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Sunday, December 24, 2006

ネイティブ・アメリカンについて話すときの注意

本はタテマエのうえでは差別などないことになっているからこういうサイトはないと思うのだが、あらかじめ差別と偏見があることを社会が認めて——タテマエ上はそうした偏見を是正しようと努力している——アメリカには、世にはびこる偏見の原因と理由について考えようとしている、つぎのようなサイト「Understanding Prejudice.org」がある。サイト自体も興味深いのだけれどその全部を紹介できないので今回は、そのなかの「小中学校の先生向けのコーナー」から「ネイティブ・アメリカンの問題をどう教えるか」という情報を取りあげてみた。ここにはネイティブ・アメリカンについて伝えるときに「してはいけないこと」と「すべきこと」のリストが掲載されている。参考になるかもしれない。

dontインディアンをものと同一視するような使い方はするべきではない。

たとえばアルファベットを教えるためのカードで「AはアップルのA」「BはボールのB」という具合に並んでいて「IはインディアンのI」となっているようなときには、別の単語を考える。インディアンの人たちを「物」として表現しない。

dontネイティブ・アメリカンの話をするときにわざわざ過去形にするべきではない。

今現在のアメリカ合衆国にはおよそ百万人のネイティブの人たちが暮らしている。それにもかかわらず、たくさんの本や記録映像などで、「インディアンはどのように暮らしていたか?」のようなタイトルがいまだに見られる。

dontわずかな数のヨーロッパ人が何千人ものインディアンを打ち負かしたかのような神話をいつまでも信じ込ませるべきではない。

歴史家によれば戦いで死んだネイティブの人たちの数は比較的少ない。ネイティブ・アメリカンを敗退させたものはヨーロッパから運び込まれた病気であり、彼らはそれらにたいする免疫を持たなかった。

dontステレオタイプなインディアンの物真似を子供たちの前で見せるべきではない。

「ハウ!」とか「キモサベ!」とか。あるいはハリウッドが作り出したインディアン語「インディアン、嘘、つかない」「わたし、腹、へった」のような言い方。さらに口に手を当てた叫声「ホ! ホ!」、まさかりを振り下ろすようなまねなど。

dontハロウィンなどで子供たちにインディアンの姿をさせるように持ちかけるべきではない。

たとえそれが確かによくできていたとしても、イミテーションの羽根や、フェイスペイント、ヘッドドレス、バックスキンの衣装は、ネイティブの人たちにとっては非礼になる。ネイティブの人たちにとって正装は尊くて神聖なものとされるから。

dontインディアンと非インディアンを「わたしたち」と「あの人たち」のように区別すべきではない。

そのかわりにインディアンは最初のアメリカ人だったことをきちんと説明し、現代ではインディアンもアメリカ市民としてすべてのアメリカ人と同等の権利を持つことを教える。

doネイティブ・アメリカンの哲学のなかの「あらゆるいのちを敬い自然と調和して生きる」というところを強調しよう。

doさまざまなインディアンの国について話しあおう。ネイティブ・アメリカンをひとくくりにして話すのではなく、ホピ、ラコタ、ナバホなどそれぞれの国として、そのほんとうの名前や、その言語や文化について話そう。

doテレビや映画の西部劇に描かれたインディアンのステレオタイプを問題としてとりあげてみよう。ステレオタイプの意味するところを議論しあおう。ネイティブ・アメリカンは、けして野蛮人などではなく、自分の家庭やコミュニティを守るために戦ったことを理解させるようにしよう。

doネイティブ・アメリカンの子供たちが自分たちの精神的文化的遺産について常に気がついているわけではないことを理解しよう。場合によってはネイティブの子供たちも、自分たちのことよりテレビで描かれるインディアン像のことを多く知っていることもあり得るのだから、彼らにネイティブのものの見方や、インディアンの歴史について、意図的に説明させたりしないこと。

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