ジャック・ケルアックが散文を書くための覚書として残したクールな文章の試訳と彼の写真を使ったGAPのポスター
[上の写真はギャップという服飾メーカーの広告に使われたジャック・ケルアック (1922-69)の写真である。「ケルアックはカーキを着ていた」というコピーがさりげなくつけられている。道の上を住み家としていた彼の姿は今でもまぶしく見える。以下の「現代散文のための信条および技術」はあくまでも個人的な覚書のつもりで翻訳したもので、理解がたりずに誤って翻訳している個所がないともかぎらないが、おそらくケルアックが伝えようとしたことは、すべての文章を書く人、特に新しい時代の文章を書く人——書きたいと熱望する人——にとって役に立つことではないかと思えたので、ここに掲載することにした。そして今後はなんのおことわりもなくバージョンアップがなされる可能性があることも書いておかねばならない。:-) ぼくは第二次世界大戦後のアメリカに登場した「ビート」と呼ばれた一群の人たちは、白いインディアンの先駆けとなった人たちと理解していることを、前もっておことわりしておく。]
BELIEF & TECHNIQUE FOR MODERN PROSE現代散文のための信条および技術
Jack Kerouac
ジャック・ケルアック 原文 北山耕平 試訳(Version 1.3)
1. Scribbled secret notebooks, and wild typewritten pages, for yr own joy
秘密のノートへの走り書き、適当に打ち込んだ文章、おのれの楽しみのために2. Submissive to everything, open, listening
あらゆることに対して素直になれ、心を開き、耳を傾けよ3. Try never get drunk outside yr own house
自分の家の外ではけして酔っぱらわぬように努めよ4. Be in love with yr life
生きることに恋せよ5. Something that you feel will find its own form
感じているものはそれなりの形を見つけだす6. Be crazy dumbsaint of the mind
頭のなかではクレイジーで愚かな聖者たれ7. Blow as deep as you want to blow
吹きたければ腹の底から思い切り吹け8. Write what you want bottomless from bottom of the mind
底なしマインドの底にとどくほどのところで欲するものを書け9. The unspeakable visions of the individual
口にすることができない個人のヴィジョン10. No time for poetry but exactly what is
ありのままを書くだけで詩まで書く時間はない11. Visionary tics shivering in the chest
胸の奥でヴィジョンが痙攣し震えて12. In tranced fixation dreaming upon object before you
自分の前にある物体についてのトランス状態における固定夢のなか13. Remove literary, grammatical and syntactical inhibition
文藝的、文法的、構文的禁制を排除せよ14. Like Proust be an old teahead of time
プルーストのごとき、時代の年老いた茶頭たれ15. Telling the true story of the world in interior monolog
世界の真実の物語を内的な独白で語る16. The jewel center of interest is the eye within the eye
関心の中心の宝石は目のなかの目にある17. Write in recollection and amazement for yourself
記憶と驚嘆のなかおのれのために書け18. Work from pithy middle eye out, swimming in language sea
言語の海で泳ぎながら簡潔な真ん中の目でとことん練り上げる19. Accept loss forever
損失を永遠に受け入れよ20. Believe in the holy contour of life
いのちの聖なる輪郭を信ぜよ21. Struggle to sketch the flow that already exists intact in mind
マインドのなか無傷のまますでにそこに存在する流れをもがいて素描する22. Dont think of words when you stop but to see picture better
立ち止まったときには言葉を考えずにもっと良く全体を見よ23. Keep track of every day the date emblazoned in yr morning
お前の朝のなか日付に飾られた毎日を辿れ24. No fear or shame in the dignity of yr experience, language & knowledge
おのれの経験、言葉、知識の尊厳を恐れたり恥じたりしてはならぬ25. Write for the world to read and see yr exact pictures of it
お前が見たのとまさに同じものを世界が読んで見るために書け26. Bookmovie is the movie in words, the visual American form
本映画とは言葉による映画、目に見えるアメリカの形27. In praise of Character in the Bleak inhuman Loneliness
荒涼たる非人間的な孤独のなかの個性を称えて28. Composing wild, undisciplined, pure, coming in from under, crazier the better
野性的で、しつけられることなく、純粋で、下よりあらわれし、より狂っていて、より良きものを形作る29. You're a Genius all the time
お前はいついかなるときにも天才30. Writer-Director of Earthly movies Sponsored & Angeled in Heaven
天上の支援と加護を受けし地上の映画における作家で監督
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Comments
何という美しさでしょうか。
ご紹介していただけた事に、感謝致します。
Posted by: SONWAI | Wednesday, November 15, 2006 12:02 PM
いつも愛を与えてくださりありがとうございます。
今朝この文章を読んでいたら、私の中の何かが共鳴して自然と涙が出てきました。
Posted by: きよみ | Thursday, November 16, 2006 08:28 AM
何か探し求めていたものに出会えたような気がしました。
ありがとうございます。永久保存版にします。
しかし、GAPのコマーシャルはウマイなぁ。。
ついカーキの1本でも・・と、一瞬でも
思ってしまう自分が情けないです。:-)
Posted by: ボケ子 | Thursday, November 16, 2006 10:36 AM
ジャック・ケルアック、大好きなのでとても嬉しく、
そして感動しました。
本当にクールで心に響きますね。
北山さんの翻訳は、いつも心の勉強と言葉の勉強と
英語の勉強になります。
素敵な時間をいつも有難うございます!
