ホピの土地からセドナまで走っていのちの水を運ぶ
ここのところ「走る」ニュースが多いのだが、これはぼくが意図的に選んでいるのではなく、はるかなる偉大な存在がそう仕向けられているためで、ぼくはそれにただ従っているだけなわけでと、冒頭にいいわけをしておいて、今日の話題もまた「走る」ことであります。
この4月、北アリゾナのブラックメサの上にあるホピの村出身のランナーたちが「宇宙の中心」からセドナまで走ることになった。ランナーたちは大地と時間と文化を越えて「いのちの水」を運ぶことになる。
距離にして約210キロを3日間かけて、ホピの村々のあるメサから、セドナのオーク・クリーク・キャニオンの河岸まで、貴重な水資源にたいする人々の意識を高めるのを目的として、彼らは走る。
きっかけとなったのは、昨年3月の第4回世界水資源フォーラムに際して、ホピの村からメキシコシティまでのおよそ2400キロを、ホピのランナーたちが「いのちの水」を運んで走ったことだった。そのときの水を運ぶランを企画したグループがアリゾナに拠点を持つエコツーリズム研究所とブラックメサ・トラストで、今年の4月のホピからセドナまでのランもこのふたつのグループが企画に参加している。
エコツーリズム研究所の主任ディレクターのダイアン・ディアモアさんは「今回のランはホピの部族の人たちの心をひとつにまとめるだけでなく、アリゾナにあるいくつものネイティブの人たちの部族をつなぎあわせることでしょう。さまざまな文化や、それぞれのエスニックなバックグラウンドや、各種の信仰を越えたところで、水がすべての人たちをつなぐのです。水は貴重ないのちの贈り物なのです。わたしたちが生きていく上で水が果たすとても大切な役割に多くの人が目を開いてもらえると良いのですが」と語った。
ブラックメサ・トラストの役員でディレクターのバーノン・マサイェスヴァさんはホピの人たちが水をどのように見ているのかについてつぎのように話している。「このいのちのシステムのなかで、大地の四つの方角から、川や泉や、巨大な帯水層から小さな水たまりとしてもたらされる水は、いのちの水そのものであり、ありとあらゆるいのちはそれによって保たれています。そうやっていのちを保つ仕事が終わると、水はまたひとつによりあつまり、神々しい海でまとまります。海は、雲となる祖先が住みたもうところです。そこで水は再生し、活力を取り戻し、それからまた雨や雪に姿を変え、みぞれや雹(ひょう)となり、霞(かすみ)や霧となります。そこからまた大地に還り、偉大なる海の深みを目指し、湖を作り池をはぐくみ、すべてのいのちの、あらゆる兄弟や姉妹たちのいのちを育てる流れになります。こうした水の偉大な循環が宇宙に新しいエネルギーを与えてそれを再生させているのです」
ランナーたちはホピの聖なる泉で伝統的なひょうたんにくみ取られたものを持って走ることになる。このランに参加するホピの人たちは12歳から85歳までで、多くのホピの人たちは今日も伝統的に日々昔と変わらずランニングの訓練をしている人たちが多いという。一般の人もホピのランナーに混じって走ることができるらしい。
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