パイプとともに歩むすべての人たちに
1994年にウィスコンシンのジェーンズヴィルにあるハイダー・ファミリーの牧場できわめて珍しい雌の白いバッファローが60数年ぶりに誕生して「ミラクル」と命名されて以来、不思議なことにアメリカ全土でかなりの数の白いバッファローが生まれるようになっている。
興味深いことに、そうやって白いバッファーが生まれる牧場のほとんどは非ネイティブ・アメリカンの人たちの所有になるものであり、結果としてさまざまに異なる文化的背景を持つ人たちも、北米大陸のほとんどあらゆるネイティブ・ピープルにとって白いバッファローが平和への希望の象徴であることを知るに至り、彼らを祝福するようになってきた。そしてさらに不思議なことに亡き「ミラクル」の生誕地であるハイダー牧場で、この夏、8月25日、雷をともなう嵐の中、再び白いバッファローの赤ん坊が誕生し、「ミラクルズ・セカンド・チャンス」と命名されたことはすでにお伝えした。
ホワイト・バッファローの男子誕生(Native Heart Tuesday, September 12, 2006)
この「ミラクルズ・セカンド・チャンス」を実際に確認したテトン・ラコタの精神的指導者で、メディスンホイール・サンダンスのサンダンス・チーフ、ラコタ国折れた矢バンドの首領であり、今はパイン・リッジ居留地に暮らすデイビッド・スワロー(David Swallow, Jr.)——インディアン・ネーム「Wowitan Uha Mani」(プライドと共に歩く)——が、さる9月22日に、ことの重大さについてのメッセージを世界に——世界中にいる「パイプ・キャリヤー」とされる縁ある人たちに——向けて出しているので紹介しておく。[わたしの友人や知りあいにもパイプキャリアーがいるし、誰それがパイプを持っているという話もしばしば耳にする。20世紀末にパイプを持つものになった人はけっこういるのではないかな]
セカンド・チャンス やり直しの機会
彼はまず、この新しく生まれた白いバッファローにつけられた「ミラクルズ・セカンド・チャンス」という名前について、その名前が見事にすべてを言い表していることを自分は少しも疑わないと述べたうえで、
「その名前は言い得て妙としか言えず、これは予期せぬ出来事などではない。ミラクルズ・セカンド・チャンスは、まさしく全人類にとってもセカンド・チャンスなのだ」
と語った。そして彼の一族にとっては、雷は悪が滅びることを意味しており、ミラクルズ・セカンド・チャンスが雷と共に誕生したことは確かなメッセージであるとつけくわえた。
「どこにでもいる普通の人間やそこらへんの政府がそうした世界的な危機や破滅をもたらすのではない。強欲とねたみにとりつかれて、あらかじめその取り巻き連中を食べ尽くせと命じられている、あの予言に出てくるいくつもの頭をつけた巨大なヘビに餌を与えているものが、それをもたらす」
デイビッド・スワローは聖なる白いバッファローの子供の娘は争いが続いていたたいへんなときに人々に平和を呼び戻し、人としてのよい生き方をとりもどさせるためにやって来るのだと、彼の一族の伝統的なお話しを引き合いに出した。
聖なるバッファローの子供の娘はまずふたりの人間の前に姿をあらわした。この最初の遭遇において、ひとりは深い尊敬をあらわし、正しく心ある行動を取ったことで栄誉を受けた。もうひとりはよこしまな思いを抱いたためにその場で飲み込まれて土に還されてしまったのだと。
スワローは今再び同じことがこの世界で起こると信じている。彼は話した。「この仔牛の誕生はそのことを象徴しており、再び悪が滅びることになるだろう」
「白人の国々、今の世界で大きな力を持つ文化の国々は、すべての人々が互いに、そして母なる地球との関係において、平和で調和がとれた、善なる生き方に帰るべきときがきている。それができたときにのみ、われわれのこの世界で、いのちも続くことができる」
パイプを預かる世界のすべての人へ
