世界でいちばん孤独だった木
英語のウィキペディアで「有名な木のリスト( List of famous trees )」という項目を見つけて眺めていたら、そのアフリカの項目のトップに「テネレの孤独な木( Tree of Ténéré )」というのが出ていた。それはこの惑星で最も隔絶したところに生えている——いや生えていた——木だというではないか。アフリカ中西部、大陸のおなかが減っこんでいる所あたりの沙漠のまんなかのどこからも遠いところに、その樹は1973年まで確かに生えていたようだ。(写真)
ところがその年の11月のある日、申し立てによればひとりの酒に酔ったリビア人の運転するトラックが、コントロールを失って激突してこの木を砂の地面からなぎ倒してしまったのだという。開いた口がふさがりません。
いや酒に酔うっていうのはこういう事なのですね。見渡すかぎり400キロ四方植物なんてなにもないどころか、視界を遮るものなどなにひとつなくて、どこまでも広がるひたすらのっぺりとした灼熱の、世界有数の沙漠のどまんなかで、どんなにマヌケでも遠くから目に入ったランドマークのたった一本の木に、わざわざ狙ったように追突していくのですから。ものすごい確率だよね、これは。ったく、人間てわからないことをするものであります。
この木の生えていた正確な場所はここ(Google Map)。
ちなみに「有名な木のリスト at Wikipedia」にはアジアの代表として、屋久島の縄文杉と鎌倉鶴岡八幡宮の樹齢千年の大銀杏の樹が選ばれている。
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