ホクレアはなにを運んでくるのだろう?
ホクレアのハワイ島出航が迫っている。今日はホクレアについて書かれた二つのブログから言葉をひろってきた。ひとつはホクレアの動向を逐一報告し続けている「非公式応援サイト」である航海カヌーマニア[Floatin'round Vaka Houlua]からの引用だ。
それでだよ。ホクレアがついでに日本まで来る理由。まあ表向きの理由は色々あるだろうし、裏の理由も色々推測されている。でも、俺が思うに、今日本列島人がホクレアに学ばなきゃいけないのは次の二つだ。勇気、そして祈る心だ。勇気。血の気が引くことに、今日本でホクレアの記事を書いている雑誌のかなりのところは、ホクレアの魂、人類史上最も勇気ある男の一人、エディ・アイカウのことを書かない。多分知らないんだな。冗談よせよ。勇気ってものをローマ字にしたらcourageじゃなくてEddie Would Goになるんだよ。それってどうなのよ。全く駄目でしょう。お話にならん。エディの勇気が無かったら今頃ホクレアはモロカイ海峡の水底だ。命をかけてホクレアを生かした男の事跡を語らないでどうする。
そして祈る心。荒木さんが俺たちの代わりにホクレアの旅立ちに際して祈りを捧げてくれたわけだが、祈りってのは船出の時にだけ捧げるもんじゃない。人間も人間社会も、それだけじゃあ自分のケツを拭けない。これは端的な事実だ。だから人力を越えた何かに祈る。祈って何かが確実に起こるわけじゃないが、祈ることで人間は人間以上の何かとコミュニケーションする。それが実在しているかどうかは問題じゃない。人間が無敵じゃないってことを対話のなかで理解する。その為の行為が祈りだ。
ポリネシアの航海カヌーが旅立ちの前に必ず祈るのは、それで実効的な何かを呼び起こそうとしているんじゃないと俺は思う。あれはコミュニケーションなんだ。宇宙との。
ホクレアってなに? と今さらながらあっけにとられてる人は、上記「航海カヌーマニア」サイトの加藤晃生さんが「ホクレア号を待ちながら」というハワイの航海カヌー「ホクレア」に関する情報をまとめたウェブサイトを立ちあげているのでそちらを参考に。そこには「ホクレア」概説・用語集・年表・Who’s Whoなどが掲載されている。
もうひとつは今週21日の神戸メリケン波止場でのイベント「スピリットの帰還」をプロデュースしてくれたランド・アンドライフの辰巳玲子さんのプログ「ランド・アンド・ライフからの風」に掲載された「縄文からのいざない」という文章からの引用。
わたしたち、この日本と呼ばれる島じま(シマー縄張りー故郷ーよりどころ)に植えつけられたわたしたちは、問われている。そのシマに地球人としてのスピリットをもって再び立ち、誇りと希望を取り戻し、シンプルにスピリチュアルな暮らしを選び取る覚悟はあるのか、と強く問われていると感じて止まない。 ホクレア号は、30年間という年月のなかで、海と一体になり、自身と向き合い、何にも依存せず、からだと精神を持って、大海原の道を切り開いていく術を蘇らせていった。そして、西洋近代文明に侵され、忘れさられようとしていた先住民ー地球人ーとしてのアイデンティティ、尊厳、希望、喜びを取り戻していった。この事実はこれまでの既成概念・価値から解放され、不気味に巨大化し仕組まれた社会システムからはずれ、何にもまつろわず、地球と生命に対して揺ぎなく生きていくというというひとつの選択に、勇気と希望と、そして、リアリティを与えてくれているのではないか。
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