インディアン道の道しるべ
アラバマ州のハートセルという町のはずれの深い森のなかに写真のような、樹齢200年ほどの赤樫の樹(ノーザン・レッド・オーク)がある。恐竜のコブのようにも見えるなかなか大きな樹だが、これまでその存在が公開されたことはなかった。今回この樹のある森の所有者であるポール・プリンス氏(77歳)と奥さんのベティ・プリンスさん(72歳)が地元のメディアにこの樹の存在をあきらかにして話題になっている。
この森はもともとチェロキー・インディアンがテリトリーとしていた森で、この樹がユニークなのは、その根本の近くが大きく虹のようなかたちに人の手で曲げられているところ。ネイティブ・ピープルが自分たちのテリトリーの境界や通り道を示すために、若木のうちに石などを使ってわざわざ変形させたもので、インディアン・マーカー・トゥリーといわれている。自然とひとつになって生きていたネイティブの人たちも、木を傷めないように気を使いながら目印とするために時間をかけて変形させたりすることをやっていたのだね。
アラバマ州のモーガン郡のこのあたりは1830年ごろまではチェロキー一族のテリトリーだったところ。
アラバマの地方紙 THE DECATUR DAILY NEWS (MONDAY, JULY 24, 2006)の記事「インディアンの道の上で」より
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