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Saturday, September 30, 2006

感謝の気持ちを送ります 北山耕平

本日、累計アクセス数が40万を超えました(と思う ^^;)。なにぶんあまりココログの解析があてにならないもので、大雑把なことしか言えないのだけれど、2004年の3月25日(木曜日)に「そらがおちてくる」というズニ一族に伝わるお話しを掲載したのが最初だったから、おおよそ2年半でこの数字である。多いのか少ないのかはわからないが、それなりの数の人たちが定期的に訪れてくれることが精神的に大きな励みとなっていることは間違いない。とりあえずの区切りの通過点とはいえ、ここで初心にかえって、心からのお礼を申しあげます。またこれまでドネーション(寄付)という形でこのサイトの継続維持のために物質的経済的なご援助をいただいたみなさまにも、いちいちお名前はあげませんが深くお礼申しあげます。

ここにささやかなお礼として、1899年6月24日にカナダ、ブリティッシュ・コロンビアの北バンクーバーに生まれ、1981年の9月23日にバンクーバーでスピリットの世界に帰られたチーフ・ダン・ジョージ[ほんとうの名前は「水面より立ちのぼり大地のうえを渡る雷」]という——数々の映画にインディアンのチーフとして出演された優れた俳優でもあり、北米先住民の価値観や信仰を美しい言葉で残そうと尽力された——太平洋沿岸のサリッシュ一族のエルダーの祈りの言葉を日本語にして書きとめておきます。

Imagename

願わくば夜空の星があなたの悲しみを運び去りますように。
願わくば花たちがあなたのハートを美でみたしますように。
願わくば希望があなたの涙を永遠にぬぐい去りますように。
そしてなによりも沈黙があなたを強くしてくれますように。

チーフ・ダン・ジョージ 沿岸サリッシュ一族

Imagename

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Thursday, September 28, 2006

目の前にあるただひとつの道

あらゆるものがあなたのためにそこにある。あなたのたどる道はあなたの前にまっすぐ続いている。その道が見えないこともあるかもしれない。だが道はそこにある。その道がどこに続くのかあなたにはわからないこともある。しかしそれでもあなたはその道に従わなくてはならない。その道は、創造主のもとへ続く道なのだ。そしてそれが唯一の道でもある。
レオン・シェナンドァ オノンダガ イロコイ国エルダー


この地球に存在するありとあらゆるものには、そこに存在するための目的があり、明確な理由がある。おそらく人間は誰もがみなひとり残らず戦士であって、戦士であるからには、その人間は心に歌を、どうしても歌われなくてはならない歌を、ひとつ持っていることになっている。もしその歌がうたわれなければ、その人の魂は永遠に休まることを知らないままになるだろう。

自分の心のなかに秘められている歌われなくてはならない歌とは、偉大なる精霊のために仕え、人々の助けになることについての歌ときめられている。その歌はいつだって人々のために歌われることになる。人生には困難なことがさまざまに待ちかまえていて、どうしてこんなことをやらされなくてはならないのかと思えることもけしてないわけではない。だがそれは自分にとって知ることが必要だったものなのである。知らなくてはならないことであり、どうしても体験しなくてはならないことだったのだ。

それを体験することで、はじめて自分は人々の力にもなれる。困難な目に陥っているからといって、それが道を外れているということでもないし、間違ったことをやらかしてしまったというわけでもない。なぜそんなことをやらされているのかというと、試練が連続するときにおいてはそれが偉大なる精霊の意志であるからだ。そんなときに心がねじ曲がらないようにするには、自分の心をいつもたくさんの祈りでみたしておかなくてはならない。ここでいう祈りとは、経典や聖典の言葉を空で言えるようにしたものではなく、自分の心から流れ出す自然な言葉による祈りである。ネイティブ・ピープルの祈りの言葉は『聖なる言の葉 ネイティブ・アメリカンに伝えられた祈りと願い』(スタン・パディラ編集、北山耕平翻訳/マーブルトロン発行/中央公論新社発売)にたくさん掲載されているので参考にされたい。

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北山耕平 公開講座のお知らせ(再掲)

microphone 朝日カルチャーセンター新宿校で一週間後の9月30日に公開講座をおこないます。興味のある方はご参加ください。テーマは「食べもの」ですが、ドリンクや食べものは出ません:-)

食べものとスピリット
ネイティブ・アメリカンに学ぶ

    
日時 9月30日(土)午後5時(17時)〜7時30分
場所 朝日カルチャーセンター新宿校(新宿住友ビル)
講座番号[0484059]
講師 北山耕平
電話 03-3344-5450
受講料 3880円(一般)3360円(会員)

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Wednesday, September 27, 2006

地球の温暖化が危険なレベルに

How Earth Temperatures Changed

地球規模の気温の上昇が過去数百万年で最も高く危険な状態に近づいていると2日前に科学者たちが警告した。研究によれば、地球全体の気温がこの30年間に0.2度(C)ほど急激に上昇していることがわかったという。

地球全体の地表の平均温度は15度から16度といわれているが、仮に地球の気温があと1度上昇するだけで、過去数百万年に最も気温が高かったときに匹敵するまでになるらしい。今回警告を発した研究グループのリーダーである航空宇宙局(米国、NASA)のジェームス・ハンセン氏は「この数字はわれわれが自らつくりだしている公害によって危険なレベルに近づきつつあることを示している」と語った。

アメリカ環境保護局は人間が原因の温室効果ガスが過去50年の気温上昇の最大の原因であるとしている。さまざまな要因があるものの、とりわけ化石燃料を盛大に燃やすことから発生するガスが、地球の表面に熱を閉じこめる働きをしているようだ。

