« 1990年にワシントン州のスポケーンでの地球を癒す儀式においてカルク一族のメヒーラーであるメディスン・グリズリー・ベアが唱えた祈り | Main | 今日はジェロニモの誕生日なんだよ »

Friday, June 15, 2007

今このときにローズバッド・スー・リザベーションで起こっていること

news先週の土曜日、世界中のメディアがパリス・ヒルトンの話題で盛りあがっていたころ、ニューヨークタイムズという新聞が9面に小さな記事を掲載した。サウスダコタにあるローズバッド・スー・リザベーションで、今年に入ってから自殺や自殺未遂が蔓延しており、州が3月14日付で警戒警報を出しているというニュースだった。その警戒宣言が出されて以後も、二十歳になったばかりの少女が薬物自殺をしたり、多くの若者たちが自殺を試みようとしているという。医療機関の発表では、少なく見積もってもすでに半年で144人の子どもたちが自殺をしたとニューヨークタイムズが報じていた。

ローズバッド・スーの居留地の人口はおよそ13000人。13000人といったら、ちょうど財政が破綻した北海道夕張市の人口と同じぐらいだ。ひとつの大学で13000人の学生を抱えるところだってそうめずらしくない。しかしそのスケールの人口を抱える共同体で、半年に144人の子どもたちが自らいのちを落としているとなると、これはただごとではない。ただごとではないが、ことがネイティブ・アメリカンのこととなると、アメリカではまずその問題がまともに考えられることはない。日本のメディアがレポーターを派遣することもない。ローズバッド・スー・リザベーションは、それほど孤立した場所にある居留地ではないし、大平原に暮らすネイティブ・アメリカンの若者の自殺率はアメリカの平均の10倍に達するという統計もある。

精神的な健康管理を含めてアメリカという国がリザベーションの子どもたちに対してできることはたくさんあるだろうが、いまだなにひとつ友好的な手代は講じられない。まるでアメリカは「よいインディアンは死んだインディアンだ」という19世紀的考え方を守りつつ、すでにアメリカインディアンなどいないかのようにふるまい続けている。セレブの女の子が無免許運転を繰り返したことによって刑務所に収監されるニュースに対して世界が大騒ぎしている裏側で、こうした悲劇が声もなく進行していることを忘れてはいけないのだろう。

アメリカという国はその先住民をこれまでもさまざまに虐殺してきた。ローズバッド・スー居留地もまたその見えざる人たちの歴史に新しい一章を書き加えつつあるのだ。

arrow2 Official Site of the Rosebud Sioux Tribe

|

« 1990年にワシントン州のスポケーンでの地球を癒す儀式においてカルク一族のメヒーラーであるメディスン・グリズリー・ベアが唱えた祈り | Main | 今日はジェロニモの誕生日なんだよ »

Native News Update」カテゴリの記事

Comments

こんにちは。北山さんのサイトはよく拝見させていただいていますが、ここにコメントをするのは初めてです。週末の夏至の日に行われる富士山の麓での祈りのイベントには残念ながら参加できませんが、今居る場所から祈りを届けようと思います。
 この日の記事を読んで、とてもショックでした。今までにも世界中で起こっている自殺や殺人事件をニュースで見たり聞いたりしてはいましたが、ネイティブの若い人達がこれほど短期間に亡くなっているのには、本当に驚きましたし、何か大きなものに脅かされるような気持ちにさえなりました。
 まだネイティブアメリカンの世界を知って日が浅いのですが、ここ最近の様々な環境や社会などの様子を見ていると、この記事が、彼らの信じているもの全世界をもたらしているものが、絆を断ち切られたように、まるで、彼らの目の前で失われてしまったかのように思えました。そして先日観た「不都合な真実」という映画の影響もあってか、環境が破壊されていく現実と平原の自然と共に生きる彼らの生命がリンクしました。
 日本の国内で起こっている若い世代の自殺や殺人事件を見ても、胸を突き刺すような思いですが、いつも、亡くなっていく人たちの、亡くなった意味や理由を考えます。そこにもやはりメッセージがあるなぁと思うのですが、彼らネイティブアメリカンの大切にしている信念や精神を考えると、本当にただごとではないと感じます。
 危機を煽りたてるわけではないし、自分もまだ未知のことが多いので、知っている限りの知識で未来への道筋と手だてがあるのだと信じたいと思います。
 私たち日本に暮らす者はまだ食べる物があり、暮らせる環境(気候)にあり、幸い、気を紛らわす手段が沢山あり、私も含めてですが’知らない’ことで信じることができているような気がします。
 ’知ること’は大きな忍耐を必要ともしますし、自分自身と向きあわなければならない辛い作業でもあるだろうと思います。レオナルド・ペルティエさんが獄中で堪え忍んで信念を貫くため闘っていますが、自分の信じるものを決して失わない精神力と肉体を思うと、心から尊敬します。彼のような人を生み育んできたネイティブアメリカンの世界は、おのづと私たちを敬いの気持ちに導いていると感じます。
 今生きている私たちは、彼らの犠牲と死を無駄にしないよう(国内で亡くなられた多くの方も含め)、この大きなメッセージを読み取って、今するべきことをたった一つでもいいから見つけ行動に移して、この先の未来を創っていかなければならないと思いました。
 本当に小さなことしかできませんが、まずは私も彼らのために祈りたいと思います。
 いつも、様々な記事からのメッセージをありがとうございます。また拝見させていただきます。

Posted by: Rin | Thursday, June 21, 2007 at 10:48 PM

隣のローズバッドで今そんなことになってるとは・・・

Posted by: 正木 大 | Saturday, June 23, 2007 at 03:01 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/25341/15441253

Listed below are links to weblogs that reference 今このときにローズバッド・スー・リザベーションで起こっていること:

« 1990年にワシントン州のスポケーンでの地球を癒す儀式においてカルク一族のメヒーラーであるメディスン・グリズリー・ベアが唱えた祈り | Main | 今日はジェロニモの誕生日なんだよ »