« コービン・ハーネィが帰らぬ人となった | Main | 大人になるためには儀式が必要(少女編) »

Monday, July 16, 2007

病を癒す儀式の起源(アパッチ一族の言い伝え)

病気の人を癒すための儀式がどのようにしてはじまったかをお話ししましょう。

昔々のそのまたむかし、この地球が創られました。

この地球を創られたお方は、地球をお創りになられたとき、そこに生きるひとりひとりの人が自分の土地として暮らしていけるように、すべての人に小さな土地をお与えになる計画をお持ちでした。

われわれの一族もそうした土地のひとつで暮らしていたのですが、なぜかみなはその土地のことがどうしても好きになれませんでした。そのことを察した地球を創られたお方は、わたしたち一族に別の場所に移るように申しつけられたのです。人びとは別の場所に移住しました。新しい場所ではぐっすりと眠れるし、みなはそこを気に入って、以後良い生き方を続けました。

one_who_made_earth

ところがあるとき、一族のなかの男がふたり、なにかの病気にかかって、日に日に体力が衰えていくようになったのです。一族の人たちには打つ手がありません。ただ手をこまねいて見ているだけです。なぜなら、そのときまで、病気などと言うものを人びとは知ることもなく、ましてやその治療法などは必要もしなかったのですから。

地球を創られたお方が言いました。

「なぜお前たちはそのふたりのためになにもしてやらないのだ? ふたりに言葉のひとつもかけてあげてもよいではないか?」

そうはいわれたものの、みんなは病気を癒すための儀式のことなどなにひとつ知りません。どうすればよいのかもまったくわからなかったのです。

一族のなかの4人が、たまたまそのとき、ひとりは東に向いて、ひとりは南に向いて、ひとりは西に向いて、ひとりは北に向いて立っていました。地球を創られたお方はその4人のなかのひとりに声をかけられました。

「地球の上にあるものにはすべて、それぞれに独自の病や独自の問題を引き起こすだけの力が宿っている。だからそうしたものにはすべて、それらを癒すための方法があるのだ」

その瞬間、声をかけられた男は、その病を癒す知識を自分が理解したことを悟りました。4人はそのままその場に立ちつくします。

最初の日の夜、東側に立つ男が誰に言われたわけでもなく一連の祈りの詠唱をはじめていました。2日目の夜、南側に立つ男が太鼓を鳴らして稲妻の歌を歌い出します。3日目の夜には、西側に立つ男が一連の祈りを唱えだしたのです。4日目の夜、北側に立つ男が太鼓を鳴らして稲妻の歌を歌いだしました。

このときの順番は、ただ彼らがその場で思いついたものではありません。それは地球を創られたお方によって授けられたものでした。そうした知識は、外側からもたらされたものなのです。

地球を創られたお方はそのあとでこう言われました。

「ふたりの病んでいる者たちのところへ行き、優しい言葉をかけて、その者たちを元気づけてみてはどうかな」

言われるまま4人の男たちが、病気を患っていた男たちのところへ行って声をかけると、たちまちにしてふたりの病は癒されていました。

そのことがあって以後、アパッチ一族は、病気を癒す儀式と、さまざまなものによって引き起こされる無数の病気についての知識とを手に入れました。そして病を癒すためのあらゆる儀式がはじまることになったのです。

|

« コービン・ハーネィが帰らぬ人となった | Main | 大人になるためには儀式が必要(少女編) »

Native American Story」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 病を癒す儀式の起源(アパッチ一族の言い伝え):

« コービン・ハーネィが帰らぬ人となった | Main | 大人になるためには儀式が必要(少女編) »