ハンセン氏は「このままあと1度地表の温度が上昇すれば危険な限界を超えるだろう」と言う。この研究に直接参加していない気象学者のアラン・ロボック氏(ルトガーズ大学教授)も気温の上昇を認めたうえで「過去数千年になかったぐらい気温が上昇していることは間違いありません。これが数百万年となるとデータがないのでなんとも言えないし、調査結果の詳細を見たわけでもないのですが、おそらく正しいのではないか」と語る。

今回の調査でもうひとつわかったことは、極地に近づくほど温暖化が激しさを増していると言うことだ。なぜこういう事が起こるかというと、地球が温まると言うことは雪や氷が融け出すということで、それまで白いものに覆われて太陽光を宇宙に反射していた地表の部分が減少して黒い地表が露わになり、その部分がさらにたくさんの太陽エネルギーを吸収するようになるからという仕組みらしい。

このブログでも先日「北極海がやばいことになってる」(Native Heart, Friday, September 15, 2006)でお知らせしたばかりだが、温暖化が最も顕著なのが図を見てもわかるように南と北の極地周辺である。

しかし緯度が高くなればそれでもまだ気温の低いところが残っていて、そうした気温の低いところでないと生き残れない動物や植物たちが、今までの生活空間が気温の上昇によって耐えられなくなって、こぞってそうした気温の低い場所を求めて移動を開始しているというデータもある。

今回「地球温暖化が危険なレベルに」という警告を報じた「ライブ・サイエンス・ブログ」は2003年の調査結果として、1700にもおよぶ植物や動物の種が、過去50年間、ほぼ10年ごとに6.4キロずつ南北極地に向かって移動しているとする科学者の報告を伝えているし、1975年から2005年までの30年間を取りあげれば、その移動の速度は10年ごとに40キロにもなるとしているのだ。

「気象圏の急激な移動は自然界に暮らすものたちにストレスを与えています」とハンセン氏は語る。「このままの勢いで人類が開発を続ければ、生息環境を失うことによってさらなるストレスが加えられるでしょう。われわれが地球の温暖化の速度を遅らせなければ、多くの種が絶滅しかねないのです。言うならば、われわれは彼らをこの惑星から追放しようとしているのです」

*巻頭に掲載した図表はNASAが公開したもので、2001年から2005年までの平均気温の変化を地図上に色で表したもの。2005年は記録にある限りで最も熱い1年だった。赤が濃くなり赤茶に近づくほど温暖化が激しいところをあらわし、紫色に近づくほど気温が低くなる。

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Tuesday, September 26, 2006

コカの葉は白い色をしていない

「ここにあるのがコカの葉です。緑色をしています。コカインのように白くはありません」

先住民指導者として史上初めてボリビアの大統領に選出されたエヴォ・モラレス大統領が、9月24日に開催された第61回国連総会で192ヵ国の国の代表を前にした演説に際し、演壇で一枚のコカの葉をさながらトロフィーのごとく高く掲げておもむろに口にした言葉。彼はそれに先立ち「親愛なる兄弟姉妹の大統領たちよ」とまず呼びかけ「わたしは歴史的損害を修復するためにやってきました。それは過去500年のあいだに引き起こされた損害です」と議場から語りかけたと翌日の新聞記事「モラレスは先住民グループの代表としての独自性を固めつつある」(マーキュリーニュース)が伝えている。

arrow2 "Morales forges identity as representative of indigenous groups" by Pablo Bachelet, The Mercury News, Posted on Mon, Sep. 25, 2006

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Monday, September 25, 2006

クマの目から世界を見ることが必要

Bear Medicineこのところまたしきりと熊が出没するというニュースが流されています。まるで熊が凶暴である(だから射殺すべきなのだ)と宣伝するためのプロパガンダのようにも聞こえて、正直なところクマ好きの小生にはつらい季節です。

クマはとても集団生活を好みながらもひとりで行動する人たちで、たいていはごくちいさな群れとして生活しています。しかし一年のうちでもこの季節は、ものみな熟れる実りの秋の時期であり、であるからこそクマたちも最も活動的になるときでもあるのです。春から夏にかけての熊たちは山の奥の川で魚を捕まえたり土の中の虫や昆虫を捕まえて食べたりしながらなんとか生きています。そして秋が来てものみなすべてが熟れはじめる今ごろになり、木の実や果実が手に入れやすくなると、きたるべき冬に備えて体重を蓄えはじめなくてはなりません。

この時期になるとクマたちはそれぞれが群れから離れて単独で行動をするようになります。群れからどんどんと離れて、多分に自己中心的となり、自分に必要なものだけを考えつつしきりと探し回るのです。自分以外は目に入らないと言っていいかもしれません。そういう人だっているでしょう。

春から夏にかけては、群れで共同で地虫の巣を掘り出す作業などほほえましくしているのですが、秋になると他のクマのことなどほったらかしで自分の腹をふくらませるためだけに精を出すようになるのです。クマは、やがてくるものをおそれているのでしょう。確実に冬が近づいていることを察知しているのです。こうなると、食べものを巡ってクマ同士で争うことも珍しくありません。だからこそ一人きりになってなんとか冬を乗り切るだけのものを体に脂肪として蓄えておこうと目の色をかえているのです。

