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Tuesday, May 30, 2006

人間にとって謙虚さとはなんだろう?

「謙虚さは徳のなかでもおそらく最も自覚しにくいものであるだろう」と語ったのはクロー一族のメディスンマンでエルダーだったトーマス(トム)・イエローテイルである。彼がここで話している「徳」とは英語では「virtue」と言う。研究者の英和大辞典に相談すると、「ヴァーチュー」の代表的な意味は

1 (道徳的な)徳, 善; 徳行, 善行; 高潔, 廉直, 方正.
2 (ある特定な)徳, 道徳的美点, 美徳.
3 美質, 美点, 長所 (merit).
である。その人に与えられた美しさ、それが徳である。徳にはさまざまな徳があるが、その中で一番自覚されることのないものが謙虚さであると、トーマス・イエローテイルは言っているのだ。

なによりも謙虚であるためには、人は己の性格的な欠点に気がついていなくてはならないし、しかもそれだけでは不十分で、同時に素直に評価すべきものは評価できなくてはならないのだから。

もしあなたがなにかをなして、それがうまいこと運んだとしよう。それがうまく成就した理由はいくつか考えられる。それにふさわしい才能を天から与えられていたこともまちがいはない。そうした場合、別の誰かに、あなたがそれをなしえたことをほめられたとき、自分がそれをできたのはその才能を授けてくれた存在のおかげだと素直に認めること、これが「謙虚さ」である。また友や、伴侶や、そばにいる人たちの力を借り受けて、あなたがなにごとかをうまく成し遂げたときには、あなたに力を貸してくれた人たちのしたことを正しく評価すること、これも「謙虚さ」である。そしてまた、あなたが誰の力も借りずに独力でなにごとかを達成したとき、自分の力を正当に評価すること、これもまた「謙虚さ」である。

最大の敵である己のエゴをしかとにらみつけて、つねにほんとうのことを口にするようにし、評価すべきものを素直に評価できるようになりたいものであります。

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