知っていますか?

福田首相:アイヌ「先住民か結論下せぬ」--国連宣言受け答弁 /北海道

国連総会で「先住民の権利に関する宣言」が採択されたことについて、福田康夫首相は3日の衆議院本会議で「アイヌの人々が同宣言に言う先住民族であるかについては結論を下せる状況ではない」と述べ、9月に町村信孝外相(当時)が示した政府見解を踏襲した。

民主党の鳩山由紀夫幹事長の代表質問に答えた。鳩山氏は「北海道洞爺湖サミットが開かれるのに、国連が先住民と認めたアイヌを政府が認めていないことを諸外国にどう説明するのか」とただした。福田首相は「同宣言には先住民を定義づける記述はない」と理由を語った。

道ウタリ協会はアイヌ文化振興法の改正などを求めていく方針だが、福田首相は「アイヌの人々が固有の文化を発展させてきた民族とは認識しており、文化振興などの施策を引き続き推進する」と具体的な言及を避けた。【大谷津統一】

Source: 毎日新聞 2007年10月4日

ここで触れられている9月の政府見解とは、国連が「先住民族宣言」を採択したことで、町村信孝外相(当時)が9月14日の会見で「日本はアイヌが先住民族と結論を出していない。(政府として)結論を出せる状況にない」と発言したことを指す。

つまり先住民族宣言には日本も賛成票を投じるには投じたが、「あくまでも」と外務大臣は説明した。「集団的権利とか財産権について日本の解釈を説明したうえで賛成した」と。日本国は条件付きで賛成したのだと言っているわけね。

わかりやすく言えば、政府はアイヌを先住民だとはまだ認めていないのだから、先住民族宣言でもなんでも認めますよ、というスタンスだったのね。まるで「アイヌが先住民だったらそんなものに賛成はできない」といっている見たいなもの。ここまで日本国政府がアイヌを先住民族と認めない理由について「国際的な先住民の定義が決まっていないこと」や、「国内でも多数の関係省庁から意見が出されている最中であること」を挙げていた。つまり、賛成の反対だったってことじゃないか。どこまで、そしていつまで、日本国政府はこんなことを言い続けるつもりなのだろうか?

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Comments

ほんとうに、いつまで日本の政府はこんなことを
言っているのでしょうか?
このニュース横目で眺めていた新聞からだと、
日本政府も「賛成」?いいニュースなのか?
それにしては何かありそうだな?とも
思っていましたが、やっぱりそうだったんですね。
このブログでやっと理解できました。

もう20年も前のことですが・・
私は高校生の時、ほんとうに何にも知らず、
偶然、二風谷のある平取町という小さな町に
夏休みの体験学習で飛び込みました。
はじめにステイした先は二風谷からは、
バス停2つぐらいしか離れていない
競走馬の牧場でした。
そこで働く人たちが普通に、日常的に
アイヌを酷く嫌っている様子を
目の当たりにしました。それでもその意味が
よくわからず、黙って聞いていました。

北海道の広いけど小さな町とはいえ、バス停の2つ先
にはまだ萱野茂氏が、アイヌ語教室や資料館など、
まだダムもなかった二風谷があるというのに!です。
今思えば牧場で働いたことより、そのことが何よりの
体験学習ではなかったかと思います。

体験学習を終えてから、たずねた二風谷で
すこしづつ、いろんなことが見えてきました。

あれから20年近く経っているというのに、
当時の中曽根発言が頭を過ぎりますが・・
実際は、そんなに変わっていないのかも
知れないのですね。文化の推進??これは、
まったく必要もない、アイヌが神聖な場所として
代々大事にしてきた鮭のいる川を破壊して作った
何の必要性もないダムや観光施設のことでしょうか?!

若い人たちの意識はずいぶん変わって来ているのかも
知れませんが、残念ながら二風谷でも、アイヌ文化の
お祭りや儀式を名乗るレイブ・パーティーのような
イベントも山の奥の方で行われるようになっていて
困っているというお話も二風谷の方から
お聞きしました。このイベントに集まる人たちは、
インディアン文化を好きな(北山さんを憂鬱にする)
最近の若い人たちの傾向にとても
似ている気がします。

若い人、次世代が、理解しているのかと思えば、
おかしな方向へ行っているようでもあるし
この現象は、なんだか、日本の政府の態度が
実はそのまま映し出されているような気もします。
私も見失わないように、ちゃんと目と耳を傾けて
いなくちゃいけないなと、自分に言い聞かせています。
長いコメントになってしまいました。

いつも大事なニュースをありがとうございます。


Posted by: Y.Sボケ子 | Sunday, October 14, 2007 06:15 PM

例えば選択的夫婦別姓制度ですら、たかだか150年程度の「伝統」の前に行く手を阻まれて導入出来ないのが現在の日本国なわけです。前の首相が辞職した時、彼を輩出した派閥のかつての長であった森喜朗氏が雑誌のインタビューに「(安倍内閣の面々は)アタマが良い能吏揃いだが徳が無かった」と指摘していました。彼らの前の世代である亀井静香氏が二風谷訴訟の国側敗訴の時に、アイヌ側の意見を聞き入れて国の控訴を止めさせたようなことが「徳」なのだと思いますが、松下政経塾出身者や二世、三世によって構成される最近の若手国会議員たちには、たしかにそのような人徳を感じられません。

ですから、逆に言えばこの極度に右傾化した社会でこのような宣言に賛成票を投じたことをまず喜ぶべきなのかもしれないと思います。反対した面々は、事情が見え見え過ぎて笑えますが。

Posted by: かとう | Thursday, October 18, 2007 01:01 AM

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