ひとりになることを好むということは、多分に内省的になるということでもあります。自然を見る才能に優れたネイティブ・アメリカンの人たちは、いかなるときにもクマをきわめて神聖な生き物として扱います。だから熊の住んでいる山はきわめて神聖な山なのです。たとえばシャイアンの人たちにとって最も神聖な山はサウスダコタのブラックヒルズのにある独立峰「ベア・ビュート」——その神聖さがまさに奪われようとしているすべての平原インディアンにとっての聖なる山——とされていて、そこは文字通り「熊の山」なのです。

日本列島の先住民であるアイヌもまた熊をきわめて神聖な生き物としてみた人たちでした。昨年の今ごろにもこのお話を紹介した記事(わたしたちのものの見え方をとおして世界のすべてに影響を与えうる物語)を書いたのですが、改めて今もういちど紹介しますので、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構のサイトにある「ちいさなくまのカムイのおはなし」(再話・鈴木隆一)というメディスン・ストーリーを今だからこそお読みいただきたいと思います。

わたしたち人間も、自然界においては完全な生き物などではありません。かつてローリング・サンダーというエルダーに小生は「完全なものなどない。あるのは完全に向かおうとする力なのだ」といわれました。どうか熊はわたしたちになにかを伝えようとしているのだということをご理解いただきたいと思います。

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Friday, September 22, 2006

女性にたいする暴力は伝統的な共同体ではありえなかった

newsメリカン・インディアン・ウィメンズ・ケミカル・ヘルス・プロジエクトという名称のグループが、「ネイティブ・アメリカンの女性の4分の3がその生涯においてなんらかのかたちで暴行を経験する」と主張している。にわかに信じがたい数字かもしれない。アメリカの国立傷害予防対策センター(National Center for Injury Prevention and Control)が提出した数字はそれに比べてかなり控えめであるものの、しかしそれでもかなりゾッとするものがある。それによれば「アメリカン・インディアンおよびアラスカのネイティブの女性がレイプされる率は34%にのぼっており、黒人女性の19%、白人女性の18%にくらべてかなり高い」のだそうだ。

法務省の肝いりで先ごろコロラド州デンバーに総勢100人を超すネイティブ・アメリカンやアラスカのネイティブの代表が集まり、実際の数字を確認しあった結果、先住民の権利のために様々な活動を続けてきたナショナル・コングレス・オブ・アメリカン・インディアン(NCAI/全国アメリカインディアン議会)の会長も「DV(家庭内暴力)や性的暴行の蔓延を憂慮している」と認めるに至った。

NCAIの公式の発表によれば「アメリカン・インディアンは一般的に他の人たちに比べて生涯に暴行を受ける率がはるかに高い。アメリカン・インディアンとアラスカのネイティブの女性の3人に1人が強姦されている。アメリカの一般の数字では強姦の被害者は5人に1人である」となる。

この驚愕すべき数字を前にしてネイティブのリーダーのひとりは「女性にたいする暴力はわれわれの伝統的な共同体ではありえなかった」と語った。今後は独自に法律による規制を求めていくことになりそうだ。

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秋分の日にジャンピング・マウスを聞く

「メディスン・パワーが ほしくは ないかね?」
Jumping Mouse 太陽が天球の特別なポイントを通過する明日23日、秋分の日という地球の特別な日に、東京の町田市で、ジャンピング・マウスのストーリーテリングの公演と、小生の講演があります。

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Thursday, September 21, 2006

南北アメリカ大陸先住民の代表が国連で会談

news米大陸に属するアイマラ先住民の指導者で、今年ボリビアの大統領に選出されたエヴォ・モラレス・アイマ氏が、第61回の国連総会にはじめて参加するためにニューヨークを訪れ、この9月18日月曜日に、国連の建物で北米先住民の指導者たちのグループと会談した。

この歴史的な会談に参加した北米先住民は、ホーデノショウニ、ラコタ、クリー、タイノのそれぞれの部族の代表で、ホーデノショウニからは、タドダホ・シックスネイションズ・イロコイ連合国のシド・ヒル氏、オノンダガのエルダーであるチーフ・オレン・ライオンズ氏、オグララ・スー国部族会議議長チーフ・アレックス・ホワイト・プラム氏、エミネスキン・クリー国チーフのJ・ウィルトン・リトルチャイルド氏、タイノ同盟連合地区代表のロベルト・ムカロ・ボレロ氏といった人たち。他にも人権団体の代表も参加した。

会談のかなりの部分は土地問題、資源問題、政治における伝統的先住民の活性化、環境の保護と管理に費やされたし、1493年のローマ教皇大勅書の撤回を求め、国連世界先住民族権利宣言にむけての支援も要請された。モラレスボリビア大統領は彼の属する政党が続けてきた「抵抗の500年」キャンペーンを継続することを表明したが、最終目的は「権力への抵抗」を超えたその先にある「人々が健康に生きること」にあると強調した。

会談後モラレス大統領は、北米先住民の代表たちをボリビアに招待し、このような会議は「母なる地球の擁護者としての自分の義務」であり、会談は成功だったと語った。

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ネイティブ・ピープルとアイ・チン(『易経』)

ネイティブ・ピープルの基本的な世界認識に「この世界にある一切すべてのものは網の目のようにつながっている」とするものがある。「オール・マイ・リレーションズ」(わたしにつながるすべてのものたちよ)という祈りのしめくくりの言葉もそこから産まれてきたものだ。東洋においてこの考え方を最もよくあらわしているのが『易経(変化の書)』という書物で、ぼくはもうここ20年間ぐらいいろいろな『易経』の本を読み続けてきた。

