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Friday, April 06, 2007

『アメリカ先住民の宗教』という本をすすめる理由

sheeldこの数ヶ月住居の移転などがあって落ち着いて本を読むこともできなかったが、ようやく少し自分の時間を取り戻しつつあり、本を読むこともできるようになってきた。先月後半に読了した『アメリカ先住民の宗教』(ポーラ・R.ハーツ著、青土社)は、このブログに関心を寄せてくださるひとにぜひともすすめておきたいのでこうして紹介の記事を書くことにした。(shop NATIVE HEART にも入っているので購入の際にはぜひこちらから\(^O^)/)

アメリカ・インディアンを「ひとつの民族」として理解することなど誰にも出来ないことである。なぜなら、それはぼくがローリング・サンダーに言われたように、「日本列島と、朝鮮半島と、台湾と、極東アジア大陸にいた人たちを全部まとめてインディアンと呼ぶに等しいこと」だからだ。

コロンブス到来以前の北米大陸には、最近しばしば言われるように「500」もしくはそれ以上の国々が存在した。それぞれの国には当然それぞれの国人たちが太古から伝えてきた信仰、宗教があった。そして各々の暮らす自然環境や風土に応じてそれぞれの信仰が細部において微妙に異なっているのは当然のことである。

共通しているものをしいてあげるならば、世界を支配するバイアスを持たされたいかなる既成の組織宗教(キリスト教・仏教・イスラム教・ユダヤ教などなど)の影響と支配を受けておらず、自分たちの生存する自然環境(宇宙)との密接なつながりと、自然界の万物に宿るスピリットにたいする無条件の敬意の上に形作られたものということが出来る。

この本は、アメリカ先住民の宗教を分析しそれぞれに共通している要素を紡ぎ出してまとめたもので、地球の上に生きるための道案内の一冊になってくれるものである。アメリカ・インディアンには、「宗教」という概念はもともとなく、それは「人間の生きる道」として認識されていた。この意味では、古代中国から古代の日本列島にまで大きな影響を与えた「道教(タオ)」の考え方が、最もよく似ていると言っていい。老子や荘子の唱えた「道(タオ)」の教えは、極東アジアのネイティブ・ピープルの教えが漢字に書きとめられたものと見る方がよいものなのかもしれない。

『アメリカ先住民の宗教』という本は、「地球に生きる人の道」をトータルに理解し、人間という存在を理解し、自分を理解し、地球のハートを自分のものとした祈りある生き方を自分の環境のなかで実践するための方法を提示してくれるだろう。もちろんこのなかには、儀式のやり方などがことこまかに解説されているものではない。そういうものを期待してこの本を手にとると失望するかもしれない。だがぼくはこの本はぼくたちにとっても重要な、すべての聖なるものを喪失したわれわれがもう一度自然や宇宙との関係を修復するためのテキストとして利用できるものだと思っている。

これは、読む人間をアメリカインディアンにしてしまうたぐいの本ではなく、地球に生きるとはどういうことなのかを、既存の宗教に頼ることなく理解するための道具なのかもしれない。

「ヨーロッパ人との最初の接触から今日まで、先住民諸部族は、彼らの宗教を根絶しようとする外的な力と戦い続けてこなければならなかった。儀式は禁止され、聖地は取りあげられた。彼らが取り組んできた課題とは、白人社会の只中で暮らしながら、自分たちの伝統に誠実に生きる方法を見つけることだった。なんとか、彼らの宗教は生き残った。確かに多くのものが失われてしまったが、それでも今日、アメリカ先住民の宗教的慣習は、活気と力強さを保っている」(同書より)

「アメリカ先住民の宗教の起源は、有史前まで何万年もさかのぼる。それは生の道そのものと同様、終わりのない道なのだ。その道を辿る先住民の人々は、この世界が単なる物質的な場所でないということを理解している。それは数々の聖なる存在と精霊の力とに満ちた霊的な宇宙でもあるのだ。その宇宙の中を彼らは日々歩き、その宇宙が彼らの生を導いてくれる」(同書より)

アメリカ先住民の宗教アメリカ先住民の宗教
ポーラ・R.ハーツ(著)、西本あづさ(翻訳)
価格: ¥2,310(税込)

単行本:204ページ
出版社:青土社 (2003/11)
ISBN-10: 4791760840
ISBN-13: 978-4791760848
商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2.2 cm

目次

  1. 序論—聖なる道
  2. 精霊の世界と聖なる道
  3. 世界の創造—口承の伝統
  4. アメリカ先住民の祭式と儀式
  5. 健全さと癒し
  6. 生の道
  7. アメリカ先住民の宗教とキリスト教
  8. アメリカ先住民の宗教の現在

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Comments

興味深い本ですね。アメリカ先住民の宗教は宗教というより信仰なんでしょうね。日本人も無宗教といわれていますが、心の奥には信仰を持っているように感じるときがあります(もちろん全員にあるわけではないでしょうけど)。生きるということに関する自然の摂理のようなもの。私の中にもそういうものが眠っていると感じる時がたまにあります。
是非読んで見たい本です。

Posted by: けんちせんせい | Friday, April 06, 2007 at 09:23 PM

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