Posted by: maho | Thursday, November 16, 2006 06:45 PM
アリゾナ・セドナの旅のご報告
北山耕平先生
いつも大変お世話になっております。
11月2日から一週間ほど、SEDONAへ初のアメリカ旅行をしてきました。 満月の頃に体験した事ですが、新月も過ぎたのでお伝えしたいと思います。(実は、冷静に文章を書くにはそれぐらいの時間が必要だったのです。)
その前に
北山先生との出会いは、今年の7月頃、「ホピ」という言葉が突然頭に浮かび、サイトで探していた時に「ホピ平和宣言」にたどり着きました。そして訳者である先生を初めて知り、アメリカ・インディアンに関心を持つようになったのもこの時からです。
その後、先生の書籍「ネイティブ・マインド」を読ませていただき、又
ブログも毎日のように読ませて頂いておりました。
8月の初めに、雑誌で知ったセドナの存在が急に気になり、
「セドナが私を呼んでいる!セドナへ行かなければ、次のSTEPに進めない!」
そんな思いにかられて、11月に行く決心をしました。
そんな時に、9月に先生が大阪で講演会をなさることを知り、ぜひお会いしたい!インディアンのことをもっと知りたい!この旅に関しての助言をいただきたい!! と思い、仕事も休んでワクワクしながら出掛けて行ったのを覚えています。
今思えば、その時が私にとっての新たな変革(浄化と再生)の儀式の始まりだったように思います。
セドナでは、4大ボルテックスと呼ばれている赤い岩山にそれぞれ登り
祈り、瞑想し、聖なる大霊・太陽・月(月のことをグランドマザーと呼ぶことをそこで知りました)・大地・水・火・木・鉱物・人・動物・虫‥等
すべてのものと一体となる感覚がどういうものであるか!
陰と陽の存在を知ることにより解かること、悲しみ・怒り・恐怖を分かち合い、癒し癒されて感じることが出来た喜び、感動と感謝!
この地で体験したすべての事が、私の魂の記憶を呼び起こしたのです。
過去にあった記憶は、今も意識下にあり、今の人生においても複雑に絡み合い影響していることを知りました。
まるで魂の記憶のすべてで今の人生を作り出しているような・・・・。
だから、過去をたどることは大事なことなのだと実感しました。
私がかつて何者であったのかを知り、私に与えられた(もしくは自分で選択した)大きな使命をはっきりと認識し、さらなる旅が必要なことにも気づきました。
私にとってセドナはまさしく変革の聖地でした。
今回この旅の間、日本で見守っていてくれた家族や友人の支えは言うまでもなく、セドナで出会ったすべての人達と、北山先生が大きな愛で支えてくださったように思います。
本当にありがとうございました。 感謝いたします。
そしてこれからもよろしくお願いします。
田中清美
Posted by: きよみ | Wednesday, November 22, 2006 05:27 PM
こんばんは!
いつも心に戸惑いがある時、必ず北山さんのBlogを読ませていただいています。
私は 書くということ に悩んでいました。
その時 この記事を読み、再度 書いてみよう という思いを持てたこと、本当にありがたく思っております。
その思いとともに、私のBlogへ勝手ながらTBさせていただきました。
これからも宜しくお願いいたします。
Posted by: ~gfm~ | Saturday, November 25, 2006 11:26 PM
めちゃくちゃ 心に響きました!!
このすばらしい言葉たちを支えに
これからも 書き続けて行きたいと思いました!
すばらしい言葉のシェアありがとうございます!
Posted by: 石井良佳 | Monday, December 11, 2006 04:40 AM
I've read some good stuff here. Definitely price bookmarking for revisiting. I surprise how much effort you put to create such a excellent informative web site.
Posted by: acai berry | Thursday, November 13, 2014 02:00 AM