絶望のなかで希望を見つける小話
これは昔ラコタの人に聞いたお話しです。絶望のなかの希望について語るには、今のわたしたちの状況はふさわしいかも知れません。
ひとりの少女があるときあるところで奇妙な小鳥と出会ったそうです。
その小鳥は地面にあおむけにひっくり返り、両方の羽根を大きく広げて上に向けて、両足を空に向かって思い切り突き上げていました。
へんな鳥だなぁと少女は思い、もしかしたら死んでいるのかもと考えて、その場から逃げ出したくなるぐらい不安とおそれを感じたそうです。
でもおそるおそる近づいてよく見てみると、小鳥は死んでなどいません。
それどころか全身に力がはいり、目はしっかりと見開かれ、生気がみなぎっているではありませんか。
少女はその不思議な格好をしている小鳥にたずねました。
「小鳥さん、なんでそんな奇妙なことをしているのですか?」
すると小鳥がこたえたそうです。
「なに、空が落ちてくるという話を聞いたものでね」
少女ははたと納得しました。小鳥はそこであおむけになって、両方の羽根と両脚で落ちてくる空を必死に支えようとしていたのです。
「でも」と少女は、そこでうんうんとうなって空を支えようとしている小鳥にたずねました。「できるわけがないことをするためになんでそんなに一生懸命になっているのですか、小鳥さん」
すると小鳥がこたえました。
「君も君にできることをしろよ」
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Comments
いや~、とってもいいお話です、なんていうことはない、小鳥さんの言うとおり、ですね。
Posted by: cen | Saturday, April 08, 2006 12:31 PM