実際『易経(I-Ching)』の書物だけで蔵書は数十冊あり、なかには英語のものも多くある。「易」というと多くの人は「占い」だと考えるが、それは正しくもあり、同時に正しくもない。なぜこんなことを書いているかといえば、昨日友人で易の研鑽者と久しぶりに談笑したとき、結局極東アジアでいちばんネイティブのシャーマニズムの精神を色濃く残しているのが『易経』という書物であるという結論で一致したからだ。

『易経』は、シャーマニズムと漢字の出会いが幸運に働いてうまれおちた結晶のようなもので、この書物は「地球のネイティブの世界観を知るために使える数少ない書物」なのである。例えば易の八卦の概念はネイティブ・アメリカンの人たちのメディスン・ホイールという考え方とよく似ているところもある。

易で思い出したが、そういえば、もとビートルで今はなきジョージ・ハリスン(George Harrison)も、歌を作るときのインスピレーションを『易経 I-Ching』に求めるとかつてインタビューで語っていた。より詳しく彼の言葉を引用すると "( I-Ching) seemed to me to be based on the Eastern concept that everything is relative to everything else, as opposed to the Western view that things are merely coincidental." となる。「易というのはあらゆるものがその他のあらゆるものと関係しあっているとする東洋の概念に基づいているようにぼくには思える。それはものごとが起こるのは単なる偶然に過ぎないとする西洋の物の見方と対極にあるものなのだな」と翻訳できる。

まあぼくはさまざまなきっかけや出会いがあって『易経』の本をときどき思いついたように読むようになり、今日に至っているわけだけれど、それは「この宇宙にあるものが網の目のように全部つながりあっていて、そのどこかに影響を与えると、変化は網の目を伝わって宇宙のすべてに影響を与える」ということを瞬間瞬間に確認するためなのだ。

arrow2 Another Way(きもちよく今を生き延びていくために)ここは、友人の Hosokawa"dancing stone"Hirotsugu 氏が毎週の運気を易断して解説してくれるサイト。毎週月曜日に更新。

"While My Guitar Gently Weeps" by George Harrison

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Wednesday, September 20, 2006

話す石の出現

Native Japanese Rock Art

「青森市の三内丸山遺跡に隣接する近野遺跡から3体の人物が線状に刻まれた石器が見つかった」と青森県埋蔵文化財調査センターが発表した(写真と記事)。3500年程前の日本列島(本州東北部)の住人が残したこのピクトグラフの描かれた石器は、人物画を正面にすると、高さ6.1センチ、幅7.4センチ。3体は鋭利なもので彫り込まれ、2体は横たわり、やや小さめの1体は逆立ちの状態。同センターは、肩の様子などから、横たわった上の人物が男性、下が女性、逆立ちしたのが子供で、家族を表しているのでは、と見ているらしい。(ここに掲載した図版は、公開されたものをぼくの気まぐれから90度回転させてある)

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太陽が生まれれた日

machu_picchu月20日から3日間、秋分の日まで、古代ペルーのインカ帝国では「太陽の誕生日(BIRTHDAY OF THE SUN)」とされていた。太陽寺院で燃やされている聖なる火をふくむすべての火が、この3日のあいだ消される。そして神官が特別にあつらえられた鏡と聖別された綿布を用いて、再び太陽の力を借り受けて寺院の聖なる火をおこす儀式がおこなわれ、太陽寺院の祭壇に火がいれられると、帝国中にその火が配られていく。生け贄がささげられ、そのあと8日間にわたって祝宴が続いた。

インカの人たちは自分たちのことを太陽の子供と信じていた。彼らの言葉で「インティ」は「太陽神」を意味し、インカの人たちの祖とされる。インカ帝国の古代都市遺跡であるマチュピチュには太陽神の通り道を影であらわしている一種の影時計がある。インティとその妻パチャママ(大地母神・マザーアース)の二柱の神は慈悲深い存在であり、古代インカの伝説によれば、インティは息子と娘に文明の技を教えて地球に使わし、それによって人びとを導かせたとされる。

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Friday, September 15, 2006

I Will See You Soon! (改訂)

eagle feather

北山耕平 大阪でトークライブのお知らせ

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北極海がやばいことになってる

news航空宇宙局(NASA)の研究者が少し気になるデータを公開した。北極海で急激に海の氷が減少しているというのである。彼らがはじき出した数字では、これまで一年を通して——夏の間ですら——融けることのなかった氷が、2004年から2005年のあいだに14パーセントもいきなり縮んでいるそうだ。この数字をもう少しわかりやすく言うと、テキサス州と同じくらいの面積の氷が一年間に融け出してしまったわけ。それ以前は10年間に1.5パーセントぐらいのものだったから、違いがよけいに際だっているらしい。

next The Incredible Shrinking Arctic(Science News And Research, 9/14)

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Thursday, September 14, 2006

インディアンの方が一枚上手(うわて)だった

せっかくおいでいただいて恐縮ですが、この記事は、書籍化にともなって、削除されました。ここにあったジョークは『インディアンは笑う』(マーブルトロン発行・発売中央公論社)に、改訂版が収録されています。どうか本でお笑いください。
北山耕平 拝

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Wednesday, September 13, 2006

NUCLEAR NATIVE EARTH

RADIO ACTIVE白山から昨日の午前に戻った。終日仕事に追われ、眠りについたのが午後10時過ぎ。今朝目を覚ましてコーヒー(ローリング・サンダーが「ブラック・メディスン」と呼んでいたもの)を飲みながらたまったメールを整理していたら、くしくも「高レヴェル核廃棄物処理場」についての知らせがふたつ届いているのを見つけた。

