虹が出るようになった理由 ラコタ(スー)
よく晴れたとある夏の日のことだった。
花たちが、みなそろいもそろって、おもてでやさしい風に吹かれて、さきほどからしきりと、頭の上げ下げを繰り返しながら、さも自慢そうにそれぞれのたくさんの美しい色を、あたりに見せつけていた。
そんなとき、大いなるスピリットは、年老いた花たちがこんなことを語りあっているのを耳にした。
「いったいわたしたちはどこへ行くのだろう? 冬が来たら、みんな死ななくてはならない。わたしたちはこの地球を暮らすのに美しい場所にするために力を分けあっているではないか。こんなに不公平なことはない。そんなわたしたちが自分たちの幸福な狩り場に行けないなんて、どこかおかしくないか?」
大いなるスピリットはそのことを考えた。そして花たちを、冬が来ても死なないようにすることにしたのだ。
というわけで、その後は、いのちをよみがえらせるような雨が降ったあと、空を見あげると、この1年に咲いた色とりどりの花たちが美しい虹となって天国に渡っていくのが見れるようになった。
「Storytelling Stone」カテゴリの記事
- ストーリーテリング・ストーンと教え(2011.01.29)
- ジャンピング・マウスの物語(全文)(2010.01.01)
- サーモン・ボーイ(鮭だった少年)の教え(2009.10.30)
The comments to this entry are closed.
Comments
素敵なお話をありがとうございます
それぞれ違う花の色
心が惹かれる花は
人それぞれ違っていて
人の心と花を繋げるのは色だと思っています
天へ繋がる虹が花の命なんて・・・
しみじみ嬉しいです
庭にでて花たちに伝えてきます
Posted by: YOKO | Wednesday, October 03, 2007 07:19 PM