インディアンの文化に自分を重ね合わせる
サンフランシスコで暮らす友人がわざわざ贈ってくれたローリング・ストーンの40周年記念特別号(Rolling Stone -- THE FORTIETH ANNIVERSARY, Issue 1025/1026 May 3-17, 2007)所収のニール・ヤングのインタヴュー[Neil Young Interview by David Fricke]から「インディアン文化」に関する一節だけを抽出して翻訳してみた。このインタヴューにはほかにも興味深いものがたくさんあるので、ニール・ヤングのファンの人は読む価値がある。それにしてもローリング・ストーンは今年で40周年を迎えたのか。40年近く前に、この雑誌にあこがれて雑誌の世界に飛び込んだものとしては、感慨深いものがあるなあ。結局日本のロックマガジンはただの音楽雑誌になるか、わけのわからない中途半端な文化雑誌となって漂流を続けたまま今日に至っている。
あなたの音楽やアートワークにはネイティブ・アメリカンの世界を扱ったものがたくさんあります。どうしてそれほどまでに彼らの文化に自分の姿を重ね合わせることができるのでしょうか?シンプルなところと自然なところが好きなんだよ。インディアンたちは基本的にはキリスト教徒じゃないところがいい。あの人たちは自然を信じている。神が創ったものであるにせよ、自然そのものが自然を創ったにせよね。自然はぼくにとっては教会なんだ。そこが深い森であれ、どこまでも続く緑の平原であれ、海の水の中であれ。そこには牧師さんなんて必要ない。長いことぼくはこれまで月のサイクルってやつと自分を重ね合わせてみてきた。インディアンの人たちがしてきたようにね。たとえば「自分はここに来ていくつの月を見てきたのだろうか?」とか考える。
大切なのは月のサイクルなんだ。レコーディングに入っていたりするだろ、そういうときにはぼくは月を待つことにしている。そして歌が生まれたときには、カレンダーを見て確認する。「オッケー、オッケー。いいときだ。これはきっとよくなるぞ」とか言ってね。あと3日から4日ほどで満月になるってころの月のサイクルには、いつだってなにかがあるだろ。エネルギーみたいなものがね。月のエネルギーが衰えはじめたら、とたんに焦点が定まらなくなる。そういうときにはぼくは、やっていることを一時休止したりするんだ。一昨日のあのヴァイブはどこいっちまったんだなんて悩む必要もない。そういうときは「チクショー」とか言って、別のことをするだけさ。
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