良いニュースと悪いニュースがある。

あちらでは高レベル核廃棄物処理場計画を撤回
まずは良いニュースから。アメリカのユタ州にあってウエスタン・ショショーニの隣の部族であるゴシュート・インディアンの居留地のなかのスカル・バレーという沙漠に建設予定だった「高レベル核廃棄物処理場」計画をアメリカ合衆国の国務省がとりあえず断念したというニュースだ。こういう計画の背後では当然莫大なお金がちらつかされるわけで、ゴシュート・インディアンは部族の中の賛成派と反対派で二分されていたし、ショショーニをはじめ近隣のネイティブや住民を巻き込んでの反対闘争が9年間続いただけに、計画撤回に追い込んだ意義は大きい。長く困難な反対闘争の前面にたち続けたショショーニの精神的指導者たちがこの反対闘争に有形無形に支援の手をさしのべてくれたみんなに感謝のメッセージを出している。「これはわれわれみんなの勝利である」と。

しかしただ無邪気に喜べばよいと言うものでもない。ゴシュート・インディアンの推進派のなかには、高レヴェル核廃棄物処理場よりもはるかにやばい「核燃料サイクル処理場」のスカル・バレーへの誘致をもくろんでいる人たちがいるからだ。今後はこの動きにも目を光らせ続ける必要があると、とりあえずの勝利を喜ぶショショーニの人たちを支援するグループからのメールは伝えていた。

こちらでは高レベル核廃棄物処理場誘致計画前進
そして悪いニュースの方をお伝えする。当ブログの読者の方からのメールで、われわれの暮らしている日本列島の、かつて倭人によって「大八洲(おおやしま)」と呼ばれた八つの大きな島のひとつである四国という島の母なる川四万十の源流にあたり、貧しい政治の結果による過疎と財政難に苦しんできた高知県の山奥の津野町(Google マップで航空写真地図を見てください)に、高レヴェル核廃棄物処理場の建設計画がもちこまれて、昨日12日の町議会で全会一致で誘致が採択されそうだと知らされた。このあきれるほどに悲しいニュースを伝えるブログをぜひ見てくださいと。

アドレスを教えられたブログ「空をみるひと」というブログによれば、もともと奄美大島に建設計画が持ちあがり、地元の強硬な反対で流れた計画が、四国の山間地で四万十川の源流点にあたるこの町に、おいしい話として持ち込まれたのだ。昨日のことなので、すでに採択されたたのかもしれない。でも手遅れになったわけではない。たくさんの人たちの意識をこの四国の山の中の小さな町に集める必要がある。ぼくの所にメールを送ってくれたその人は「こういう事に対して、知らないふりもできないし、他人事でもない。」と書いている。

ショショーニの人たちが、自分たちの裏庭である沙漠に計画されたの高レヴェル核廃棄物処理場を9年という長い月日をかけて断念させたことからでもわかるように、核廃棄物処理場を巡る四国高知県津野町でのほんとうの闘いは、町議会が誘致を認めたときからはじまっている。人々が『津野町ラプソディー』を見なくてもすむようにするための長く困難な闘いのはじまりだ。とにかくその現場に、多くの人たちの汚れのない意識を集めなくてはならない。

巻頭の図版は mixi のなかにあり、ぼくも時々参加している「RA : RADIO ACTIVE」という「核兵器、原子力発電、ウラン採掘などによるヒバクの現状を愛によって越えるためのコミュニティ」のロゴタイプ。そして以下の呪文はその掲示板のひとつで最近更新されたもの。

追記(午後3時15分)「津野町に核廃棄物処理施設の誘致・建設に反対いたします」というネット署名箱がさっそく立ちあがっている。ここには関連するサイトへのリンクもある。なお記事のなかで紹介したブログ「空をみるひと」は現在アクセスができなくなっているようだ。

arrow2 「津野町に核廃棄物処理施設の誘致・建設に反対いたします」書名箱

arrow2 四万十源流と高レベル放射性核廃棄物最終処分場ブログ

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原子力について忘れてはいけない呪文(改訂版)

  • 原子力はクリーンエネルギーじゃない。
  • 原子力は安いエネルギーじゃない。
  • 原子力は地球温暖化への解答じゃない。
  • 原子力は安全なものじゃない。
  • ウラニウム採掘には危険がいっぱい。
  • 核兵器の投げかけた脅威は終わってない。
  • 核廃棄物の問題はずっと未解決のまま。
  • 核施設の誘致はその土地を豊かにしない。

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Tuesday, September 12, 2006

ホワイト・バッファローの男子誕生

Miracle's Second Chance Website

ウィスコンシン州のジェーンズヴィルという典型的なアメリカの田舎町の郊外にある牧場(ハイダー牧場)で白いバッファローの女の赤ちゃんが誕生したのは12年前の夏(1994年8月20日)ことだった。人間性の回復と希望、そしてあらゆる生きてあるものたちとの調和の象徴としての白いバッファローの娘の降臨は、長くラコタの予言に伝えられていたものであり、ネイティブピープルのみならず世界中の多くの人たちの関心を集めたハイダー牧場の白いバッファローは、「ミラクル」と名づけられて大切に育てられた。彼女が誕生したことをきっかけにして、「WPPD(World Peace & Prayer Day)」がはじまり、その影響下でこのブログもはじまったことは、すでにどこかでお伝えした。ミラクルは4回毛の色を変化させた後、正確には白色から黒色へ、そして赤色へ、最後に黄色へと毛の色をかえたあと、日本列島の富士山で「WPPD(せかいへいわといのりの日)2004」が行われた年の秋に、この世界の旅を終えた。正確には2004年の9月19日に、突然一切の食べものを食べなくなりそのまま死んだ。ここまでは過去の事実を追いかけて記述したに過ぎない。

