8月20日はミラクルが地球にやってきた日
「ミラクル」を覚えていますか? 雌の白いバッファローで、ラコタの伝説に出てくる「ホワイト・バッファロー・カーフ・ウーマン」の再臨ではないかといわれた存在のことです。わたしがこのブログをはじめるきっかけとなった「せかいへいわといのりの日(WPPD)」は、ミラクルの誕生をきっかけとしてはじめられました。平和と調和の時代の到来を約束された白いバッファローの娘は、全平原インディアンにとって、白人にとってのキリストに匹敵するぐらいのきわめて聖なるものとされ続けています。
2004年の9月に地球の旅を終えたミラクルは、1994年の8月20日に誕生しました。そう明日は彼女が生きていれば12回目の誕生日にあたる日です。ミラクルは白いバッファローの女の子として生まれ、その10年の生涯において、予言されていたように4回その毛の色をかえました。黒くなり、赤くなり、黄色になったのです。白、黒、赤、黄は、聖なる4つの色であり、地球に生きる人たちの肌の色でもあります。彼女が他の白いバッファローと異なるのはこの変化からもはっきりしています。ミラクルがその生涯を過ごしたウィスコンシン州ジェーンズヴィルのハイダー牧場には今なお人々が訪れるといいます。そこには生前のミラクルをしのぶ質素な博物館も建てられています。毎年彼女の誕生日には祈りの集会が開かれます。
20日早朝からはじまる祈りの儀式の案内サイトを紹介しておきましょう。そこには彼女が4回にわたって毛の色をかえたときの写真も掲載されています。参加したいけれど事情があって参加できない人のために、あなたの祈りを届けるためのページも用意されています。ミラクルと名づけられた白いバッファローの娘の到来が意味するものを、この機会にもう一度考えてみるのもいいかもしれません。
2006 Birthday Celebrations for Miracle,the Sacred White Buffalo
ラコタの聖なる人であり、メディスンマンであり、おそらくは「ヘヨカ(へそまがり道化)」でもあった故ジョン・ファイアー・レイム・ディアーが、1967年に語ったホワイト・バッファロー・カーフ・ウーマン(白いバッファローの仔牛の女)についての話は当サイトの「ここ」で読むことができます。いかにしてホワイト・バッファロー・カーフ・ウーマンがラコタの人たちに最初のパイプをもたらしたかについて語られており、パイプが彼らの聖なる伝統の中心にあることからもわかるように、この話もきわめて重要なものとされています。ハートでお読みください。
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