法律の届かない迷路のなかでネイティブの女性たちは
24日に国際人権団体であるアムネスティ・インターナショナルUSAが「不法の迷路(Maze of Injustice)」と題して発表した、ネイティブ・アメリカンと、アラスカのネイティブの女性たちが性的暴力やレイプの被害者になる割合がアメリカ全体の平均の3倍近くに達しているという報告が、波紋を広げている。人権団体に言わせれば、合衆国政府によって作りあげられている複雑な部族の構造や、州と連邦の司法管轄のはざまにおかれているために、先住民の女性たちを性暴力から守ることができす、被害がより増し続ける傾向にあるという。
アムネスティー・インターナショナルの調査員のインタヴューを受けた先住民の女性たちのほとんどが「自分のコミュニティーで性暴力の被害に遭っていない女性はいない」と語っていたと報告する。被害を受けた女性の大半は警察からも相手にされず、法医学的な検査を受けることもなく、事件が訴追されることもない。報告の分析では、先住民女性にたいするレイプや性暴力の加害者の86%が非ネイティブの男性だという。こうした先住民女性にたいする性暴力は、アメリカにおける先住民のひとたちの基本的な人権侵害の歴史をそのまま反映しているのである。先住民の女性たちは、入植者たちや兵士たちによって、征服と植民地化の過程でずっと強姦され続けてきたのだ。
この問題に関心のある人は以下のアムネスティー・インターナショナルのサイトまで(英文)
Join Voices with Native American and Alaska Native Women and Take Action to Stop the Violence
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