そして今年の夏、つい2週間程前の8月25日、場所もまったく同じウィスコンシン州のジェーンズヴィルのハイダー牧場で、再び奇跡が起きた。雷をともなう嵐が牧場を包んで去った直後の早朝、またしても白いバッファローの子供が生まれたのである。そして今度は男の子だった。ミラクルがそうであったように、この男の子もいわゆる「アルビノ」ではないという。ハイダー夫妻はいたずらに世界の好奇心をかき立てたくないとの理由から9月8日までこの事実を公表しないできた。

ミラクルの再臨か
ハイダー牧場の人たちによって、新しく地球にやってきた彼は「ミラクルの再臨(Miracle's Second Chance[ミラクルに与えられた2回目の機会])」と命名されていた。ハイダー牧場のハイダー夫人は、なぜその名前をつけたのかという質問に、彼の仕草などが最初のミラクルとよく似ているだけでなく、その姿形までもが「そっくりだったから」と応えている。また牧場で飼育されている他のバッファローたちの群れも、彼がミラクルと同じようなユニークさを持っていることに気がついていることは明らかだという。バッファローの群れたちは、ミラクルの時がそうだったように、「ミラクルの再臨」くんもまた、群れのまんなかに常に位置するように意図的に行動しているそうだ。また別の母親バッファローは、自分の子どものバッファローが彼に突っかかろうとすると、わざわざ間に入って喧嘩をさせないようにしてもいるらしい。

この驚くべき「ミラクルの再臨」は遺伝学的にはミラクルとはまったく縁もゆかりもない。それほど遠くない昔に、ミズーリ州でハイダー牧場の主が、家の牧場のバッファローの群れに元気と活力を与える目的で購入した品評会のグランド・チャンピオンのバッファローが母親である。雄親は荒くれで凶暴な困りものの10ヶ月の雄バッファローで、しきりと牧場のフェンスを跳び越えようと試みる厄介者だったらしく、子供が生まれるのを見る前に食肉として解体されて、ハイダー氏に言わせると「とっくにハンバーガー・ヘルパーにされて」しまっていた。この雄が種付けをして現在妊娠中の雌のバッファローが他にまだ二頭いる。

女の子でなくて残念の声も
ミラクルが誕生した1994年以来、全米各地でホワイト・バッファローが何頭も生まれるようになっていることにお気づきだろうか? なかには「アルビノ」のものがいて、アルビノの場合は普通は「白いバッファロー」の数には加えられないし、そうでなくてもたいていはみな長生きできない。他の牛との混血だったというケースもある。もちろんなかには生き続けているホワイト・バッファローたちもいるわけで、今回新たにそのリストに「ミラクルの再臨」が加えられたことになる。

今度誕生したホワイト・バッファローが男の子であったために、予言の成就ではないし、ミラクルほどの神聖さはないのではないかとする声もある。しかし男であれ、女であれ、白いバッファローはネイティフ・アメリカンの国々においてはいずれにせよ神聖な存在と受けとめられてきたことは間違いない。スピリットの世界には「変性女子(へんじょうにょし・女性の御魂を持って生まれている)」という便利な考え方もある。ハイダー牧場にはこのニュースを受けて再び人々が祈りをささげに訪れはじめているし、そもそもハイダー牧場のあるその土地そのものが、ネイティブの人たちにとっては「聖地」とされ続けてきた土地なのだと主張する先住民もいるのである。

スピリットの世界でなにかが起きているらしい。

arrow2 ミラクルの再臨くんのこの2週間の記録写真ページ

arrow2 地元新聞 Janeseville Gazette (Published Saturday, September 9, 2006) の「White buffalo birth remains 'extremely rare'」という記事

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Thursday, September 07, 2006

大きな満月

今夜は眠れませんか? 満月のせいです。相模の国では薄い雲の向こうに満月が輝いています。今月の満月は、一年でいちばん大きい満月。BIG FULL MOON といわれるものです。月の軌道が一定でなくて、一方が地球にぐっと近づいているためにこういう夜があるのです。近い満月と遠い満月。今夜は近い満月なのです。

追記 調べてみると近い満月と遠い満月の間では50000キロメートルの差があるとありました。科学的には「近地点の月」「遠地点の月」と言われています)

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Wednesday, September 06, 2006

地獄にようこそ(笑話)

せっかくおいでいただいて恐縮ですが、この記事は、書籍化にともなって、削除されました。ここにあったジョークは『インディアンは笑う』(マーブルトロン発行・発売中央公論社)に、改訂版が収録されています。どうか本でお笑いください。
北山耕平 拝

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Tuesday, September 05, 2006

チーフ・ツー・ムーンの肖像写真

feather右サイドバーの巻頭にある Peace な写真を入れ替えた。いつものとおりノースウエスタン大学のデジタル図書館のなかに収蔵されているエドワード・S・カーティスが19世紀末から20世紀初頭にかけて撮影した北米インディアンの写真のなかから選んでいる。今回はシャイアンの著名なチーフ「ツー・ムーン」の肖像写真をとりあげた。チーフ・ツー・ムーンは1876年のリトル・ビッグ・ホーンの戦いで、スー(ラコタ)とシャイアンがひとつにまとまってカスター大佐が率いる第七騎兵隊を翻弄(ほんろう)した際にシャイアンを統率していたチーフたちのなかのひとりである。写真をクリックすると大きな画面に切り替わるし、さらにその大きくなった画像の下にある「Higher resolution JPEG version」をクリックするとより解像度の高い精密な写真で見ることが出来る。

