無神論者の占める割合の大きな国のトップ10
現代の世界で、宗教や神なんてどうでもいいと考えている国民を最も多く抱えている国のトップ50というリストがある。ケンブリッジ大学の研究者であるフィル・ザッカーマンが発表した「同時代的無神論または不可知論者の割合と傾向[Atheism: Contemporary Rates and Patterns]」に出ている。これによると、2004年現在の世界で神さまなんてどうでもいいと思っている罰当たりな(^^;)無神論者、もしくは神などと言うものはおよそ認識することは出来ないものとする不可知論者たちが国民のなかで占める割合の大きい国のトップ10は以下のようになっている。
1. スウェーデン(人口の85%が神を信じない)
2. ベトナム
3. デンマーク
4. ノルウェイ
5. 日本(人口の64%から65%が神などどうでもいい)
6. チェコ共和国
7. フィンランド
8. フランス
9. 韓国
10. エストニア(人口の49%が無神論者)
アジアからはベトナムと日本と韓国が堂々とトップ10入りだ。北欧の国々の人たちは、こぞって神などと言うものをあてにしていないらしいな。おおむねヨーロッパの国々も、不信心者が多い。ここではトップ10しか掲載していないが、トップ50のリストを見ると、さらにいくつか興味深いことがある。
オランダ14位、イギリスが15位、イスラエルが19位で最大37%の人が神を信じてなくて、スイスが23位、台湾が26位、ギリシャ32位、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が33位、イタリア34位、中国が36位、モンゴルが42位、アメリカが最大で無神論者が9%の44位、キューバが49位、クロアチアが50位で、40位以下は人口に占める無神論者の割合が7パーセント以下になっている。
イスラエルよりもアメリカの方が神を信じる人の割合が多いのなんてちょっと驚きではないか。北朝鮮、韓国、日本では北朝鮮がもっとも無神論者が少ないなんて、意外でしょ? 日本には「ほとけほっとけ、神かまうな」という言い伝えがいつのころからか伝えられているが、それだけ無信仰だと考えている人が多いのかな。といっても「アニミズム的」なものはかなり残っているのはなぜなのか? 神でも仏でもないものにたいする信仰があるのか? うーん、考えてしまいます。あなたは神を信じるか? と聞かれるより、あなたはグレイトスピリットの存在を信ずるかと聞かれた方が、ぼくとしてはこたえやすいけどね。
ともあれ世界を眺めるときにこのトップ50の国々のリストはきっとなにかの役に立つので、一度ご覧になることをおすすめします。国民に占める無神論者の数と、その他のさまざまなデータ、自殺率だとかホームレスの数、教育の普及度、国民総生産、医療費の占める割合などを重ね合わせてみると、きっと興味深いのだろう。
Atheism: Contemporary Rates and Patterns
*8月30日現在上記のサイトはリンクが外されているようだ。トップ50のリストは、リストの部分のみを以下にコピーしたものを貼り付けておく。いろいろ細かい分析の部分は割愛した。
The Top 50
Below is a list of the top fifty countries containing the largest percentage of people who identify as atheist, agnostic, or non-believer in God.
