世界で最初の物語は地面に開いた穴のなかから聞こえてきた
ルナペ(デラウエア)一族に伝わるお話し
男が狩りから戻ると、地面に奇妙な穴がひとつ開いていた。不思議そうに穴の中をのぞきこんでいると、その穴のなかから誰かが話しかけてきた。
いったいあなたさまはどなたですかと、狩人はたずねた。
その問いにたいする返事はなかった。自分はグランドファーザーだと穴のなかでその人はなのると
「もし物語を聞きたいものがあれば、ここにやってきて、煙草か食べるものをほんの少し包んで投げ入れるがよい。そうすればお話しを聞かせてあげよう」
ということで、人々が集まるようになった。そしてそれが、ほんとうか嘘かわからないお話しの、はじまりだった。
グランドファーザーは村人たちにこう戒めていた。春になって暖かくりはじめたら、もう絶対にお話を語ってはいけないと。
「まんがいちこの約束を破ったら、蛇や虫などのありとあらゆる小さな生き物たちが、お前を追い回すようになるだろう」
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