チーフ・ツー・ムーンの「ツー・ムーン」は「ふたつの月」のことだ。シャイアンの言葉で「イシエオ・ニィシィ(Ishi'eyo Nissi)」といって、そのまま「ふたつのお月様」を意味するのだが、もうすこしわかりやすくいうとこの場合の「月」とは「2ヶ月」のことをいっている。ネイティブの人は月の数で時の流れを計るのが普通で、3ヶ月は「三つの月」という。シャイアンには「ツー・ムーン」という名前の有名なチーフがふたりいて、ふたりは叔父と甥の関係にあたる。写真のツー・ムーンは多くの白人との闘いで勇敢な働きをして名前を轟かせた人物。ノーザン・シャイアンの狐戦士ソサエティの一員だつたが、1877年にマイルズ将軍率いるアメリカ陸軍に投降した。それ以降はノーザン・シャイアン一族の代表としてアメリカ合衆国政府との交渉役となり、首都ワシントンに出かけて、1914年にはウッドロー・ウィルソン大統領と面会をしたりした。そしてその3年後に他界。モンタナ州のバスビィというところに今もチーフ・ツー・ムーンの墓がある。1936年にはチーフ・ツー・ムーンの功績を称えてモンタナ州に記念碑(Chief Two Moons Monument)が建てられた。

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記憶喪失症のアメリカ

Eating Fire, Tasting Blood世界でこのことを大声で言う人はネイティブ・アメリカンの人たち以外にはいないのだが、まぎれもなくこの500年間に南北アメリカ大陸で起こったことは、人類史上最大のホロコーストだった。アメリカは知らぬ顔の半兵衛を決め込んで、その事実を否定し続けるのだろうが、ヨーロッパからの渡来人とその子孫によるアメリカ大陸先住民の大虐殺は「なかったことにはするわけがいかないもの」である。ネイティブ・アメリカンにとってそれはおよそ消すことができるような記憶ではないのだ。

UCLAの教授でアメリカ・インディアンの作家としても著名なポーラ・ガン・アレン(Paula Gunn Allen)は今年出版されたアンソロジー『火を食べ、血を味わう——アメリカ・インディアン大虐殺についての大いなる沈黙を打ち破る』(マリホ・ムーア編著)["Eating Fire, Tasting Blood: Breaking the Great Silence of the American Indian Holocaust" by MariJo Moore]という時代を変える力を持った本——アメリカが最もおそれていた本——の中で「アメリカは記憶喪失に陥っている」と指摘した。アメリカが内側に抱え込んでいる孤独という病を癒すためには、意識をとり戻し、ネイティブのものをネイティブに返すしか道はないと、ポーラ・ガン・アレンはそのなかで語っている。

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Monday, September 04, 2006

あの女性は誰なのか?

Winona LaDuke

ドキュメンタリー映画『HOMELAND : Four Portraits of Native Action』(NHK題『母なる大地を守りたい——立ち上がるアメリカ先住民』)は4つのトライブについての実に興味深い報告だったが、そのすべてに登場していたのが写真の女性である。

ウィノナ・ラデューク(Winona LaDuke)。ネイティブ・アメリカンの世界では「サンダーバード・ウーマン」としてその名が知れ渡っているネイティブ・アメリカン出身のきわめて個性的な環境活動家であり、経済学者でもある。熊一族(ベア・クラン)。1959年生まれ。カリフォルニアのロサンジェルスで誕生。父親は北ミネソタ州のアニシナベ(チペア、オジブエ)の居留地出身の俳優兼作家で、50年代のハリウッド製の西部劇に数多く出演していた。母親はユダヤ人の芸術家で、南オレゴン大学の教授だった。

ウィノナ・ラデュークは高校生までを西海岸で過ごしたのち82年にハーバード大学に入学して経済学を学ぶ。先住民地区の経済で学位を取った後に、ミネソタ州のホワイト・アース居留地のなかにある高校の校長となり、そのままオジブエの権利回復の運動にのめり込む。1996年と2000年の大統領選挙に、アメリカ緑の党の副大統領として立候補し、大統領候補のラルフ・ネーダーの隣に立っていた。97年にはミズ・マガジンで「今年の女性」に選ばれたことがある。

Indigenous Women's Networkなどいくつかの運動組織の創設者であり、作家として本(『ラスト・スタンディング・ウーマン』は彼女の視点から一族の歴史を書きつづったもの)も書くし、「Skins」という映画にも出演したりしているマルチタレントの持ち主。ネイティブ・アメリカンのなかでは最も大統領に近い存在であり、期待の星でもある。実際に彼女がアメリカの大統領になることを望むネイティブ・ピープルはことのほか多い。

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Saturday, September 02, 2006

あなたのなかの小さな人へ

「すべての人に歌がひとつ与えられている。神さまがわしらひとりひとりに歌をひとつ授けてくれるのだ。それによってわしらは自分が誰であるかを知る。わしらの歌というのは、わしらが何者なのかを教えている」
チャーリー・ナイト ユートのエルダー


ネイティブ・アメリカン 叡智の守りびと(Wisdomkeepers: Meetings with Native American Spiritual Elders.)』[S・ウォール+H・アーデン著 船木アデルみさ訳 築地書館]という本の一番最初にチャーリー・ナイトのインタヴューが出てくる。そこで彼は、自分のなかに「小さな人(Little person)」がいるという話をしきりとしている。われわれひとりひとりのなかにいるその小さな人が、そこからわれわれを導いてくださるのだと、彼は言う。自分はその小さな人から歌を授けられたのだと。