しかし、スワローによれば、白い仔牛は主要国にたいするメッセージだけでなく、同時に「先住の民の国々」にとっても明確なメッセージであることは疑いようがないと言う。彼は、聖なる白いバッファローの子供の娘によって「神器であるカヌンパ(聖なるパイプ)」が、彼の一族にもたらされたことを指摘した。聖なるパイプは、正しく善なるやり方で用いられて祈りが捧げられることで、心からの祈りも聞きとげられるのである。
デイビッド・スワローはそこで「チャヌンパを持つすべての人たち」に呼びかけた。
「聖なるパイプを預かるものは、ネイティブ・アメリカンであれ、他のどこの人であれ、そのチャヌンパを毎日取りだして、平和と調和とわれわれの世界が良き道に帰ることを希求する日々の祈りに、それを用いる必要がある。お金に心を奪われている人々の目を覚まさせ、利益のために母なる地球を破壊することを止めさせて、母なる地球の健康が回復するように祈らなくてはならない。それだけでなにかが起きる。なにかとてつもなくリアルな変化が起きる。チャヌンパは、すべてのそれを預かるものによって、この目的のために使われる必要がある。チャヌンパを持つものは、それを毎日欠かさずにおこない、その祈りを心に抱いて歩いていかなくてはならない」
スワローは続けた。「わたしは英語の使い方がうまくない。だから、注意して話さないと、間違った言葉を使って誤解されかねない。しかしこれだけはしっかりと理解してほしい。われわれは、誰であれみな、祈ることが必要なのだ。チャヌンパを預かるものであろうがなかろうが、それはかわらない。あなたがアメリカ人であろうが、はたまたアメリカ人でなかろうが、それもかわらない。われわれは祈らなくてはならない。なぜなら、祈ることによってのみ、この世界は救われるからだ。世界を破滅させようとする人たちのハートを変えられるのは、祈るものたちによってのみなのだ」
「わたしは、これがわたしたち人類に与えられたセカンド・チャンスなのだということを伝えた。人々が目を覚ましてこのメッセージを聞いてくれることを祈るものである。われわれのいのちも、われわれの世界も、すべてはそのことにかかっているのだから。ホ・ヘクチュ・イェロ。わたしは言葉を送った」
参考 ラコタの聖なる人であり、メディスンマンでもあった故ジョン・ファイアー・レイム・ディアーが、1967年に語ったホワイト・バッファロー・カーフ・ウーマンについての話
「☆White Buffalo Calf Woman Story」カテゴリの記事
- チーフ・アーボルが出した最も新しいメッセージを解読する(2007.12.01)
- いつまでも見守ってくれるといいのだが(2006.12.25)
- 白いバッファローと虹(2006.12.13)
- グレイト・スビリットは急いでおられるのか(2006.12.11)
- 白いバッファローの子供は雷に撃たれて死んでしまった(2006.11.28)
「To All My Relations」カテゴリの記事
- わたしにつながるすべてのみなさまへ(2010.04.03)
- 一月の二回目の満月が訪れるまでの間のtweets収録(2010.02.08)
- 冬至、クリスマス、新年を間にはさんで月が満ちて欠けて消えるまでのtweetsを公開(2010.01.14)
- 『地球のレッスン』が本日発売されました(2009.12.18)
- ほぼこの1ヵ月の間にぼくがTwitterで公開してきたものなど(2009.12.14)
「Mother Earth News」カテゴリの記事
- World Peace & Prayer Day 2010(2010.05.24)
- 佐渡でトキがバンドをつくった(2009.10.28)
- 新潟大学の近くに飛来した雌のトキに大学が訪問を祈願して学長の名前で交付したとされる学生証(この女の子のトキは昨年9月に放鳥された)(2009.10.23)
- 復元された過去1300年の北半球の気温の変化(2009.10.16)
- 今朝の6時、公式に秋がはじまりました(2009.09.23)
The comments to this entry are closed.
Comments