Country Total Pop.(2004) % Atheist/actual # Agnostic/Nonbeliever in God (minimum - maximum)
1 Sweden 8,986,000 46-85% 4,133,560-7,638,100
2 Vietnam 82,690,000 81% 66,978,900
3 Denmark 5,413,000 43-80% 2,327,590-4,330,400
4 Norway 4,575,000 31-72% 1,418,250-3,294,000
5 Japan 127,333,000 64-65% 81,493,120-82,766,450
6 Czech Republic 10,246,100 54-61% 5,328,940-6,250,121
7 Finland 5,215,000 28-60% 1,460,200-3,129,000
8 France 60,424,000 43-54% 25,982,320-32,628,960
9 South Korea 48,598,000 30%-52% 14,579,400-25,270,960
10 Estonia 1,342,000 49% 657,580
11 Germany 82,425,000 41-49% 33,794,250-40,388,250
12 Russia 143,782,000 24-48% 34,507,680-69,015,360
13 Hungary 10,032,000 32-46% 3,210,240-4,614,720
14 Netherlands 16,318,000 39-44% 6,364,020-7,179,920
15 Britain 60,271,000 31-44% 18,684,010-26,519,240
16 Belgium 10,348,000 42-43% 4,346,160-4,449,640
17 Bulgaria 7,518,000 34-40% 2,556,120-3,007,200
18 Slovenia 2,011,000 35-38% 703,850-764,180
19 Israel 6,199,000 15-37% 929,850-2,293,630
20 Canada 32,508,000 19-30% 6,176,520-9,752,400
21 Latvia 2,306,000 20-29% 461,200-668,740
22 Slovakia 5,424,000 10-28% 542,400-1,518,720
23 Switzerland 7,451,000 17-27% 1,266,670-2,011,770
24 Austria 8,175,000 18-26% 1,471,500-2,125,500
25 Australia 19,913,000 24-25% 4,779,120-4,978,250
26 Taiwan 22,750,000 24% 5,460,000
27 Spain 40,281,000 15-24% 6,042,150-9,667,440
28 Iceland 294,000 16-23% 47,040-67,620
29 New Zealand 3,994,000 20-22% 798,800-878,680
30 Ukraine 47,732,000 20% 9,546,400
31 Belarus 10,311,000 17% 1,752,870
32 Greece 10,648,000 16% 1,703,680
33 North Korea 22,698,000 15% ( ? ) 3,404,700
34 Italy 58,057,000 6-15% 3,483,420-8,708,550
35 Armenia 2,991,000 14% 418,740
36 China 1,298,848,000 8-14% ( ? ) 103,907,840-181,838,720
37 Lithuania 3,608,000 13% 469,040
38 Singapore 4,354,000 13% 566,020
39 Uruguay 3,399,000 12% 407,880
40 Kazakhstan 15,144,000 11-12% 1,665,840-1,817,280
41 Estonia 1,342,000 11% 147,620
42 Mongolia 2,751,000 9% 247,590
43 Portugal 10,524,000 4-9% 420,960-947,160
44 United States 293,028,000 3-9% 8,790,840-26,822,520
45 Albania 3,545,000 8% 283,600
46 Argentina 39,145,000 4-8% 1,565,800-3,131,600
47 Kyrgyzstan 5,081,000 7% 355,670
48 Dominican Rep. 8,834,000 7% 618,380
49 Cuba 11,309,000 7% ( ? ) 791,630
50 Croatia 4,497,000 7% 314,790
「Koyaanisqatsi (Life out of balance)」カテゴリの記事
- デニス・バンクス、日本への祈り 石川史江訳(2011.04.01)
- 放射能はナバホの人たちの大地と人をどう変えてしまうのか(2011.01.24)
- 誰の目にも明らかな20世紀の地球温暖化(2009.10.09)
- 原発のフル活用だなんて災いを地球規模に拡大するだけ(2009.09.29)
- それでも故郷が水の底に沈まなくてよかったと思える日は必ずくる(2009.09.23)
The comments to this entry are closed.
Comments
大変興味深いデータをありがとうございます。
たまたま先日、フィンランドのきこりの人の暮らしのドキュメンタリー
(BS)を見ました。
森とともに生活している人(白人ですが)は、やはり
木の精と対話し、ふくろうの存在に意味を与え、猟でしとめた
熊の霊を天に返す儀式を行う人たちでした。
確かにそこには○○教という宗教や名前を持った神はいませんでしたが
彼らは見えない世界を暮らしの中に感じています。
しかし、それが「森に住む人」とそうではない人との違いだという
構図は少し単純なようにも思われますが、どうなのでしょう。
グレイトスピリットは地球上のどの人間にとってもそうであるとすれば
きっと、人種や文化を超えて、地球に住むものとして、人間に
恩恵をもたらしてくれるのでしょうね。
文明と呼ばれるものが時として、地球や人間に害をおよぼしてきた
こともありました。
文明にも、強い薬のように、使い方を誤らなければ地球と人間のために
なることも多々あり、人間のそういった側面での進化を
地球と人間を見守るグレイトスピリットは完全に否定していると
考えるのも不自然に響く気もします。
しかし、そこには高度な人間の精神性の成熟が求められているとは
思いますが、その道は遠いのでしょうか。
見えない世界と(見える世界の)文明進化のバランスへの道は
遠くとも歩いていかなければならない、唯一の私達の存在方法のようにも思われます。
Posted by: 白いうさぎ | Sunday, August 26, 2007 05:39 PM