現代日本人の約2割が日本列島の先住民とおなじタイプの耳あかを持つ
よく言われてきたことだけど、ネイティブ・ジャパニーズとはなにかを考えるためにも、ときどきは自分の耳あかをほじくり出してじっくりと観察してみましょう。
耳あかが湿っているか、乾燥しているかは遺伝子のタイプで決まるが、どちらの型の人が多いかは地域によって微妙に違う−。長崎県の高校生らが、全国の高校生から集めたつめのDNA分析を基に、長崎大と共同でこんな研究結果をまとめ、東京で開催中の日本人類遺伝学会で15日発表した。
研究に取り組んだのは県立長崎西高3年の山田賢輔君(18)ら。
耳あかは、両親の双方から特定の変異がある耳あか遺伝子を受け継ぐと乾燥型になる。過去の研究から、古くから日本にいた縄文人は変異がなく湿っていたとみられるが、大陸から渡来した弥生人は乾燥型だったとされ、現代の日本人は約八割が乾燥型といわれる。
山田君らは、地域による違いがあるのかを調べようと計画。長崎西高は理数教育に重点を置く「スーパー・サイエンス・ハイスクール」の指定を文部科学省から受けており、全国のスーパー高校に協力を呼び掛けた。これまでに28道府県の32校から計771人分の高校生のつめを集め、長崎大で遺伝子の型を分析してもらった。
すると、乾燥型の比率は岐阜、京都、愛媛、大分などで比較的高く、岩手、三重、島根、沖縄などでは低めとの結果が出た。耳あかと遺伝子の関係を解明した新川詔夫長崎大名誉教授(分子医療)は「もっと詳細に調べれば、弥生人の移動経路の推測に役立つかもしれない」と話した。
(2007/09/15 10:38 サンケイWeb)
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