ハード・ロック・カフェを買っちゃったネイティブ・アメリカンの部族
イギリスのギャンブルとレジャー関連会社であるランク・グループが12月7日に同社の傘下にあって全世界に展開する「ハード・ロック・カフェ」レストラン・ホテル・カシノ・チェーンをネイティブ・アメリカンの部族のひとつのセミノール族におよそ10億ドルで売却することで合意したとフィナンシャル・タイムズ紙に報じられて世界を驚かせた。セミノールは現在のフロリダ半島をテリトリーにする部族で現在の人口はおよそ 1万人 3300人、部族政府には世界中から人が集まるフロリダという土地の利を生かしたギャンブルで得た豊富で潤沢な資金があり、毎年フロリダ州のタンパにあるセミノールホテルのハードロック・カシノで開催されるNAMMYことネイティブ・アメリカン・ミュージック・アワードのホストも勤めている。最初のハードロック・カフェがロンドンでオープンしたのは1971年で、最初のステージはエリック・クラプトンだった。
時間が経過して詳細が少しずつ見えてきたので、追記しておく(Friday, December 08, 2006)。
セミノール・トライブが買ったのは世界に124個所あるハード・ロック・カフェ(日本にあるものもふくまれる)と、4つのハード・ロック・ホテル、2つの賭博場つきのハード・ロック・カシノ・ホテル、2個所のハード・ロック・ライブ・コンサート施設、3つのハード・ロックの名前のつかないシティ・ホテルだという。例外は、ハード・ロック・ラスベガスカシノ、オーストラリア、ブラジル、イスラエル、ベネズエラのハード・ロックで、これらは名前だけがハード・ロックでも所有者が別会社となっている。セミノール・トライブはこそうした不動産の他にも、世界でもっとも豊富な、7万点にものぼるロックのメモラビリア(記念となるもの)を手にいれたことになる。
それらのなかには、ジミ・ヘンドリックスのフライング・V・ギター、マドンナのランジェリー、エルトン・ジョン卿の背を高く見せるための靴、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、チャック・ベリーといったミュージシャン愛用のギターもある。
「Native News Update」カテゴリの記事
- ホピの国にこの50年ではじめて建てられたホテルの外観と内装をご覧ください(2009.11.30)
- ローラ・インガルス・ワイルダーが「大草原の小さな家」の初版のある部分を十数年後に書き直していた背景になにがあったか、あるいは野蛮人は人間ではないという無意識に焼き込まれた保守思想(2009.11.03)
- 古代のアボリジニのなかにはウサイン・ボルト選手よりも早く走れた人がいたかもしれない(2009.10.22)
- ネイティブ・アメリカン部族国家会議がホワイトハウスで開催される(2009.10.20)
- 今年ホピのスネーク・ダンスの儀式に非アメリカ・インディアンの見学者の立ち入りが禁止された(2009.10.16)
The comments to this entry are closed.
Comments