先住民主要国首脳会議が開かれている
亀の島アメリカの心臓にあたる聖なる山ベア・ビュートの麓で昨日1日から4日まで先住民主要国首脳会議「The Summit of Indigenous Nations」が開かれている。ラコタの人たちだけでなく、30を超える部族の人たちが寄り集まり、山麓に予定されているバイカーたちのための「世界最大」と宣伝される巨大酒場とコンサート会場の建設問題を話しあうためだ。この風雲急を告げる問題は当サイトでもすでに何度かお伝えしたので詳しくはそちらを参照してもらうことにして、ミズーリアン・コム(Missoulian.com)という地方新聞のニュースサイトがそのサミットの記事「聖なる大地を守ることを中心議題とする先住民主要国首脳会議」を載せている。全文を紹介する余裕はないが、記事のなかで印象深いコメントを見つけたので紹介する。シャイアン・リバー・スー居留地からきたひとりのラコタの女性の声だ。
「今はまだあの連中はネイティブ・アメリカンがそこを聖地として守っているぐらいのことしか知らないけれど、そこがわたしたちの祈りの場所であることをはっきり教えてやりたいと思います。あの人たちがそのことを理解できない理由は、あそこに一年中、誰か人がいるわけではないからなの。ラコタの人たちが、長いことそこにとどまることはありません。なぜならあまりにもそこは神聖すぎる土地だから。わたしたちは祈るためにそこにおもむき、そこを立ち去るのです」
あまりにも神聖だから人間がそこに長くとどまることはないという世界観を、ネイティブ・ピープルの人たちは今も保ち続けていることがわかる。
ひるがえって日本列島の聖なる山を考えるとき、長く人がとどまることはない山などもはやひとつも残されてはいないのではないか。「その土地のネイティブであるとはどういうことか?」をこの問題はわれわれにも突きつけている。
先住民主要国首脳会議のことをより知りたい人は以下の記事(英文)を読まれたし。
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