このわれわれの内側に存在するリトル・パーソンのことは、古来さまざまな言い方がされてきた。あるひとはそれを「スピリット・ガイド(スピリットの案内者)」と呼んだ。スピリット・ガイドはさまざまな姿でわたしたちの前に現れる。頭(あるいはハート)のなかで聞こえる声だったりすることもある。単にひらめきだったり、虫の知らせだったりするかもしれない。友だちや親戚や見知らぬ人の口をとおしてスピリット・ガイドが話をしてくることもある。あなただってきっと、自分が思っても見なかったようなことを友だちに向かって言っている自分に気がついた経験があるはずだ。なぜあんなことをあのときに口走ってしまったのだろうか? 

スピリット・ガイドはまた、すでにスピリットたちの暮らす世界に行ってしまわれたひとたちの知恵とスピリットからやってきていることもある。同じようにスピリット・ガイドは動物の姿となってわたしたちの人生に介入してくることもある。

ひとりで「ネイティブ・ピープルの道を歩いていく」と決心して歩きはじめたとき、われわれは自分をひとりの「戦士」として自覚し、そのための準備を自発的にはじめる。チャーリー・ナイトという山岳に暮らしてきたユート一族のエルダーが言うように、そのとき道連れとして歌がひとつ与えられるだろう。

Kokopebbleこの歌は偉大なる精霊からわれわれひとりひとりにたいしての贈り物である。いついかなるときにであれ、この歌を口にすれば、勇気と力が与えられる。しかもこの勇気と力は、単に個人のためのものではなく、時と場合によってはその歌をうたってあげる相手にも同様にもたらされ、救いの手をさしのべてくれる。その歌によってわれわれは、いのちの道を神聖なものとしてみることが出来るようになるのだ。

われわれのなかにいる小さな人がその歌を教えてくれるのだとチャーリー・ナイトはいう。自分の歌をまだ持っていないものは、内なる小さな人に歌のありかを教えてくれるように頼まなければならない。そして彼が歌を授けてくれたときには、歌と一緒に責任も与えられる。自分の歌を裏切らないように、自ら戦士として自分の人生を切り開いていくという責任である。

チャーリー・ナイトは別のところでこんなこともいっていた。「誰もが正しい道を見つけなくてはならない。誰にもその道を見せることなど出来ない。ひとりひとりが自分の力でその道を見つけなくてはならない」

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Friday, September 01, 2006

連絡事項(9月1週)

Hello, everyone.

当ブログからの連絡事項です。Amazon.co.jpのなかにインスタントスト・アベータ版を使って先月から「Native Heart in Amazon.co.jp」を設置しました。9月になって来年のカレンダーのディスカウントがはじまったので、ネイティブ・アメリカン関係のカレンダーを追加。わかりにくいけれど右サイドバーに貼り付けてある

Shop Native Heart

このバナーが入口です。ご利用ください。

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今月の北山耕平の講演など出没先の予定です。

9月6日(水) 東京都 巣鴨
        こころとからだの健康セミナー
       「知恵のことわざ——アメリカインディアンの自然観に学ぶ」
        午前10時30分〜12時まで
        主催 財団法人三菱養和会
        会場 三菱養和会巣鴨スポーツセンター
           本館4階B会議室(巣鴨駅徒歩2分
        対象 18歳以上
        定員 120名 定員に達したため受付終了
        参加費 無料
    お申し込み 巣鴨スポーツセンター 03-3915-2711
      朝日カルチャーセンター事業部 03-3344-2041


  11日(月)石川県 白山山麓
        白山 虹の祭 ジャンピングマウス(古屋+のなか)奉納
        おおえまさのり氏との対談


  16日(土)大阪市 鶴見区
        サタデイ・イブニング・トークライブ 大阪
       「アメリカ先住民から学ぶ大自然と自分のつながり」
        午後16時30分から18時30分(開場16時)
        場所 Bambini Cafe (バンビーニ カフェ)
        電話 06-6912-7899 (Tel & Fax)
        住所 大阪市鶴見区横堤3−11ー1
        定員 40名ほど。
        参加費(1ドリンク付) 前売り3500円 当日4000円


  17日(日)大阪市 中央区
        サンデイ・モーニング・メディスン・トーク 大阪(予定)
        午前10時〜12時
        お問合せ先:oneblood 担当:柄(ツカ)
        電話 06(6241)8357
        Mail:info@oneblood.ne.jp


  23日(土)東京都 町田市
        ジャンピングマウス公演(古屋+のなか)with 北山耕平講演
        開場 午後6時(18時)開演 午後6時半
        場所 町田市民フォーラム 東京都町田市
        主催 NPO法人まちだ語り手の会
        参加費 2000円
        電話 042−795−3022
        Mail:makatari@at-duplex.bias.ne.jp


  30日(土)東京都 新宿区
        朝日カルチャーセンター新宿 公開講座[0484059]
        食べものとスピリット——ネイティブ・アメリカンに学ぶ」
        午後5時(17時)〜7時30分
        場所 朝日カルチャーセンター新宿校(新宿住友ビル)
        電話 03-3344-5450
        受講料 3880円(一般)3360円(会員)


それぞれの講演やトークや講座については、それぞれ一週間前に当ブログで最終案内を掲載します。

みなさんのご支援を感謝します。

Best wishes,
Kitayama Kohei

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