« 体をすぼめて、頭を隠せ | Main | 100まで数える (オマハに伝わる教えの物語) »

Friday, October 06, 2006

フル・ハーベスト・ムーン

Full Moonひどい雨が降り続いていて、今日は中秋(旧暦8月15日)の明月が見れそうもない。明日の満月はどうだろう? 明日の満月は「フル・ハーベスト・ムーン」と呼ばれてる。秋分の日に最も近い満月で、この時期、太陽が沈むのとほぼ同じ時刻にのぼってくる。月が煌々と輝いて夜も明るいので、あれもこれも作物が一度に熟れて収穫時となり大忙しの農家では、このときばかりは月明かりのなかでも穫り入れができることから、「ハーベスト・ムーン」という名がつけられたという。たいていハーベスト・ムーンは9月下旬のことが多いが、数年に一度今年のように10月上旬になることがある。

隣の林の中で鳥たちがけっこうさえずりあっているので、もしかしたら明日の夜には雨もあがってフルムーンが、あらゆる色を奪い去る不思議な光を投げかけるかもしれない。月明かりのなかでまるでモノクロテレビの画面のように見える風景が浮かびあがるかも。世界が灰色に見える月明かりのなかで世界をいつまでもじっと見つめていると、あるとき灰色がブルーに変化することに気がつく。ぼくはアメリカの沙漠という人工の光が全くないところで、目が闇に馴れたあといきなり訪れるこの青く見える世界を、我を忘れて見ていたことがある。

Blue Moon Light写真家の石川賢治という人が、長いこと「月光浴」というシリーズで、この青い光のなかの自然を意図的に撮影して写真集を作られている。たまたま氏の最初の写真集『月光浴』(小学館刊)を編集した編集者が友人だったので、その写真を見せられたときには驚いたものだった。映画撮影の時などにはその雰囲気を出すためにわざわざ夜間にブルーのフィルターを使うこともあるという話を聞かされたことがある。

機会を作ってまた、大自然のなかで、夜の世界が青く見えるようになるまで、月光浴をしていたいものである。

|

« 体をすぼめて、頭を隠せ | Main | 100まで数える (オマハに伝わる教えの物語) »

Mother Earth News」カテゴリの記事

Comments

太陽にありがとう!

私の住むところからは、雲の切れ間から中秋の名月を見ることが出来ました。
その時、太陽と月そして地球にいる私が、光でつながれている。 そんなヴィジョンを見ました。
「そうか!! この美しい月も、太陽あってこそなんだな。」

今朝、太陽にお礼を言うと さらに明るく輝いたようでした。

 

Posted by: きよみ | Saturday, October 07, 2006 08:05 AM

昨晩、横浜から川崎まで歩きました。色々迷って4時間くらい。
その時もずっと、全てを照らすような満月の光を感じていました。
嵐が曇った空気を持ち去り、世界が澄んでいました。
知らず、涙が出ました。そして今日は筋肉痛です。

Posted by: ゆきやなぎ | Sunday, October 08, 2006 11:39 PM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference フル・ハーベスト・ムーン:

« 体をすぼめて、頭を隠せ | Main | 100まで数える (オマハに伝わる教えの物語) »