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Monday, July 31, 2006

ネイティブが選んだ20世紀のベスト・インディアン・ムービー

featherアメリカ・インディアンのステレオタイプ作りに最も効力を発揮したものが映像媒体であることは間違いない。とりわけアメリカ製の映画におけるインディアンの影響は無視できない。世界中の多くの人たちがアメリカ・インディアンと聞いて頭に思い描くものはたいていは映画によってインプットされたものだと言っていい。映画とインディアンの関係は、そのはじまりから切っても切れない縁で結ばれていた。19世紀に発明王のトーマス・エジソンが「キネトスコープ」と呼ばれた最初の映画の素材として、南西部アメリカのプエブロの人たちの村を撮影したイメージを使って以来の関係である。20世紀になると、ネイティブ・アメリカンが悪者であるというイメージ作り——プロパガンダ——に最も効力を発揮したのがハリウッドで無数に制作された西部開拓史の時代を描いた西部劇映画だった。1910年から1913年までの3年間におよそ100本のネイティブ・アメリカンを扱った映画が制作されたという。しかしそのほとんどの場合、映画のなかで白人の開拓者を惨殺しに来る野蛮人のインディアンを演じていたのはヨーロッパからの移民たちだった。

Nobody and William Blake

しかし1960年代から70年代になると、映画のなかでもネイティブ・ピープルを演じるのに非ネイティブ・ピープルを使うのは「差別的」という考え方がすこしずつ表れてくる。そしてこのころから、映画を作る側の心の内側にも大きな変化が起こりはじめた。ネイティブ・アメリカンの置かれた状況に同情をあらわすような映画が作られるようになったのだ。その代表的なものが、ダスティン・ホフマンがひとりのラコタのネイティブ・ピープルの一生を演じながら、インディアンの人間的な生き方に比べて白人文明のあり方はほんとうに優れているのかという疑問を投げかけて話題になった『リトル・ビッグ・マン(小さな巨人)』(トーマス・バージャーの小説が原作)と、アメリカン・ニューシネマの走りとなった『ソルジャー・ブルー』であった。これ以後「まともなのはいったいどちらの生き方なのか」ということを突きつける映画が、いくつも製作されるようになって21世紀へと突入することになる。

21世紀になってすぐそれまでネイティブ・アメリカンを主人公にしたコミックブックの制作をしていたブルーコーン・コミック社がネイティブ・ピーブルを対象に、これまで観た映画のなかで最も優れていた「ネイティブ・アメリカンを扱った映画」もしくは「ネイティブ・アメリカンに関する映画」のアンケートを採りそれを公表している。日本でも公開されていたり、現在もDVDやビデオで入手できるものもあるので、そのリストを公開しておく。掲載した写真は映画『デッドマン』のスチールの一枚。主人公のウイリアム・ブレイク(ジョニー・ディップ)とネイティブのノーボディ(ゲーリー・ファーマー)。

映画のタイトルと公開年、 [TV] とあるのはテレビで公開されてのちにビデオになったりDVDになったもの。日本語の表示があるものは日本で公開されて、入手可能なもの。日本で入手できるものについては、日本のアマゾン社の小生のアフリエイトのリンクがつけてあるし、日本で入手できないものはアメリカのアマゾン社のリングがついているのでご利用願いたい。

The Best Native American Movies

The Broken Chain 1993
The Broken Chain
Starring: Pierce Brosnan, Michael Abrams
Director: Lamont Johnson

Thunderheart 1992
サンダーハート
出演:ヴァル・キルマー、サム・シェパード
監督:マイケル・アプテッド

The Emerald Forest 1992
エメラルド・フォーレスト
出演:パワーズ・ブース、メグ・フォスター
監督:ジョン・ボアマン

Lakota Woman: Siege at Wounded Knee [TV] 1994
Lakota Woman: Siege at Wounded Knee
Starring: Dave Bald Eagle, Lawrence Bayne
Director: Frank Pierson

Where the Spirit Lives [TV] 1991
Where the Spirit Lives
Starring: Michelle St. John, Kim Bruisedhead Fox
Director: Bruce Pittman

The Last of the Mohicans 1989
ラスト・オブ・モヒカン
監督:マイケル・マン

Tecumseh: The Last Warrior [TV] 1995
Tecumseh: The Last Warrior
Starring: Jeri Arredondo, Lawrence Bayne
Director: Larry Elikann

Smoke Signals 1998
スモーク・シグナルズ
出演:アタ゜ム・ビーチ、エバン・アダムス
監督:クリス・イアー

Kings of the Sun 1963
Starring: Yul Brynner, George Chakiris, Shirley Ann Field, Richard Basehart, Brad Dexter
Directed by: J. Lee Thompson

Dances with Wolves 1993
ダンス・ウィズ・ウルブズ スペシャル・エディション
出演:ケビン・コスナー、メアリー・マクドネル
監督:ケビン・コスナー

Dead Man 1995
デッドマン スペシャル・エディション
出演:ジョニー・デップ、ゲーリー・ファーマー
監督:ジム・ジャームッシュ

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Comments

「Kings of the Sun」はマヤ一族の映画だという話を聞いたことがありますが、残念ながら見たことはありません。ニホンのテレビでも放映されていないのじゃないかな。あとアメリカのテレビ映画でニホン公開されていないものについては、いずれ近いうちに公開されるかもしれないという淡い期待を持っています。残りの映画については、実に選ばれるべくして選ばれたという感じがします。いい映画は誰が見てもいい映画なのだなあと。欲をいえば『パウワウ・ハイウェイ』が入っていてほしかったという気持ちがあります。まず、この夏から秋にかけてなにを見ようか迷ったときには、これらの作品を一度ご覧になり、ネイティブであることを楽しみながら学ぶのもまた一興かと思います。

Posted by: Kitayama "Smiling Cloud" Kohei | Monday, July 31, 2006 at 07:05 PM

「サンダー・ハート」は、現代の日本人に見てもらいたい最もお勧めの、そしておれの座右の映画です。文明を糧に、しかしネイティブの魂を抱いて生きているひとびとに、勇気とインスピレーションを与えてくれると思います。
地球上どこでも起こっているネイティブを消そうとする波のなかで、二千年前から起こっている弓の島でのネイティブの趨勢を現代に描いて、日本版サンダー・ハートを打ち上げられたらいいなぁと夢想したりしてます。

ここに挙がっていない20世紀のベスト・インディアン・ムービー の一つとして、「Tree Warriors(邦題インディ・キッド)」を紹介したいと思います。77年製作 日本未公開 製作ソール・ゼインツ、サイ・ゴンパーグ  監督キース・メリル 主演チャールズ・ホワイト・イーグル、マッキー“キコ”レッドウィング 販売東芝映像ソフト株式会社

Posted by: 山竒 | Tuesday, August 01, 2006 at 01:11 PM

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